動物病院に行ったら、突然「アジソン病」と診断されてしまった!
でも、アジソン病ってどんな病気か知らない…
治る病気なの?薬代はどれくらいかかるの?
気を付けた方がいい食事ってあるの?
など、聞きなれない名前の病気にかかると、わんちゃんの病態とともに今後も心配になってしまいますよね。
今回は、アジソン病の詳しい説明と、気になる薬代や食事について知っておきたいことをお話します。
ぜひ最後までお読みくださいね!
アジソン病の症状
アジソン病は、副腎と呼ばれる臓器の副腎皮質から分泌されるホルモン量が極めて低くなってしまう病気です。アジソン病は別名で「副腎皮質機能低下症」とも呼ばれています。
では、具体的にアジソン病にかかったらどのような症状が出るのでしょうか。
良く見られる症状は以下の10つです。
2、おしっこをたくさんする
3、元気がなくなる
4、散歩に行きたがらない
5、眠っている時間が長くなる
6、吐く
7、下痢をする
8、食欲が落ちる
9、痩せてくる
10、体温が低下する
一つ一つの症状を見ると、あまり特徴的な症状はありません。
ちょっと体調不良かな?ぐらいで終わってしまうかもしれません。
また、アジソン病では、わんちゃんの症状が良くなったり悪くなったりを繰り返します。
様子を見ていたら症状が良くなったので「治った」と勘違いされる飼い主さんも多くいらっしゃいます。
しかし、実際はどんどんと病気は進行していく一方。
病気の早期発見ができるチャンスを逃さないよう、少しでもおかしいなと思ったら動物病院に相談に行ってくださいね!
アジソン病の原因
では、アジソン病になってしまう原因は何でしょうか。
アジソン病では、腎臓の上にソラマメ状の形をした「副腎」と呼ばれる臓器の異常によっておこります。
この副腎からは、わんちゃんが生きていく上でとても重要な「ホルモン」を分泌しています。
このホルモンは、
- 体内のバランスを整えたり
- 栄養の消化・吸収を助けたり
- エネルギーを作り出したり
- 余分な物質を外へ出したり
- 免疫機能や炎症反応を抑えてくれたり
…と様々な働きをして、わんちゃんが正常に生活することを手助けしてくれます。
副腎の一部の副腎皮質という部分からは、糖質コルチコイド(コルチゾール)と鉱質コルチコイド(アルドステロン)というホルモンが分泌されています。
アジソン病では、この副腎皮質から分泌されるホルモンが不足してしまう病気です。
その原因は主に3つです。
2、副腎皮質に「ホルモンを出しなさい」という脳の下垂体に問題があって、ホルモンが分泌できない3、人工的に作られた副腎皮質ホルモン(ステロイド剤)の長期大量投与によって、体がホルモンを作らなくても良いのだと誤認してしまったのち、ステロイド治療を突然やめるとホルモンが分泌されない=俗にいうステロイドの副作用の一つ
また、わんちゃんが何らかのストレスを受けた場合に急激に発症する場合もあるようです。
引っ越しや長期間の知らない場所や人への接触などは、わんちゃんの性格や体調を考慮して行ってくださいね。
アジソン病の治療
アジソン病にかかってしまった場合、治療はどのように行うのでしょうか。
アジソン病の原因が、副腎皮質からのホルモン「コルチゾール」や「アルドステロン」が不足しているので、主にこのホルモンを人工的に作成して内服します。
どちらのホルモンが不足しているかは、動物病院の血液検査などによって判明します。
コルチゾールが不足している場合
この副腎皮質ホルモンのコルチゾールですが、抗炎症作用があるので、広く人工的に使用される薬です。
皆さんもご存知の「ステロイド剤」と呼ばれるものです。
動物病院によって異なりますが、プレドニゾロン錠を使用するところが一般的です。
アルドステロンが不足している場合
アルドステロンは、体内のナトリウムイオンや水素イオンなど体内のイオン濃度を調節してくれます。
このお薬は動物病院では有効成分フルドロコルチゾン酢酸エステルを人工的に合成した薬の「フロリネフ」を使用するのが一般的です。
どちらのお薬も副腎皮質や脳の下垂体を直接治療する訳ではありませんので、一生飲み続ける必要があります。
そうなると、毎日のお薬代もかかります。
そして、プレドニゾロン錠は少し値段が低めですが、フロリネフは高めです。
早期発見をすれば、そのお薬も少なくて済みますよね。
いかに早期発見・早期治療が必要なのかという事が分かって頂けると思います。
アジソン病の食事
アジソン病にかかると、体内のイオンバランスが崩れます。
特に、鉱質コルチコイドが分泌されなくなってしまう場合に顕著に現れます。
その状態では、本来であれば排出されるべきカリウムが増えてしまい、体内に残しておきたいナトリウムが減ってしまいます。
そこで、食事でできるだけ低カリウム・高ナトリウムを心がけると体内の負担も減ります。
治療でお薬を使用していますので、あまり手作り食にこだわる必要はありませんが、もしドライフードにトッピングとして与えている場合や、缶詰を与えている場合には、原材料に気を付けた方が良いでしょう。
具体的には、
高ナトリウムの食事…牛肉、豚肉、米など
これらを選ぶと体に優しいご飯になります。
また、野菜はカリウムをたくさん含んでいますので、トッピングとして野菜をあげている方は気を付けて下さいね。
最後に
アジソン病は、いったんかかってしまうと、完治は難しい病気です。
この病気をよく理解しながら、うまく付き合っていくことが大切です。
少しでも長生きできるよう、獣医さんとよく話し合って最適な薬の量や治療法を見つけて下さいね。
長い記事を読んでくださってありがとうございました。
あなたとその隣にいるわんちゃんがもっともっと両想いで幸せになりますよう、願っています!