和食には欠かせない食材のひとつである海苔。
海苔にはたった1枚でもたくさんの栄養が含まれており、健康や美容に良いとのことで注目されています。
そんな海苔ですが、犬に関しては、結石になるから与えない方が良いとか、様々な情報があります。
海苔を犬に与えても大丈夫なのでしょうか?
ここでは、海苔や青のり、その他海藻類の犬へのメリットと与える時の注意点、噂の結石のこともみていきます。
海苔・青のりなど海草類を犬へ与えることのメリット
海苔・青のり、ほかにも昆布など、私たちの生活によく使われる海藻類は、犬にもうれしい効果があるようです。
海藻類の栄養
海藻類は、食物繊維、ミネラル、ビタミン、カルシウムを豊富に含みます。
そのため、便通改善、血液浄化、免疫力アップ等に効果的だと考えられています。
また、犬にとっても、味付けされていないものを少量であれば、その効果を期待できるという優良な食品です。
乳製品のアレルギーのある犬にとっては、海苔は貴重なカルシウム源にもなります。
また、海草類の粘り気の中に含まれるフコイダンという食物繊維は、免疫力を活性化する働きがあります。
海草類はダシとしても使えるので、ダシをとって有効な成分を摂取するという活用法もあります。
海草の種類と栄養・効能
いくつかの海藻をピックアップして、その栄養と期待できる効能をそれぞれみていきましょう。
《海苔》
活性酸素を抑えるβカロテンが豊富に含まれています。
そのため、免疫力アップ・老化予防に期待できます。
カルシウムも豊富で、のり1枚で牛乳20mlに匹敵する量を含みます。
お年寄りのワンコに海苔を食べさせるようになって、毛艶が良くなったという例もあるようです!
《青のり・あおさ》
青のりもあおさも、ビタミン・ミネラルが特に豊富です。
特にマグネシウムが豊富で、体内のバランスを調整してくれます。
ただ、ワンコが下痢の時は、マグネシウムが状態を悪化させてしまう可能性があるので与えないようにしましょう。
《昆布》
カルシウムやミネラルが豊富で、高血圧や動脈硬化の予防に期待できます。
《とろろこんぶ》
生の昆布を削ってつくられるのが、とろろ昆布です。
とろけるような食べやすい形で、昆布の栄養がそのまま摂れる便利な食材です。
粘りのある食物繊維が腸内をきれいにしてくれます。
また、水分で膨らむので満腹感も得られるため、ダイエットにも最適です。
《わかめ》
わかめも、食物繊維・ミネラルを豊富に含んでいます。
抗酸化作用があり、ガン予防に効果があると考えられています。
こんな犬におすすめ!
海苔、青のりをはじめとした海草類は、次のようなワンコにおすすめです。
- 目や耳が汚れやすい犬
- 皮膚の不調がある犬
- 心臓や肝臓が気になる犬
- 老化対策をしたい犬
海藻類は犬にとって、こんなに良い影響のある食材ですが、もちろん良いことばかりではありません。
一部では「海藻類は犬に食べさせてはいけない」という意見もあるくらいです。
ここからは海草類の犬へのデメリットを見ていきましょう。
海苔・青のりなど海草類を犬へ与えることのデメリット
愛犬の食事内容の選択は、飼い主さんに委ねられています。
愛犬に適した食材を与えるためにも、デメリットも理解しなければなりませんね!
デメリットの多くは、メリットの裏返しです。
一般的に考えられている海苔・青のりなど海草類を犬へ与えることのデメリットをひとつづつ説明します。
豊富なマグネシウムが結石の原因に!
先にもあったように、海草類は全般的にマグネシウムを多く含みます。
そのため、たくさん与えすぎてしまうと、冒頭にもあったように結石になる恐れが出てきます。
豊富なヨードが甲状腺の病気の犬には危険!
海藻には甲状腺ホルモンの主原料であるヨード(ヨウ素)が多く含まれています。
海藻を好んで食べる日本人は、世界一ヨウ素を摂取している国民だといわれるほど、海藻のヨード含有量は他の食物に比べて多いのです。
そのため、重篤な甲状腺の病気でヨード制限が必要な犬には与えてはいけません。
豊富なカリウムが腎臓病の犬には危険!
海藻はカリウムも多く含むため、腎臓病でカリウム制限が必要な犬には与えないようにしましょう。
喉に詰まらせる可能性がある!
これは主に大きな海苔に当てはまります。
人間でもよくあることですが、海苔が口の中にベトっとくっついてしまうことがありますよね。
これで気道が塞がれて息ができなくなることもあります。
犬に海苔・青のりなど海草類を与える時の注意点と与え方
海苔などの海草類はデメリットもありますが、正しく用いれば有効な食材です。
与える時の注意点と与え方をまとめてみました。
犬に海苔・青のりなど海草類を与える時に注意すること!
- 味付けされたものは与えない!
- 詰まらせたり、消化不良を起こさないためにも、細かくちぎって水分と一緒に与えたり、お湯でふやかして与える!
- 重篤な甲状腺の病気でヨード制限が必要な犬や腎臓病でカリウム制限が必要な犬には与えない!
- 犬が欲しがったとしても食べさせすぎない!
食べさせすぎない、といっても、適量ってどのくらいなのでしょうか?
そういったことも含めて、与え方を見ていきましょう。
海苔を犬に与える場合の適量
通常量のフードにトッピングすること前提として、次を参考にしてみて下さい。
- 5kgの小型犬…0.5g(のり大判の約1/4弱)
- 10kgの中型犬…0.8g
- 20kgの大型犬…1.5g
(参考:文芸ムック トッピングご飯シリーズ「わんこの食べもの事典」)
過剰摂取を防ぐためにも、毎日ではなくときどき与えるくらいが良いと思われます。
初めて与える犬の場合、最初は少量にして、便の状態を見ながら少しづつ増やしていくのが良いでしょう。
おすすめの与え方
海苔をお湯で溶いて、スープにしてあげると食べやすいでしょう。
このままフードにかけてあげても良いし、また、肉や魚・豆腐と一緒にかけてあげるのもおすすめです。
海苔が大好き、というワンちゃんも多いようですが、食べ過ぎに注意すれば体に良い食材なのですね。
私たち飼い主の判断でワンコの食べるものは決まります。
ワンコの健康のためにも、それぞれのおうちのワンコに適した食べものの知識を持っておきたいですね。