自分の飼っている犬種、またはこれから飼おうと思っている犬種がどんな病気にかかりやすいか気になる人も多いのではないでしょうか?
今回は、犬種ごとのなりやすい病気について見ていきたいと思います。
人気犬種で見る、かかりやすい病気
JKC(ジャパン・ケンネル・クラブ)の2015年の登録頭数ランキング上位の犬種は以下のようになっています。
2位 チワワ
3位 ダックスフント
どれも街でよく見かける犬種ですね。(ランキング上位だから当たり前ですが・・・)
犬は、犬種によってかかりやすい病気があります。
ここからは、上位3犬種を例にとって見てみましょう。
それから、最近人気のあるMIX犬についても少しお話ししていきたいと思います。
プードルがかかりやすい病気
プードルはとってもデリケートな犬種ですが、他の犬種に比べて重度の疾患が少なく比較的飼いやすい犬種です。
長年人気犬種1位をひた走っているのは、そんな理由もあるのでしょう。
目の病気
白内障と緑内障が良く知られていて、どちらも失明の危険がある病気です。
目の白濁、視力低下などが見られ、緑内障は激しい痛みを伴うことが多いです。
白内障は加齢によって起こることが多いですが、2歳以下で若年性白内障が起こることもあります。
予防することが難しく、早期発見が大事です。
異変に気づいたらすぐに病院へ連れて行きましょう。
皮膚の病気
アトピー性皮膚炎、脂漏性皮膚炎、膿皮症などが挙げられます。
皮膚の病気はかゆみを伴い、外耳炎の原因にもなりやすいです。
日ごろから皮膚を清潔にすることが大切ですが、シャンプーのし過ぎやシャンプーの成分が合わないことが原因になる場合もあるので注意が必要です。
てんかん
突然発作が起こるのでびっくりしてしまうことも多い病気です。
発作はたいてい数分以内に収まり、その後普段通り元気になることが多いです。
初めて起こったときは発作の時間をはかって病院に連絡して指示を仰ぎましょう。
その他
膝蓋骨脱臼、偽血友病、先天的難聴などにも注意が必要です。。
チワワがかかりやすい病気
小さくてか弱そうなチワワですが、実はプードル同様、そんなに病気がちな犬種ではありません。
たたし、体が小さいがゆえにかかりやすい病気がありますので、注意が必要です。
膝蓋骨脱臼
膝のお皿がずれてしまうもので、先天性、後天性両方の場合があります。
初期は無症状なことも多く気づきにくいですが、進行すると痛みや腫れが出たり歩行異常が見られます。
予防するためには、足に負担がかからないようにするのが一番です。
フローリングからカーペットに変えたり、足に負担のかかる運動は控える、肥満に気を付けるなど、できることは色々あります。
水頭症
頭に水が溜まってしまう病気で、元気がない、ふらつきなど様々な症状が出ます。
チワワの場合はほとんどが脳の奇形による先天性の水頭症です。
その場合は頭蓋骨が完全に閉じていないため、頭頂部に隙間が開いていることがわかります。
水頭症は予防が難しい病気です。
若いうちに症状が出る場合が多いので、異変に気づいたらすぐに病院で診てもらいましょう。
その他
低血糖症、てんかん、緑内障や角膜炎などの目の病気、尿路結石症などにも注意が必要です。
ダックスフントがかかりやすい病気
胴長・短足が愛らしいダックスフント。
ダックスフントの病気と言えば椎間板ヘルニア!というイメージですが、他にもかかりやすい病気があります。
椎間板ヘルニア
背骨のどの部分で発症するかにもよりますが、背中や腰の痛み、歩き方がおかしい、散歩を嫌がるなどの症状が見られます。
重度になると排尿困難、神経麻痺になり、放っておくと外科手術でも回復困難になります。
予防法としては、膝蓋骨脱臼と同じことが言えます。
なるべく足に負担がかからないように気を付けてあげましょう。
フローリングからカーペットに変えたり、足に負担のかかる運動は控える、肥満に気を付けるなどです。
目の病気
ロングのダックスでは逆さまつげがよく見られ、まつ毛の刺激によって角膜炎が起こりやすいです。
また、スムースやワイヤーのダックスでは先天的な白内障がよく見られます。
他にも、網膜が薄くなって視力が低下する進行性網膜萎縮も出やすい犬種です。
糖尿病
遺伝的な体質もありますが、肥満や運動不足、ストレスなどにより糖尿病になりやすいです。
症状は人間の糖尿病と同じで、尿がたくさん出たり体重が落ちたりします。
予防法も人間の場合と同じで、適度な運動と食事管理が重要です。
その他
甲状腺機能低下症、鼠径ヘルニアなどにも注意が必要です。
MIX犬は病気になりにくい?
最後にMIX犬についてお話ししておきたいと思います。
MIX犬は「犬種」ではないのでJKCのランキングには入ってきませんが、とても人気があるのも事実です。
よく、「MIX犬は病気に強い」と言われるのを聞いたことがありませんか?
犬は犬種ごとにスタンダードが決められていて、よりその犬種のスタンダードに近づくように改良されてきた歴史があります。
それによって、その犬種の持つ遺伝的な欠陥が強調されてしまうという一面があります。
MIX犬はそのような遺伝的欠陥が少ないので、一般的に病気になりにくいんですね。
病気になりにくさから言えば、MIX犬は実はとってもおすすめなんですよ。
体の大きさによってかかりやすい病気が違う
人気犬種を例にとって見てきましたが、犬種によってこんなにもかかりやすい病気に違いがあるんですね。
ここでちょっと分かりやすい目安として、体の大きさの違いによる病気の傾向について触れておきたいと思います。
なんとなく頭に入れておくと、これから犬を飼う人にも参考になるのではないでしょうか。
小型犬のかかりやすい病気(体重10kg未満)
- 水頭症
- 膝骸骨脱臼
- 骨折
- 椎間板ヘルニア
中型犬のかかりやすい病気(体重10~20kg)
中型犬の場合、小型犬と大型犬の両方の傾向を持っていると言えます。
身体が小さい犬は小型犬に近く、大き目の犬は大型犬に近い病気の傾向があります。
大型犬のかかりやすい病気(体重20kg以上)
- 股関節形成不全
- 胃捻転
- 拡張型心筋症
ざっと例を挙げてみましたが、こう見るとなんとなく傾向が見られますね。
小型犬は体が小さく骨も細いので、脚に負荷がかかりやすく、骨や脚の病気が多いのです。
一方、大型犬のかかりやすい病気には命に係わる重度の病気が多い傾向があります。
ガンにかかりやすい犬種
いろいろな病気について見てきましたが、犬の死亡原因の1位って何だと思いますか?
実は人間と同じで、「ガン」なんです。
どの犬種でも見られますが、残念ながらガンになりやすい犬種があります。
もっともガンの発症率が高いのが、ゴールデンレトリーバーです。
次いで、フレンチブルドッグ、ラブラドールレトリーバー、という順になっています。
必ずガンになるわけではないですし、決して他の犬種がガンにならないということではありません。
でも、あらかじめ分かっていれば食生活などに気を付けてあげられるのではないでしょうか。
見た目が可愛いからという理由だけで犬を選ぶと、あとから病気やケガで苦労するなんてことがあるかもしれません。
あらかじめ犬種ごとの病気の傾向を知っておけば事前に対策を取ることもできますので、ぜひ参考にしてみてくださいね。