近年、私たち人間の生活環境が大きく変化してきています。
それとともに、ワンコたちを取り巻く環境も変わり、ワンコたちも長寿になってきています。
ここでは、もう今では珍しくはない犬の悪性腫瘍(ガン)についての原因・予防のことをお話しします。
犬の悪性腫瘍(ガン)とは
人間同様、犬にとってもガンは「よくある病気」となりました。
10歳以上の犬の死因の約半数はガンです。
一般的には6歳を超えるとガンの罹患率が高くなり、9~10歳が発症のピークだといわれています。
犬の場合、人間に比べて、特に体表にできる腫瘍が多いようです。
また、近年、口内の腫瘍も多く見られるようになりました。
飼い主が体を触っていてしこりとして気づいたり、歯磨きをしていて異変に気づくことがほとんどです。
ただ、皮膚病や外傷だろうと間違えて放っておいてしまい、腫瘍が大きくなってからガンだったと気づくケースも多いようです。
少しでも異常を感じたらまずは獣医師の診断を受けることをおすすめします。
直径1cmくらいの大きさのうちに早期発見・治療できれば、腫瘍とその周囲の皮膚などを切除することで完治が期待できます。
ガンとは?
まずは漠然と知っている方も多いであろう「ガン」について説明します。
ガンは悪性腫瘍とも呼ばれます。
生物の体は何十兆もの細胞から出来ています。
ガン細胞は、普通の細胞から、何らかの原因で起こった遺伝子変異により発生した異常な細胞で、ガンはこの異常な細胞のかたまりです。
正常な細胞は体の状態に応じて増殖したり休んだりするものですが、がん細胞はとにかく増え続けます。
そして体の大事な組織を壊して機能障害を引き起こしていきます。
治療をしなかった場合、ガンは全身に転移していき、死に至るケースがほとんどです。
犬のガンの主な原因
- 加齢による遺伝子やホルモンバランスの変化
- 日常の生活環境のストレスや環境因子(発がん物質)の蓄積
- 免疫低下による感染症
- 紫外線
- ホルモン
- 遺伝
化学物質の多く入った質の悪いフードや受動喫煙など、日々の生活環境の中での蓄積も大きな原因です。
犬のガン治療について
犬のガン治療については、別ページで詳しく見ていきますが、基本的には次の3つがあげられます。
- 外科治療(手術で取り除く)
- 化学療法(抗がん剤など薬剤でがん細胞の増殖を抑える)
- 放射線治療(放射線によってがん細胞を死滅させる)
放射線治療ができる病院は、まだ数少ないそうです。
また、犬のガンは、人間の場合以上に、家庭でのケア(消毒など)が必要になる場合が多いといいます。
犬のガン予防について
ガンは生活習慣病のひとつなので、日常生活が要となります。
愛犬の日々の生活の、次のことを気にかけてあげましょう。
ストレスを溜めない
人間と同じで、ストレスは免疫力低下の一因となります。
犬の住環境、お留守番の時間、飼い主さんとのコミュニケーションなど、日常生活の見直しは効果的です。
犬の食事の見直し
科学的な添加物の多いフード・おやつは避けましょう。
また、魚の脂はがん予防に良いといいます。
口内環境を清潔に保つ
歯磨きと同時に口内の異常チェックをしましょう。
日常から、愛犬とのコミュニケーションがてらのマッサージをする
ガンは、とにかく早期発見・早期治療が一番です。
日頃からよく触って異常に気づいてあげることができるのは飼い主さんだけです。
また、ガンの種類によっては避妊・去勢で発生率を大きく下げられることができます。
6歳を過ぎたら半年に1回のレントゲン、超音波検診を受けておくと安心ですね。
半年に一回は頻繁なのでは?とも思うかもしれませんが、犬の1年は人間の5年にも匹敵しますので。
老いというものは避けることが出来ません。
日々コミュニケーションをとって、ワンコたちの様々な変化に気づいてあげたいものです。