愛犬の体調不良、早く治してあげたいですよね。
しゃべることのできないワンコたちの体の不調は、ちょっとした症状でも実は大きな病気が隠れているケースもあります。
ここでは犬の体調不良の中でもありがちな下痢について、その原因と対処法をまとめてみました。
また、下痢の時に悩む食事や薬のことについてもみていきましょう。
犬の下痢 8つの原因
下痢の原因は、軽いものから命に関わる重度な病気まで、本当にさまざまです。
<下痢の原因として考えられること>
- ストレス、疲れ
- 誤飲、誤食
- 食べ過ぎ、水の飲み過ぎ
- フードが合っていない
- 細菌やウイルスによる感染症
- 寄生虫による感染症
- 熱中症
- その他の病気
ストレス、疲れ
引越しや家族の変化(赤ちゃんが生まれた、家族の誰かが亡くなった、など)、旅行やペットホテルに預けられた、留守番が長くなった、など犬の住み慣れた日常からの何かしらの変化がストレスとなり、下痢などの体調不良を起こすことが多々あります。
実はこういったストレスが、下痢の原因NO.1とも言われています。
引越しや家族の変化など、暮らす環境自体が新しくなってしまう場合は、できる限り一緒にいてあげて時間をかけてその環境に愛犬が馴染めるようにしてあげましょう。
旅行などの場合は、ケージや車が犬にとって「いい場所」になるように事前から慣れさせてあげると、ストレスも軽減されるでしょう。
また、ペットホテルなどに預ける際は、可能であれば事前に犬を連れて挨拶がてら「面接」させてあげるのも良いかもしれません。
誤飲、誤食
道端での拾い食いや、犬にとって中毒症状を引き起こすもの(チョコレートやネギ類など)、胃腸を傷つけるようなものをうっかり食べてしまって下痢を起こすことがあります。
そして、量によっては愛犬の命に関わるケースも!
また、拾い食いによる誤飲・誤食で感染症にかかる恐れもあり、注意が必要です。
ご家庭で吐き出させる方法もありますが、まずは病院に相談された方が良いでしょう。
食べ過ぎ、水の飲み過ぎ
食べ過ぎ、飲み過ぎでお腹を壊すことは、私たち人間にもよくありますね。
いくら欲しがるからといって、与えすぎは禁物です。
また、水の飲み過ぎで下痢も伴うとなると、もしかしたらアジソン病など、病気の症状であることもあります。
フードが合っていない
食べ物が原因の下痢の場合、食物アレルギーの可能性があります。
食物アレルギーの場合、下痢の他にも、皮膚が赤くなって体を痒がったり、脱毛などの症状が見られることもあります。
食物アレルギーではないけれども、食べ物が原因で下痢を起こしていることもあります。
体質により、乳製品などある特定の食べ物を消化することが難しかったり(食物不耐症)、何らかの原因でフードが合わなかった、なんていうこともあります。
これらの場合、獣医師に相談しながらフードを変えてゆく必要があるでしょう。
フードを急に変えてしまうとそれで下痢になることもあります。
フードを変える際は今までのフードと混ぜながら、徐々に新しいフードの割合を増やして切り替えましょう。
細菌、ウイルスによる感染症
- 犬パルボウイルス感染症
- 犬ジステンバー
- レプトスピラ症
- 犬パルボウイルス
- 犬コロナウイルス …など
これらは細菌・ウイルスに感染することによって起こる病気で、いずれも下痢に伴って嘔吐、脱水、発熱などの症状がみられます。
場合によっては死に至るケースもあるような怖い病気ですが、ワクチンを接種することで感染を予防できます。
寄生虫による感染症
寄生虫による感染症は、よく知られているフィラリア症を始め、サナダムシによるもの(瓜実条虫症)、トキソプラズマ症、回中症、鞭虫症、鉤虫症、糞線虫症など、他にも多くのものがあります。
体の状態も落ち着いた成犬の場合は目立った症状がないことも多々ありますが、下痢や血便などの症状がみられることがあります。
また、子犬の場合は死に至る場合もあるので注意が必要です。
熱中症
犬の体は人間のように全身に汗腺があって体温調整ができるわけではなく、肉球部分の少しの汗腺と口からの呼吸によってしか体温調整ができません。
そのためとても熱のこもりやすく、熱中症にかかりやすいのです。
症状としては、初めに呼吸が荒く浅くなってきて、目の充血、ヨダレなどがみられます。
そのうち下痢、嘔吐、血便、けいれん等が起こり、最悪の場合、死に至ることもあります。
熱中症は高温・多湿が原因として起こるので、夏だけでなく冬場の室内環境なども注意が必要です。
その他の病気
胃腸炎や膵炎、腫瘍、消化器系の疾患などが原因で、下痢を伴う症状がみられることがあります。
犬が下痢になったらどうする?対処法を紹介
下痢の対処法の注意点
愛犬が下痢になった場合、まずは注意したいのが次の点です。
- 嘔吐や発熱などを伴う場合や下痢に血が混ざる場合、また、子犬や老犬の場合は、すぐに病院にて受診を!
- 下痢が2日以上続くようなら、脱水症状の危険もあるので病院へ!
命に関わる場合もありますので、この2点は要注意です。
急を要さない場合でも、次のことに注意しましょう。
- 下痢は止めない!
下痢は悪いものを排泄しようとする体の正しい反応です。
出すものは全て出させましょう。 - 水分補給を忘れずに
下痢を起こすと水分も持って行かれてしまいます。
脱水を起こさないように、いつも飲んでいるお水を適度に与えましょう。
下痢の後の食事について
一般的には、胃腸を休ませるために、24時間絶食の12時間何も飲まない状態にするといいと言います。
ただ、これは元気がある場合のみ行いましょう。
元気がない場合は病院に連れて行くことをオススメします。
その後、おじやや柔らかくふやかしたフードなどお腹に優しいご飯を少量から始めます。
負担を軽くするため、何回かに分けて与えましょう。
- 食事が原因の下痢の場合
食事が原因の下痢である場合、下痢を起こす原因となる食材を避けるよう、その後の食事内容も見直さなければなりません。
アレルギーの場合は低アレルゲンのフードに切り替えるなど、動物病院と相談の上、行ってゆく必要があります。 - 適度な食物繊維と乳酸菌を食事に取り入れる
食物繊維はお腹の中で善玉菌のエサになります。
また乳酸菌は善玉菌の1種ですので、これらを摂取することでお腹の調子が整うと言います。
ちなみに我が家の愛犬の場合、低アレルゲンのフードを食べ続けたらだんだんとお腹が緩くなり、国産の雑穀フード+食物繊維とお豆腐やササミのスープご飯と、ひと舐めのヨーグルトに切り替えたら治りました。
しかし注意したいのが、犬は食物繊維の消化に優れない体をしているということ。
また、乳酸菌を多く含むものとしてヨーグルトがありますが、犬によってはヨーグルトでアレルギーなどの症状を起こす場合があります。
そのため、愛犬の「体質の個性」を把握し、それに合わせて日々の食事を考えたいものです。
下痢止めの薬は与えてもいい?
最近では様々なペット用の下痢止めの薬が販売されています。
しかし気をつけて欲しいのが、先ほどもお伝えした「下痢は止めない!」ということ。
下痢は悪いものを排泄しようとする体の正しい反応ですので、薬で下痢を止めてしまうことはあまりおすすめできません。
そして、たとえこれで一時的に下痢が止まったとしても、その原因を治さない限り下痢は再発します。
なので、与えるとしたら腸を整える整腸剤くらいが良いでしょう。
人間用のビオフェルミンを与えていらっしゃる方も多いようですが、ペット用の整腸剤も販売されています。
下痢を予防するには?
まずは、愛犬にあった食事管理が大切です。
アレルギーを起こしたり、合わないフードを避け、食事の内容を変えていきましょう。
そして感染症対策として、ワクチンの接種や拾い食いをやめさせることも大事です。
また、ストレスを溜めさせないために、年齢・個性など愛犬の状態に合わせた生活環境が整っているかも、見直したいですね。
愛犬の体の状態の把握というのは、簡単なようで難しいですよね。
しゃべれない犬たちですから、私たち飼い主が彼らの「普通の状態」をきちんと理解して、それとどう違うのか、異変を気づかなければなりません。
でも体に異変があった場合、犬たちは何かしらの形でサインを送っています。
一緒に暮らせば暮らすほど、犬の奥深さを感じます。