動物看護士が教える!お家でできる簡単お手入れ―耳―

家 簡単 お手入れ 耳

3ヶ月に1回は行く、トリミングサロン。
綺麗になるのは嬉しいけど、自分で少しお手入れできたらなって思いませんか?

わんちゃんの毛をカットするのは難しいですが、実は、目や耳、爪切り、肛門腺、シャンプーなどのお手入れは、ちょっとしたコツをつかめば自分で行う事も出来るんです!

わんちゃんのケアをしてスッキリ綺麗になるだけでなく、わんちゃんとのスキンシップにもなりますし、見逃しがちな小さな異変に気付いてあげられるかも、と良いこと尽くし!

今回の記事は、耳の簡単お手入れです。
のお掃除って難しそうなんて思っている方、これを読んだらその意識が変わるかも!

ぜひ今日から実践してみてくださいね。

耳の中はダニや細菌だらけ?!

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わんちゃんの耳の形は立ち耳、垂れ耳、こうもり耳なんて名前がついているほど、様々な形をしていますね。
おたくのわんちゃんの耳の形はどんな形ですか?

そして、耳の中を覗いてみると、毛がいっぱい生えて密集しているわんちゃんがいます。
これは昔、水の中に入って猟をする際に、水やごみが耳の中に入り込まないようにしていた名残。
猟をする上では役に立っていたこの耳毛ですが、実はこの耳毛の中はダニや細菌が繁殖するのにとっても居心地がいいのです。

ダニや細菌にとって、わんちゃんの耳毛はあったかくて、ほこりやアカなどのご飯もある最高の環境。

お手入れをせずにそのままにしておくと、ダニや細菌が繁殖してわんちゃんの耳が赤くなったり臭くなったりなどの危険信号が出てきますよ!

耳の気を付けたい症状と病気3つ

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わんちゃんの耳の中、覗いてみて、臭いや汚れをチェックしてみて下さい。
臭かったり、赤黒いアカが溜まっていたり、皮膚が赤くはれてただれていませんか?
もし1つでも当てはまったら要注意!
わんちゃんの耳がダニや細菌の住みかとなって、病気を引き起こしているかもしれません。

わんちゃんの耳で気を付けたい症状と病気を3つまとめてみました。

気を付けたい症状はこの3つ。

  1. 耳垢がたまっている
  2. 耳が腫れている
  3. 耳が黒ずんで臭い

では、一つずつ見ていきましょう。

耳垢がたまっている

耳垢の色は、健康なわんちゃんなら白っぽい色をしていますが、ダニや細菌,病気を伴うものであると、黄色や黒色に変化します。

耳垢も、通常の状態でも溜まりますが、べっとりと溜まっていたら要注意です。
外耳炎にかかっていたり、ダニが住み着く「耳疥癬」になったりしていますよ。

わんちゃんで特に多い耳のトラブルが「マラセチア」というカビ(真菌)が住み着いてしまうもの。
マラセチアは、普段は全く悪さをしません。

しかし、抵抗力が落ちていたり、耳の中にアカがたくさん溜まっていたり、温度や湿度がマラセチアが住む環境にピッタリだと、どんどん増殖していきます。
そのためにマラセチアが原因となる外耳炎や皮膚炎を起こしてしまいます。

マラセチアが原因の外耳炎になると、焦げ茶色・黒色の独特のにおいがするねっとりした耳垢が溜まります。

このマラセチアの臭い、一度嗅いだら忘れられません…。
うちのわんちゃんも良くマラセチアにかかりましたが、初期の臭いでもすぐ判断する事ができるようになりました。
お陰で早く動物病院へ連れて行くことができます。

耳が腫れている

耳を挟み込むように触ってみてください。
耳が腫れて左右で太さが違ったり、やけに熱を持っていたりしませんか?

そんな時は「耳血腫」になっているかもしれません。

耳血腫は、耳介(じかい)と呼ばれる耳の軟骨と皮膚の間にある血管に内出血を起こして、血液や漿液が溜まってしまった状態をいいます。
わんちゃんは耳が気になって首を傾けたり、何度も耳を引っかいたりします。

原因は打撲や血液の異常,ばい菌が入り込んだ,すでに外耳炎を起こしているための頭の振り過ぎなどがあげられます。

耳が黒ずんで臭い

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わんちゃんの耳の中が黒ずんでいたり、悪臭が漂ったりしていませんか?
それは「耳疥癬」かもしれません。

耳疥癬とは、わんちゃんの耳の中に「ミミヒゼンダニ」という、ダニの1種が住み着いて、ダニに血を吸われるために耳をとてもかゆがります。
耳が黒いのは、ダニの排泄物やアカが溜まった証拠。

ダックスフントやキャバリア,イングリッシュコッカーなどの耳の中の湿度が高くなる垂れ耳の子に多くかかりやすい病気です。

また、脂漏症といわれる、体臭があり油っぽいベタベタしている皮膚を体質で持っている場合は、この耳疥癬にかかりやすいと言われていますよ。

わんちゃんの耳の簡単お手入れ道具4つ

わんちゃんの耳の簡単お手入れに必要な道具は4つ。
道具と言っても、手に入りやすいものばかりです。

  1. イヤーローション
  2. 脱脂綿
  3. ペット用綿棒
  4. イヤーパウダー(必要なわんちゃんだけ)

イヤーローションは、わんちゃん専用のものがペットショップやホームセンター,動物病院で購入できます。

脱脂綿は人間用で大丈夫ですよ。

綿棒は、人間用だと大きくて使いづらいことがあります。
綿棒の先もわんちゃんにとっては硬くて耳を傷つけてしまうことも。
ペット用の物があれば大きさも硬さもピッタリで安心ですね。

イヤーパウダーは、耳毛を抜くときに必要なものです。
耳毛が密集していて、耳に炎症が起きてしまっている子には必要ですが、耳毛がほとんどない子には必要ありません。

わんちゃんの耳の簡単お手入れ4ステップ

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わんちゃんの耳の簡単お手入れに必要な道具は揃いましたか?
では、早速わんちゃんの耳の簡単お手入れをしていきましょう。

イヤーパウダーを付けて耳毛を抜く

こちらは、耳毛を抜く必要があるわんちゃんだけで大丈夫です。
耳に炎症が起きていたり、耳毛が密集しすぎてお掃除が困難な場合に行ってください。

注意点として、イヤーパウダーは、直接耳の中に入れないでください!
イヤーパウダーは耳の中に残ると耳垢として残ってしまい、かえって耳の病気を悪化させてしまう場合があります。
イヤーパウダーは、ティッシュか脱脂綿の上に出して、それを手で触って耳毛に着けるようにしてください。

このイヤーパウダーは滑り止めの役目を果たすので、手で耳毛を触ってから抜くようにすると簡単に抜けますよ。
イヤーパウダーを使用することで、わんちゃんの耳毛を引っ張る時間が少ないので、わんちゃんも嫌がらずに行わせてくれますよ。

脱脂綿にイヤークリーナーを付ける

イヤークリーナーをひたひたにした脱脂綿をわんちゃんの耳に当てます。
この時、冷たくてわんちゃんが嫌がる可能性がありますので、手の温度で温めてあげるのもポイント。

しつこい耳垢を一気に取ろうとしないで、しばらく脱脂綿を耳に当ててみて下さい。
耳垢がイヤークリーナーでふやかされて簡単に取る事ができますよ。

イヤークリーナーが耳の中に入ってしまいそう…なんて心配になってしまいませんか?
でも大丈夫!
わんちゃんは人間と違って、耳の穴がL字型になっているので、垂れたイヤークリーナーが鼓膜まで届く事はありませんよ。

これを耳垢が大体なくなるまで行えばOKです。

綿棒を使って耳垢をとる

最後に綿棒を使って残っている耳のヒダなどにある耳垢をとります。

あまり力を入れてしまうと、わんちゃんの耳が赤くなってしまうので、そっと撫でる程度にしてください。

力を入れすぎたり奥に入れすぎて、わんちゃんの耳を傷をつける可能性がありますので、

  • 綿棒の先をイヤーローションで濡らしておく
  • 綿棒のできるだけ下の方を持つ

というのもコツですね。

仕上げは耳に息を吹きかける!

わんちゃんの耳を綺麗にしたら、耳の中に残っているかもしれないイヤークリーナーを取り除きます。

その方法はとっても簡単!
わんちゃんの耳に「フッ」と息を吹きかけるだけ。

わんちゃんは、吹きかけられた息が気になって「ブルブル」っと頭を振ってくれます。
この遠心力によって、耳の奥に溜まってしまったイヤークリーナーや、ふやけた耳垢が外に出てくれます。

最後に乾いた脱脂綿で、耳をふき取ってあげれば完成です!

ほら、すっきりきれいになったでしょう?

わんちゃんの耳掃除は、あまり頻繁に行っても耳に傷をつけてしまいますので、2週間に一度ぐらいの割合で行っていきましょうね。
いかがでしたか?

わんちゃんの耳のお手入れ、自分でもできるかもと思って下さった方が多いのではないでしょうか。

最後のコツとして、わんちゃんが嫌がったらすぐにやめる事。
普段の遊びの中で、ちょびっと耳を触ってみたりしながら、少しずつ慣れさせてくださいね。

長い記事を読んでくださってありがとうございました。
あなたとその隣にいるわんちゃんがもっともっと両想いで幸せになりますよう、願っています!

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