皆さんは、どれくらいの頻度でトリミングサロンに連れて行きますか?
1か月に1回は連れて行きたいけど、そんなに時間が取れない!
トリミングサロンは値段が高いから、頻繁に行くなんて贅沢できない…。
トリミングサロンに行く前は、毛が伸び放題で汚れが目立ち、涙やけがひどく、爪も伸び放題、毛も絡まったりしていて、ちょっと臭いも…。
なんて事ありませんか?
出来れば、少しでもお家でお手入れしてあげたいですよね。
わんちゃんのお手入れは難しそう?
いえいえ、そんなことはありません!
わんちゃんのお手入れは、お家で簡単にできるのですよ!
今回は、お家でできる簡単お手入れ「目」についてお話します。
お手入れすることでわんちゃんとの触れ合いも増え、今よりもずっと仲良しになったり病気の早期発見になったりといいこと尽くしですよ。
目のお手入れチェック項目は7つ
わんちゃんの目のお手入れをする際に、飼い主さんがチェックする項目は7つです。
- 目やにが出ていないか
- 涙が出続けていないか
- 目がしょぼしょぼしていないか
- 黒目が白く濁っていないか
- 白目が赤くなっていないか
- 目の中に虫がいないか
- 左右の目の大きさが違わないか
この7つのチェック項目に注意して、わんちゃんの目のお手入れをしてみてください。
では、1つずつ見ていきましょう。
目やにが出ていないか
わんちゃんに目やにが付いている時は、何が原因なのでしょうか。
目やには人間と同じように、目の表面についたホコリやごみを目の粘膜(角膜や結膜)から分泌された粘液と混ざって目頭などに排出される物です。
専門的には「眼脂」と呼ばれます。
通常であれば、色は黒っぽい色が多く、量も少ないので問題はありません。
白い目やにもあまり心配する必要はありません。
しかし、目やにが大量に出てくる場合や、目やにの色が緑や黄色だと要注意!
目やにの色が緑色だと、目に菌が感染してしまったので体が戦って、菌が死んで膿になっている状態の色です。
目やにの色が黄色だと、目にウイルスや菌が感染してしまって、膿が出ている状態の色です。
目やにの色が緑色か黄色だったら、目に「膿」が見られる証拠。
結膜炎やウイルス性・細菌性結膜炎,角膜腫瘍などが病気で隠れているかもしれません。
涙が出続けていないか
わんちゃんの目は、人間と同じように角膜が乾かないようにするために常に涙が流れ続けています。
それは、わんちゃんの目をのぞいた時にうっすら目の下にたまっている程度。
しかし、大量に分泌されてしまう「流涙症」という病気があります。
「涙やけ」の原因の1つと言えばわかりやすいでしょうか。
わんちゃんの涙は本来、涙腺→涙管→鼻へと排出されますので、目頭から下に流れる事は頻繁にはありません。
一時的に目に大量のごみや毛が入った場合は、わんちゃんでも涙が流れる事があります。
しかし、涙が出続けているのは要注意!
- 涙を作る器官の病気
- 涙を鼻へ流す経路が詰まっている病気
- 逆さまつげ
上記の病気が考えられます。
よくわんちゃんに見られるのは、涙を鼻へ流す経路=涙管が詰まってしまい、涙やけになってしまうもの。
添加物の多い脂っこい食事を与え続けると、涙管が詰まる可能性が高いです。
食事を見直してみるのもいいかもしれません。
トイプードルは、涙腺が詰まっていたり閉塞していたりする子が多いです。
産まれながらにずっと涙やけがひどい場合は、先天的に涙管が詰まっていることも。
その場合は、手術が必要なこともあります。
逆さまつげは、トリミングサロンでも動物病院でも、逆さまつげを抜く処置を行ってくれます。
まつ毛を抜くのはちょっと痛そう…と思われる方は、ぜひ動物病院で行ってください。
点眼麻酔をかけてからまつ毛を抜いてくれる場合がありますので、痛みを軽減させてくれますよ。
目がしょぼしょぼしていないか
わんちゃんが目をしょぼしょぼさせている時は「痛み」があるというサインです。
人間でも大きなごみが取れなかったり、傷がついてしまったりすると目がしょぼしょぼとなりますよね。
わんちゃんの目をのぞいて大きなごみが入っているときは取り除いてあげましょう。
逆さまつげが生えている時も、目をしょぼしょぼさせながら涙がたくさん出ていることが多いです。
目の周りの毛が目に入ってしまっている場合もありますので、トリミングサロンで伸びた毛をカットしてもらいましょうね。
また、わんちゃんはお散歩で草むらを歩きますので、気づかないうちに目の中に鋭い草が入って、目に傷をつけてしまうことがあります。
わんちゃんの目の傷は、飼い主さんの肉眼では判別できませんので、ごみがなさそうなのに目をしょぼしょぼしている場合は、動物病院に行って傷や炎症があるかを確かめてもらいましょう。
黒目が白く濁っていないか
わんちゃんの目をのぞいて、黒目が白く濁っていると病気の可能性があります。
白内障
目の中にある水晶体というレンズの部分が濁ってしまう病気です。
初期の白内障では、わんちゃんは問題なく歩けますので、気づきにくいかもしれません。
病気が進行していくと、視力が低下し、段差につまづいたり、部屋の家具に体をぶつけてしまったりします。
角膜炎
角膜炎が進行してしまうと、目が白く濁ります。
角膜炎の初期症状として、目をしょぼしょぼさせたり、光を異常にまぶしがったりと、飼い主さんが気づけるものがたくさんあります。
これらの異常があれば、すぐに動物病院につれていってあげてくださいね。
核硬化症
水晶体が濁ってくるので白内障と症状は似ていますが、こちらはわんちゃんの正常な老化現象です。
核硬化症は、はじめのうちは目が白いというよりも、目が「青白い」「薄暗い」のように感じるかもしれません。
6~10歳以上のわんちゃんに見られ、水晶体の中央部分が圧迫されてだんだんと硬くなってくるために、目が白く濁ってくるようになります。
濁りが強くならなければ視力障害は起きませんが、正常な老化現象ですので治療薬はありません。
白目が赤くなっていないか
わんちゃんの目が充血しているのは、病気かもしれません。
結膜炎、角膜炎
結膜とは、眼球とまぶたをつなぐ半透明の膜のこと。
上下のまぶたの裏側と、白目の表面を覆っています。
角膜は、黒目を覆っている膜のこと。
その部分が細菌やウイルス感染,異物混入などで炎症を起こすと、充血したりかゆみを起こします。
結膜炎や角膜炎がひどくなると、ブドウ膜炎などの病気にも発展してしまいます。
ドライアイ
人間もなることが多いドライアイですが、わんちゃんにもドライアイにかかる可能性があります。
特にシーズーやパグ,キャバリアなどの犬種は目が大きく外界に触れる面積が広いため、ドライアイになりやすいと言われています。
目が乾き、結膜が充血してしまいます。
目の中に虫がいないか
わんちゃんの目の中に寄生する寄生虫がいます。
「東洋眼中」と呼ばれ、ショウジョウバエの仲間「メマトイ」がわんちゃんの涙や目やにを食べる時に、メマトイの口の中にいる東洋眼中がわんちゃんの目に寄生します。
白の半透明で細い糸くずのような8~16ミリほどの大きさなのですが、ミミズのようにうねうね動いているので、わんちゃんの目をのぞきこんだ時に気づくことも多いです。
1匹だけ寄生していることは少なく、大抵は10匹以上が目の表面を動き回っています。
この東洋眼中という寄生虫自体は、わんちゃんの目に悪影響を及ぼすことはないのですが、虫がうごめく違和感から、涙が止まらなくなったり、瞬膜という目の膜の炎症などを引き起こして目をこすり、傷つけて角膜炎になってしまったりします。
治療としては、動物病院で点眼麻酔か全身麻酔をかけてピンセットで除去します。
予防方法はあまり確定されていませんが、フィラリア予防をきちんと行っているわんちゃんは感染率が低いと言われています。
左右の目の大きさが違わないか
緑内障という病気は、眼球内の圧力(眼圧)が異常に高くなって、目の網膜や神経に障害を起こしてしまう病気です。
そのままにしておくと、失明に繋がります。
眼圧が高まると、目が充血したり、目が大きくなったりします。
特に片方の目だけに緑内障の症状が出ている場合、左右の目の大きさが違います。
症状が進行すると、強い痛みが現れることもあります。
眼圧を抑える点眼をすることで病気の進行を抑える治療がされています。
わんちゃんの目の簡単お手入れ
わんちゃんの目の病気を早期発見するためにも、目のお手入れをしておきたいですよね。
実は、わんちゃんの目をお手入れすることはとっても簡単!
わんちゃんの目の簡単お手入れに必要な道具はたった2つです。
- コットン
- アイクリーナー(生理食塩水)
この2つがあれば簡単にできますよ。
わんちゃんの目やには、発見した時は乾いて硬くなっていることがほとんど。
無理やり引っ張ろうとすると、目やにと一緒に毛を引っ張ってしまって、わんちゃんに痛い思いをさせてしまいます。
目やにを見つけたら、まずはコットンにアイクリーナー(生理食塩水)を垂らしましょう。
もしアイクリーナー(生理食塩水)が無ければ、ぬるま湯で大丈夫です。
その濡らしたコットンを、わんちゃんの目やにに当ててしばらくおきます。
そうすると、頑固についた目やにがアイクリーナーの水分によってふやけて、汚れが浮いて来ます。
わんちゃんの目を力づくで拭いたり、乾いたコットンでふくのは目を傷つけてしまうので絶対にやめましょうね。
また、アルコール入りのクリーナーや水に溶ける紙は絶対に使わないでください!
目に悪影響を与えてしまって、余計に目が傷ついてしまいますよ。
いかがでしたか?
わんちゃんの目をお手入れするだけで、病気の早期発見にもつながることが分かっていただけたのではないでしょうか。
目の様子がいつもと違うな、わんちゃんが目を異常に気にしているな、と感じた場合は、早めに動物病院に連れて行ってあげてくださいね。
長い記事を読んでくださってありがとうございました。
あなたとその隣にいるわんちゃんがもっともっと両想いで幸せになりますよう、願っています!