冬になると、外の寒い気温から温かいお家の中に入るとほっとするのもつかの間、ずるずるっと鼻水が出てくる…こんな経験は誰でもあると思います。
あなたの隣にいるわんちゃんはどうでしょう。
鼻水を出すことってあるのか疑問になってきますよね。
人間でもそうですが、わんちゃんも鼻から鼻水が垂れるほど出ている時は要注意!
病気のサインかもしれません。
今回は、わんちゃんのどんな鼻水が病気のサインかどうか、また、呼吸が苦しそうで息が荒い時の原因や対処方法をお伝えします。
Contents
心配いらない鼻水、病気のサインの鼻水
鼻水にもいろいろな種類があります。
私たち人間にも言えることですよね。
では、心配いらない鼻水はどんなものでしょうか。
寒い場所から急に温かい場所に入ると、透明な鼻水が出ます。
鼻の中にホコリなどの異物が入った場合、くしゃみとともに鼻水を飛ばして、異物を取り除きます。
健康であれば、この鼻水はすぐに治まります。
鼻水の色も無色透明で心配ありません。
反対に病気のサインの鼻水はどんなものでしょうか。
くしゃみを連発して鼻水を飛ばしていたり、鼻水の色が黄色になっていたり、ベタベタしている場合は、わんちゃんが病気にかかっているサインです。
鼻水が出た場合は、その鼻水が一過性の物ですぐに治まるものなのか、続いているものなのか、鼻水に色がついているかどうかをチェックしてみて下さいね。
また、わんちゃんは鼻水が出ると、舌を出してペロッと舐めてしまいます。
頻繁に鼻を舐めているな、と思ったら鼻水が出ているかもと疑ってみてくださいね。
病気の鼻水5つ
では、鼻水が出る病気の代表的なものを5つ。
もしわんちゃんに当てはまっていたらすぐに病院に連れて行ってくださいね!
ジステンパーウイルス感染症
ワクチンを接種している免疫力のあるわんちゃんの多くはほとんど無症状です。しかし、ワクチンを打っていないわんちゃんや、子犬・老犬などで免疫力が下がっているわんちゃんでは重症化することが多い病気です。
感染すると、目やにや鼻水の他、40度前後の発熱・元気や食欲がなくなります。
咳やくしゃみなどの呼吸器症状や、下痢・嘔吐などの消化器症状が現れます。
細菌の二次感染によってさらに症状が悪化し、重度の肺炎を引き起こすと、呼吸が苦しく息が荒くなります。
このジステンパーウイルス自体に有効な薬はありません。
治療はその時に出ている症状を抑える対処療法で行います。
初期症状での鼻水や熱で、すぐに動物病院へと行けば重症化が防げます。
また、一番良い方法は、ジステンパーにかからないように予防注射を打っておくことです。
普段からしっかりとわんちゃんの様子を見ておきたいですね。
ケンネルコフ(伝染性気管気管支炎)
ケンネルコフ(伝染性気管気管支炎)は子犬や、免疫力が弱った老犬にかかりやすい病気です。
またワクチン未接種のわんちゃんもかかりやすくなります。
ケンネルコフ(伝染性気管気管支炎)にかかると、咳や発熱が急に現れます。
ケンネルコフはこの咳が特徴的な症状として現れます。
また、ケンネルコフは感染したウイルスや細菌の数によって症状が異なり、1つの感染である単独感染では軽い症状で1週間から10日ほどで回復します。
しかし、2つ以上の感染がある混合感染の場合、元気・食欲の低下や高い熱が出たり、膿状の鼻水が出たりします。
また、重症化すると肺炎を起こすので、呼吸が苦しくなって息が荒くなります。
ケンネルコフは集団感染しやすいので、不特定多数のわんちゃんがいるドッグランに行ったり、多頭飼育をしている環境で感染することがあります。
こちらも予防注射を打てば防ぐことが可能な病気ですので、忘れずに接種していきたいですね。
アレルギー性鼻炎
人間と同様、アレルギー症状でも鼻水が出ます。
わんちゃんのアレルゲンは、タバコや花粉,ダニやハウスダストなど様々です。
血液検査によってアレルゲンを特定できる場合もありますが、複雑に重なって反応している場合がありますので、できるだけアレルゲンを遠ざける生活が必要です。
ハウスダストなら、普段の掃除や空気清浄機をうまく使うのも手ですね。
このアレルギー性鼻炎の場合、くしゃみとともに、無色透明な鼻水が出ます。
慢性化してしまうと、なかなか治りにくいもの。
早めに動物病院に行ってくださいね。
歯槽膿漏(しそうのうろう)
歯槽膿漏で鼻水?!と思われる方もいらっしゃるかもしれません。
実は、歯の病気でも進行すると、鼻水という形で症状が現れます。
わんちゃんの歯周病が進行すると、歯の根元に膿が溜まります。
わんちゃんの上の歯が生えている歯槽骨(しそうこつ)と呼ばれる部分は、鼻腔にとても近く、溜まった膿が鼻腔に穴を開けてしまうことがあります。
鼻腔と歯槽骨が繋がってしまう事が原因となって、鼻腔炎を発症し、くしゃみ・鼻水の症状が出ます。
溜まった膿が鼻から出てくるので、鼻水の色は透明ではなく、ドロッとした黄色や緑色の鼻水が出てきます。
歯周病がひどくなる前に、定期的に歯の歯石を取ってもらうスケーリングや家庭でできる歯磨きなどを行って、病気を事前に防いでくださいね。
腫瘍
鼻の粘膜に腫瘍ができると、透明の鼻水が出てきます。
アレルギー性鼻炎と同じような症状ですので、判別が難しいことがあります。
しかし、鼻水と一緒に鼻血も出ていたり、片方の鼻からだけ鼻水が出ているような場合は、鼻の粘膜に腫瘍ができている可能性があります。
鼻水の色とともに、どちらの鼻の穴から鼻水が出ているのか、注意してみてください。
いかがでしたか?
鼻水は、色や量などをしっかりと観察すると、病気のサインかどうかが分かります。
呼吸が苦しそうだったり、息が荒かったりする時は、急を要する症状ですので、一刻も早く動物病院に行ってくださいね。
長い記事を読んでくださってありがとうございました。
あなたとその隣にいるわんちゃんがもっともっと両想いで幸せになりますよう、願っています!