犬のワクチンの副作用やアレルギーの症状!長時間元気がないなら医師に相談するべき?

ワクチン 副作用 アレルギー 医師

ずっと元気でいてほしいから、ワンちゃんにはワクチン接種を受けさせてあげたいけれど、健康なのに注射をするのはちょっと心配ですよね。

ワクチン接種って本当に安全なの?副作用があるって本当?
ワクチン接種をしたあとワンちゃんの元気がない時はどうすればいいの?

この記事では、そんなワクチン接種にまつわる疑問や不安を少し解消するような内容をご説明していきます。

犬の混合ワクチン接種について

ワクチン 副作用 アレルギー 医師

子犬のころにワクチン受けさせた気はするけど・・・?
ワクチンってそもそも、なんのために必要でどんなものなんでしょうか?

ワクチンの役割は、ワンちゃんをさまざまな病気から守ってあげることです。

病気の症状が出ないくらい弱らせた病原体をあえて体に注射することで、病気の治し方を体に覚えさせておくことが出来ます。

その後、いざ病気にかかってもすぐに体が対処してくれるので、症状がでなかったり、早く治ったりするのがワクチンのメリットです。

混合ワクチンジステンパー犬パルボウイルスなど、一度かかればワンちゃんの致命率の高い恐ろしい病気を含む何種類かの病気を一度の接種で予防できるようになっています。

日本では、子犬のころの特別な接種プログラムが終わったら、1年に1回ワンちゃんに混合ワクチンを接種することがおすすめされています。

外国では3年ごとに接種するワクチンもありますが、日本のワクチンは基本的に1年に1回接種推奨のタイプしか流通していません。
しばらく接種しないと体も病気の治し方を忘れてしまうため、定期的な接種が必要になります。

ワクチン接種に副作用はあるの?ワクチンアレルギーって?

大事なわんこの病気を防ぐことができるなら、ワクチン接種した方がいいに決まってる!そう思いませんか??

でも、ワクチンには病気から守るというメリットだけでなく、残念ながら、デメリットもあります。

それが、ワクチンの副作用です。

混合ワクチンの副作用の具体的な症状

最近は、ワクチンの副作用を懸念して、過剰なワクチン接種を控えるべきだという意見もあります。

副作用というのは、ワクチンの本来の目的である「体に抗体を作らせて、病気から体を守る」という作用とは全く関係のない影響が体に出ることを全てひっくるめて副作用といいます。

ワクチンアレルギーはその副作用の中のひとつということになります。
では、副作用として実際、どんなことがおきるのでしょうか?

 

<ワクチンの副作用の一例>

  • ワクチン接種したところが針を刺したことで出血した
  • ワクチン接種の為に慣れない病院に行って精神的に疲れてしまった
  • ワクチンアレルギーでアナフィラキシーショックになった
  • ワクチンアレルギーで顔がぱんぱんに腫れた
  • ワクチン接種した部分があとでしこりになった
  • ワクチン接種した部分が脱毛した

 

など、重篤な症状から精神的な症状まで意外に幅広いです。

この中で一番気をつけなければいけないのは、ワクチンアレルギーです。
特に、ワクチン接種後すぐに起きやすいアナフィラキシーショックは命に関わることもありますので注意が必要です。

副作用はいつごろ現れる?

だいたいの副作用は接種したその日、もしくは接種後1〜2日の間に起きることが多いですが、接種部位のしこり脱毛など数ヶ月経ってから現れるものもあります。
体のどこにワクチンを接種したのかはちゃんと診察のときにメモしておいたほうが良いですね。

ワクチンを接種するときには、こういった副作用が一緒に起こってしまう可能性も十分考えておかなければいけません。

混合ワクチン接種の副作用が起きる確率は?

ワクチン接種ってちょっと怖いな、と思われた方もいるかもしれませんね。
いや、うちの子はワクチンを受けてもなんともなかったから大丈夫!と思われた方もいらっしゃるかもしれません。

実際ワクチンの副作用はどのくらいの確率で起きるのでしょうか?

ワクチンの重篤な副作用と思われる症状がでたら
動物病院は農水省やワクチンメーカーに報告をすることになっています。
そのおかげで、ワクチンの副作用は統計データとして公開されています。

麻布大学の研究によれば、2006〜2007年の間に動物病院から収集したデータで
混合ワクチン接種後に副作用が発生した件数は57300件中359件だったそうです。

割合で表せば0.6%ですのでかなり少ないものと思われますが
170件に1回くらいの発生率と聞くと意外と多いと感じる方もいるかもしれません。
そのうち、アナフィラキシー症状死亡など重篤な副作用の発生は42件
ざっくりとですが、1400件に1回くらいの確率です。

一度ワクチンの副作用を経験した子はまた副作用を起こす確率が高いので
次からの接種はワクチンを変更したりと獣医さんへの相談が必要です。

犬のワクチンアレルギーとは?その症状とは?

副作用の中でも一番怖いのはワクチンアレルギーだというお話をしました。

アレルギーというのは、体に入ってきた異物に対して体の免疫システムが過剰反応をしてしまうことで起きるものです。

ワクチンアレルギーの時に異物として認識されるのは、病原体そのものではなく、ワクチンの製造過程で使用される材料や薬品に対してだと考えられています。

具体的にアレルギーの症状をワクチン接種してから起きやすい時間帯別にあげていきます。

注射後30分ほどで起きやすいもの

  • 意識レベルの低下
  • 血圧が低下してぐったりしている
  • 体温の低下
  • 舌の色が白い、または紫色
  • 呼吸困難もしくは呼吸が速い
  • よだれが出る
  • 立ち上がれない
  • 痙攣

注射後6時間以内に起きやすいもの

  • 顔が腫れてパンパンになる(ムーンフェイス)
  • 全身のかゆみ
  • 蕁麻疹
  • 注射部位が腫れている
  • 注射部位の痛み
  • 食欲不振
  • 元気低下

注射後1〜2日で現れやすいもの

  • 嘔吐
  • 下痢、軟便
  • 血便
    ※消化器への影響もアレルギーにより起こります

もしワクチン接種後、長時間元気がなかったら?医師に相談が必要?

ワクチン 副作用 アレルギー 医師

ワクチンを接種した後は、副作用のことを考えて30分位はワンちゃんをいつも目の届く範囲にいさせてよく様子をみてあげてくださいね。

少しでも様子がおかしかったら急いで病院に戻る必要があります。
なので、できれば病院から遠く離れすぎないほうが安心ですね。

その後はお家でゆっくりと過ごせるようにしてあげ、ときどきは様子をみてあげてください。

その中で心配なことが出てきたときの症状別の対処法をご紹介します。

注射部位や顔が腫れてきた/からだを痒がっている/蕁麻疹が出ている

アレルギーの症状の可能性があります。
病院に連絡のうえ、なるべく早く獣医師の診察を受けてください。
アレルギーを抑える注射を打つことで症状が楽になります。

嘔吐や下痢をしているけど回数は少なく元気もある

ワクチンの影響の可能性もありますが、病院にいって疲れてしまったのかもしれません。
下痢嘔吐に関しては病院でも対症療法になりますので、嘔吐や下痢が一度だけでワンちゃんの元気があればご家庭で様子をみてください。

嘔吐や下痢を繰り返して元気が少しない、または血便をしている

脱水症状が心配になるので、病院に連絡の上、獣医師の診察を受けてください。
また、吐いたものや、便を忘れずに持っていくと良いでしょう。

いつもより元気がない、食欲がない

ワクチンの影響の可能性もありますが、病院にいって疲れてしまったのかもしれません。1日様子をみてから翌日も続くようであれば、病院に連絡のうえ、獣医師の診察を受けてください。

まとめ

ワクチン 副作用 アレルギー 医師

混合ワクチンは病気の予防ができるというメリットがありますが、副作用というデメリットもあるということがおかわりいただけたでしょうか?

お家のワンちゃんに接種を受けさせるかどうかは、よく考えた上で体調とまわりのサポート体制がベストな日に接種させて副作用を少なくしてあげたいですね。

お年寄りだったり、病気で闘病中だったりと特別な状況にいるワンちゃんは混合ワクチンを受けさせるかどうか、かかりつけの獣医さんに相談してみてください。

1 個のコメント

  • 犬(猫)ちゃんたちへの混合ワクチンに関しては、以下が現在の結論です。
    ・接種方法に関して現在、最も信頼され科学的根拠があるのは世界小動物獣医師会(WSAVA)が提示しているワクチネーションガイドラインです。
     世界の獣医学の専門家による提言です。これ以外の方法はないと言っても過言ではありません。常に見直しが行われていますので、過去の提言を採用している病院もあります。
    最新版です。http://www.wsava.org/guidelines/vaccination-guidelines
    ・最新版の要約は、以下のとおりです。
     このガイドラインの目的は、副作用を減らし動物に優しい獣医療のため、エビデンスに基づいたワクチネーションを実施するためです。
     ①ワクチンをコア(ジステンパー、アデノ、パルボ)、ノンコア(レプトスピラ、パラインフルエンザなど)及び非推奨(コロナ)に分類する。
     ②全ての犬(猫)にコアワクチンを接種する。
     ③コアワクチンの最終接種を16週齢(4か月齢)以降にする。
     ④コアワクチン最終接種後4週間以上あけて抗体検査を行う。
    ⑤状況によりコアワクチンを26週齢から52週齢で再接種を行う。
    ⑥以降3年以内にコアワクチンを接種しない。
    ⑦必要に応じて抗体検査を行い動物の状態を検査する。
    ⑧ノンコアワクチンは、地域の特性に合わせて毎年接種する。
    ⑨狂犬病ワクチンは、その国の法律に従う。
    ・以上から、毎年、3年毎のたくさんの種類を接種という成犬のプログラムは存在しなくなりました。
    ・子犬の時期にしっかりとコアワクチン接種を行えば抗体は長期間持続します。
    ・抗体検査を行い、抗体がなければ打つ、あれば打たない、事が副作用防止の観点から必要です。
    ・狂犬病は法律によって毎年接種しなければなりません。

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