お腹弱めな子の、長くダラダラと続く下痢。
「またいつものことか」と、とりあえず様子見で通院が先送りになっていませんか?
こういった慢性的な下痢には、実はとても多くの病気の可能性があるのです。
中には放置しておくと、命の危険のあるものもあります。
慢性的な下痢で考えられる病気を見ていきましょう。
下痢の種類
下痢は大きく「小腸性の下痢」と「大腸性の下痢」、そして「急性」「慢性」に分けられます。
小腸性の下痢
小腸や膵臓の病気が原因で起こります。
この場合の便は、回数はいつも通りだけど水っぽく緩く、量も多いという状態です。
大腸性の下痢
大腸の病気が原因で起こります。
この場合は便は、いつもよりも回数が多いけれど1回の量は少ない下痢です。
粘液が混じることも多いです。
ただ、大腸と小腸、両方に病気があって下痢を起こしている場合もあるので、きっちり分けられるわけではありません。
急性の下痢
だいたい1~2週間以内に下痢が治ってしまうものを言います。
軽い急性の下痢であれば、家での対処だけで大丈夫なことが多いでしょう。
しかし、↓↓こういった場合は注意が必要です。
嘔吐や発熱などを伴う場合や下痢に血が混ざる場合、また、子犬や老犬の場合は、すぐに病院にて受診を!
ひどい下痢が2日以上続くようなら、脱水症状の危険もあるので病院へ!
慢性的な下痢
1~2週間以上続く下痢です。
体の中で進行中の病気が原因で起こっている可能性もありますので、詳しい検査が必要です。
ここでは、長く続く慢性的な下痢の原因についてみていきます。
では、慢性的に続く下痢は、何の原因として考えられる病気は何なのでしょうか?
それぞれ見ていきましょう。
慢性的な小腸性の下痢で考えられる病気
食事の内容
- フードを変えた
- 食べ過ぎ
- 食中毒
- アレルギー
- 食物不耐症 …など
(体質により、牛乳などのある特定の食べ物を消化することが難しい)
小腸の疾患
- 細菌、ウイルスによる感染症
- 寄生虫による感染症
- 炎症性腸疾患(慢性的な胃腸炎)
- リンパ管拡張症
(全身をめぐるリンパの流れが止まってしまいリンパ管が拡張して機能不全を起こす病気) - リンパ腫などの腫瘍 …など
膵臓の疾患
- 膵炎
- 膵腫瘍
- 膵外分泌不全 …など
(膵臓に何らかの異常が起こ理、消化に必要な酵素が十分に分泌されなくなる病気)
肝疾患
その他の臓器の疾患
- 副腎皮質機能低下症
(アジソン病。副腎皮質ホルモンの分泌量が低下して起こる病気) - 糖尿病
- 腎疾患
- 敗血症
(免疫力が低下している時などに、他の疾患からの細菌が血液中に入り込み、全身に重篤な症状を起こす病気) - 子宮蓄膿症
(子宮内に細菌感染が起こり、膿がたまる病気) - 鼠径ヘルニア …など
(足の付け根部分から、臓器が飛び出してしまう状態)
慢性的な大腸性の下痢で考えられる病気
食事の内容
- フードを変えた
- 食べ過ぎ
- 食中毒
- アレルギー
- 食物不耐症 …など
(体質により、牛乳などのある特定の食べ物を消化することが難しい)
大腸の疾患
- 細菌、ウイルスによる感染症
- 寄生虫による感染症
- 炎症性腸疾患(慢性的な胃腸炎)
- 組織球性潰瘍性大腸炎
(若いフレンチブルドッグやボクサー犬に多く、下痢や血便、体重減少などが見られる) - リンパ腫などの大腸腫瘍
- 慢性大腸炎 …など
その他の疾患
- 尿毒症
(腎不全が進行して腎臓の働きが低下、それにより毒素が体内にまわって様々な臓器に重篤な症状を起こす病気) - 敗血症 …など
(免疫力が低下している時などに、他の疾患からの細菌が血液中に入り込み、全身に重篤な症状を起こす病気)
このように、長く続く慢性的な下痢には多くの病気の可能性があります。
この他にも、ストレスや疲れが原因で下痢が続くこともあります。
我が家の柴くんもお腹が弱めで、下痢はしょっちゅう。
病院で何度か検査しても特に問題なかったので、「そういう体質になっちゃったのかな」なんて思っていました。
しかしフードを変えた途端、治ったのでした。
必ず原因はあるものですね。
早めに原因を見つけてあげて、愛犬への負担を少なくしてあげたいですね!