暑い日や、換気扇やエアコンがない室内や車内など、急激に体温が上がりやすい環境はワンちゃんが熱中症を起こす場合があります。
その理由は、犬には汗線が肉球にしかないため、人間に比べて体温調節機能が発達していないことにあります。
熱中症が進行すると嘔吐や血尿などさまざまな症状を引き起こし、最悪の場合死に至ることもあるそうです。
もしも、ワンちゃんが熱中症にかかり、嘔吐や血尿などの症状が出てしまった場合どのように対処すればいいのでしょうか。
もちろん、動物病院に連れて行く必要がありますが、応急処置などがあれば覚えておきたいものです。
今回の記事では、
- 犬が熱中症で嘔吐や血尿があった場合の対処法とは?
- 病院ではどのような治療をしているのか?
についてご紹介いたします。
熱中症で嘔吐や血尿があった場合の対処法とは?
一般的に、熱中症は気温22度、湿度60%を超えると発症しやすいと言われています。
ワンちゃんが熱中症を発症した場合は、頭や脇の下、そけい部や首周りを体を冷やして体温を下げる必要があります。
症状ごとに対処法が異なりますので、飼い主さんはいざという時のために適切な処置を把握しておきましょう。
嘔吐した場合
◎まずは冷やす
まずは体を冷やしてあげましょう。
ワンちゃんの体温が40度を超えてしまうと、心拍数が上がり、舌を出して「ハァハァ」と呼吸が荒くなります。臓器などの機能低下の危険性も高まりますので、体温を下げてあげることが大切です。
いきなり冷たい水や冷却ジェルなどを使うと、体の表面だけ冷やしてしまうことになり、体温を下げる効果を見込めません。
はじめは、冷たすぎない水を体にかけてあげたり、冷却ジェルを使用する場合はバスタオルなど厚手のものに包んでから使用するなど、徐々に体を冷やすよう工夫してください。
扇風機の弱風を使用するのもオススメです。
◎お水を与える
体を冷やしたら、お水を飲ませてあげましょう。
ただし、ワンちゃん自身でお水を飲めない可能性が非常に高いので、水を含ませたガーゼを口元につけてあげたり、舌の上に水を垂らすなどして水分を摂らせましょう。
犬専用のスポーツドリンクも売られていますので、そちらを活用するのも良いと思います。
少し水分を摂らせてから、動物病院に連れて行きましょう。
この時、ワンちゃんの体を冷やしながら連れて行ってあげてください。
血尿はすぐに病院へ!
血尿を起こしているということは、ワンちゃんの体がかなりダメージを受けている証拠です。
熱中症が重症化して腎臓に障害を起こしてたり、その他臓器の機能も低下している可能性が高いです。
死の危険性も非常に高い状態のため、体を冷やしながら、1秒でも早く動物病院に連れて行くことです。
一般的に、熱中症は発症してから30〜60分以内に病院で適切な処置をしてもらうことが望ましいと言われています。
基本的に血尿を適切に対処するためには、動物病院で診てもらう必要があります。
そのためにも、以下の点をお医者さんに状況を伝えられるようにしておきましょう。
可能であれば血尿を容器か何かに入れて持っていくと良いです。
【確認しておくポイント】
- 血尿がどんな色をしているか?
- 臭いはするか?どんな臭いか?
- 尿は、サラサラorドロドロしているか?
- どのくらいの量が出たのか?
- お腹を痛がっていないか?
- 他に気になる症状がないか
状況を正しくお医者さんに伝えるのも、適切な対処をするために必要です。
こんな風に動物病院のお医者さんも熱中症の危険性を伝えていますよ。
病院ではどんな治療をするの?
まず、病院では直腸温で39.5度まで体温を下げる処置が行われます。
そして、体温が下がった後は点滴を打ち、水分を摂取させながら薬剤を投与する治療をします。
熱中症の症状や度合いによっては入院をすることもあります。
症状が軽い場合は上記の治療となりますが、体温が41度まで上がり、血尿などの重い症状が現れている場合、体温を下げる処置をした後にショック症状を予防するための点滴や投薬がなされて容態が安定するまで様子をみます。
異変を感じたら、迷わず動物病院へ連れて行こう
ワンちゃんが熱中症を発した場合、1分でも早く適切な処置を施す必要があります。
発見が遅かったり、処置までに時間がかかってしまうと、それだけワンちゃんへのダメージも大きくなります。
少しでも異変を感じた場合は、すぐに動物病院へ連れて行ってください。
また、日頃から熱中症が起こりやすい環境を作らないようにすることも大切です。
室内や車内ではエアコンをつけて快適に過ごせるようにしたり、すぐにお水が飲めるような環境を整えるなど、ワンちゃんが過ごしやすい状態を用意してあげると良いでしょう。