便の色からわかる犬の健康状態!黒い色や緑色の便には病気の可能性?

犬 便 色 健康

ワンちゃんの便の様子がいつもと違うと、「病気じゃないのかな?」と心配になってしまいますね。
犬の便は健康のバロメーターです。
便の回数、硬さ、色、においなどから様々なことが分かります。

この記事では特に「便の色」に注目して、犬の健康状態について考えていきたいと思います。

正常な便の色は茶色~こげ茶色

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便の色は犬が食べた物やその日の健康状態によってもある程度変化します。
健康な時の犬の便は茶色ですが、黄土色~こげ茶色の範囲であれば心配はありません。

ただし、硬さや量、臭いなども関係してきますので、色が正常でも他にいつもと違うところがあれば注意が必要です。
下痢をしていたり悪臭がするなど、他に気になる症状があればすぐに病院を受診しましょう!

便の色はどうやって付いている?

まずは便の色がどのようにして付いているのか、そのメカニズムについて簡単にお話ししておきたいと思います。

ちょっとややこしいですが何となく知っていると、便の色の異常について理解しやすくなるんです。
なるべく分かりやすいように専門的なことはかなり省いてお話ししてみますね。

便の色は、胆汁という消化酵素に含まれるビリルビンという黄色の色素によって付けられています。
ビリルビンは肝臓で作られて胆のうに送られ、そこから小腸に排出されます。

そして、消化の過程で小腸や大腸に吸収されてまた再利用されるのですが、一部が便の中に残って違う色素に変化します。

この最終的に変化した色素が、便の茶色のもとになっているのです。

便の色に異常が見られるときはこの過程のどこかに異常があるということなんですね。

食べ物によって便の色が変わる?

健康な時の便の色は黄土色~こげ茶色とお話ししましたが、食べたものによってどのように変化するのでしょうか?

簡単に言うと、植物性のものを多く食べると色が薄くなり、動物性のものを多く食べると色が濃くなります。
植物性のものには、例えば野菜や穀物などがあります。
動物性のものは肉などですが、肉の種類によっても色が変化します。

この違いは、食べた物によって腸内環境が変化することが原因です。
肉をたくさん食べると腸内環境がアルカリ性になって便が黒っぽくなり、反対に酸性になると黄色っぽくなるんです。

便の色が薄い

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便の色が薄い時は、胆汁に含まれているはずの色素が足りていないということなので、胆汁不足が原因かもしれません。
最初にお話ししましたが、胆汁は肝臓で作られるので、肝臓に何か病気がある可能性があります。

考えられる病気としては、肝炎、胆石症、胆管癌、胆汁性肝硬変などがあります。
それから、レプトスピラ症やトキソプラズマ症などによる肝臓のダメージも考えられます。

肝臓以外では、胆のう粘液嚢腫という病気で胆汁が排出されにくくなる場合もあります。

便の色が白い

便が白くなる原因はいくつかありますが、数日で改善される場合はカルシウムの摂りすぎが考えられます。
ミルクやおやつの食べ過ぎなどでカルシウムを摂りすぎると、不要な分は腸で吸収されずに便と一緒に出てきます。
その結果、便の色が白くなることがあるんです。

便の色が白い時は、まずは食べた物を思い出してみましょう。

数日たっても改善されない場合は、膵臓の病気の可能性があります。
膵臓では脂肪を分解するリパーゼという消化酵素が作られています。
何らかの原因で膵臓の機能が低下してリパーゼが作られないと、脂肪が分解されずに便が白くなることがあります。

考えられる病気としては、膵炎などがあります。

便の色が緑色

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胆汁に含まれるビリルビンという色素は、酸化されると緑色になります。
便の色が緑色になるときは、腸で十分な消化吸収ができていないことが考えられます。
うまく消化吸収されないと、便の中にたくさんビリルビンが残ってしまい、便が緑色に見えるんです。

例えば、腸内環境が変化して腸のぜん動運動が弱まっているとうまく吸収できません。
それから、腸炎を起こしている場合もうまく吸収できないことがあります。

食べ物では、クロロフィルを多く含むものを食べると緑色になることがあります。

便の色が緑というだけなら、腸内環境を整えてあげれば改善する場合も多いです。
病気を疑うときは、たいてい下痢を伴う場合です。
緑色の便が出たら、他に異常がないか注意して見てあげてくださいね。

便の色が黒い(タール便)

便の色が黒い場合は、明らかに危険信号です!

血液は酸化すると黒っぽい色に変化するので、便が黒いということは血液が混ざっているということです。
しかも、タール状になるということはかなり出血しているということです。
胃潰瘍、急性胃腸炎、十二指腸潰瘍などのほか、ガンなどの可能性も考えられますので、早めに病院を受診しましょう。

一般的に、肛門に近い場所で出血している場合は赤い鮮血の便が出て、黒い場合は食道や胃、十二指腸などからの出血があると言われています。
鮮血の場合もタール便と同様に、早めに病院へ行ってくださいね。

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飼い主・オーナーにできること

いかがでしたか?
犬の便は食べた物や消化器官の状態を知らせてくれる大切なものです。
お散歩の時にはマナーとしてはもちろんですが、健康チェックのためにも便は持ち帰り、色や状態を確認してみましょう。
普段と違う色の便をしたとき、特に黒い便のときは何か病気が隠れているかもしれません。
早めに病院を受診することをおすすめします!

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