ワンコの「おへそ」の病気ってご存じですか?
え?そもそもワンコにも「おへそ」があるの??
そう。ワンコにも「おへそ」があり、人間と同じように「出べそ」もあります。
そして「出べそ」の場合、ヘルニアの可能性があり手術を伴うことも?!
そうなると、ますます気になる愛犬の「おへそ」事情。
ここでは、知っておきたいワンコの「出べそ」とヘルニアのことをお話しします。
そして「おへそ」の場所についても確認しましょう。
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犬の「出べそ」はなんで起こるの?!
人間同様、犬は哺乳類です。
全ての哺乳類は「へその緒(臍帯・さいたい)」を持っています。
このへその緒を通して、母犬のお腹の中で子犬に栄養や酸素を運んでいたというわけです。
もちろん、生まれたばかりの子犬にはへその緒が付いています。
しかし多くの場合、1週間くらいすればきれいに取れてしまいます。
さらに犬のお腹は毛に覆われているので、おへそはとてもわかりにくいのです。

犬のおへそを確認してみよう!
犬の胴体の真ん中あたりを、毛をかき分けながらよーく探してみてください。
おそらく小指の頭くらいの毛の薄い部分があると思います。
わかりやすかったので、こちらの画像をお借りします。
これがおへそです。

(引用元:「小型犬の通販アイテム紹介サイト」)
犬の「出べそ」のメカニズム
「出べそ」はほとんどの場合、先天的なもの(生まれつき)です。
これに関しては人間と一緒。
へその緒の切り方が悪がったのか?というと、そういう問題ではないようです。
出産により、母犬と子犬を繋げていたへその緒はちぎれてなくなるのですが、その痕がおへそです。
へその緒がなくなると、へその緒が通っていた穴は何もない穴になります。
その穴は多くの場合、筋肉や他の組織の発達などによりやがてふさがっていきます。
(左の図)

☆☆2タイプの「出べそ」☆☆
へその緒の通っていた穴はきちんとふさがっているけれども、へその緒の名残である「瘢痕組織(はんこんそしき)」だけが飛び出したようになっている状態の「ただの出べそ」は問題ありません。
(真ん中の図)
まれに、へその緒の通っていた穴がちゃんと塞がらず穴の開いたままの状態で、そこから内臓の一部が飛び出してしまっていることがあります。(右の図)
これが『臍ヘルニア(さいへるにあ)』です。
(参考:プリモ動物病院 練馬)
犬のおへそを探していて、おへそにしこりのような出っ張りがある場合は注意しましょう。
犬のおへその病気『臍ヘルニア(さいへるにあ)』
では、「出べそ」と臍ヘルニアの見分け方ってあるのでしょうか?
臍ヘルニアの見分け方
- 「出べそ」部分を押してみてもへこまない
- 色が赤紫や赤黒く変色している
赤っぽくなっていたり、熱を持っているような場合は要注意です。
なぜなら、穴から飛び出している内臓が穴によって締め付けられて、血が通わなくなっている可能性があるからです。
この場合、早急な手術が必要です。
ただ、素人での判断は難しいので、「出べそ」なのか臍ヘルニアなのかは動物病院で判断してもらうようにしましょう。
臍ヘルニアの注意点
ヘルニアが小さいうちは手術を急ぐこともないのですが、お腹に力を入れたりいきんだ時に大きくなるという可能性もあります。
飛び出している内臓が腸や膀胱だった場合、腸閉塞や排泄困難を起こし、最悪の場合、命に関わることもあります。
症状としては、出べそになる、ということ以外に次のような症状を伴います。
- ショック症状を起こす
- 便秘になる
- 嘔吐
- お腹をかばうように丸まって腹痛
- 食欲不振や元気がない など
臍ヘルニアの治療法
小さなヘルニアであれば、子犬が成長する過程で、腹筋や組織が発達して自然に閉じることがほとんどです。(生後6~8ヶ月くらい)
閉じない場合は手術が必要です。
多くの場合は、犬への負担を減らすために、避妊や去勢手術の際に一緒に行われます。
また、腸閉塞などの場合は緊急手術になるでしょう。
中高齢期になるまで発見されず放置されていた場合は、合併症を引き起こしている可能性があるため、すぐに病院で受診してください。

臍ヘルニアになりやすい犬種
臍ヘルニアは生まれつきのものです。
エアデールテリア、バセンジー、ペキニーズ、シーズーなどの犬種では、遺伝が関与していると考えられています。
なんだか、とても怖い病気のように聞こえますが…
とはいえ、多くの子はヘルニアがあっても、早期発見・手術で普通に元気に過ごしているのです。
飼い主さんの日々の健康チェックで、大事に至らずに済んでいるのですね。
みなさんも、まずはワンコのおへそ探しから始めて、ワンコの身体中なでなでしてあげてくださいね。