犬の尿の量が多い時と少ない時はどんな病気の可能性?病院に行く必要はある?

尿 量 病気 可能性 

人間も尿の状態で健康チェックをするように、犬の尿にもとても大事な情報がいっぱい詰まっています。
ここでは「犬の尿の量が多い時と少ない時」にスポットを当てて、どんな病気の可能性があるのかをみていきます。

犬の尿の量・回数の変化に関係する病気

尿 量 病気 可能性 

量・回数が多い場合

  • 糖尿病
  • 尿崩症
  • クッシング症候群(副腎皮質機能亢進症)
  • アジソン病(副腎皮質機能低下症)
  • メスの子宮蓄膿症
  • 慢性腎不全 …など

量・回数が少ない場合

  • レプトスピラ病
  • 急性腎不全
  • 尿路結石症
  • オスの前立腺肥大症 …など

回数は多いが1回の量が少ない

  • 膀胱炎、尿道炎 …など

尿の量の変化だけでも、これだけ色々な病気の可能性があるのですね。。。
それでは、これらの病気はどんな病気なのでしょうか?

どんな病気なの?症状をざっくり解説!

尿 量 病気 可能性 

ホルモンの病気

●糖尿病

糖尿病には2つの型がありますが、いずれにしてもインスリン(ホルモンのひとつ)の不足やはたらきが弱まってしまったことが原因で起こります。
症状は水をたくさん飲んで(多飲)おしっこの量や回数が増える(多尿)ことが代表的で、他にも食欲が増えても痩せていくなどの症状もみられます。

●尿崩症

急激な多飲多尿が特徴的な、尿のコントロールができなくなる病気です。
視床下部や下垂体に腫瘍、腎臓に何かしらの異常が原因です。

●クッシング症候群(副腎皮質機能亢進症)

クッシング症候群は、副腎皮質ホルモンの過剰分泌が原因でいろいろな症状が起こる病気です。
糖尿病に似た症状のほか、毛が薄くなる、お腹が張ったりたるんでくるなどがあります。
尿に関しては多飲多尿がみられます。

●アジソン病(副腎皮質機能低下症)

アジソン病はクッシング症候群とは逆に、副腎皮質ホルモンの分泌が低下することで起こる病気です。
食欲や元気の喪失、下痢、嘔吐、多飲多尿などの症状がみられます。

泌尿器系の病気

●腎不全(急性、慢性)

腎臓は、体内で不要になった老廃物や毒素を排出するための臓器です。
何らかの要因で腎機能が低下することで腎不全が起こります。

犬の急性腎不全の場合、尿路結石やブドウ・レーズンの摂取、鎮痛剤の副作用、保冷剤の中身や車の不凍液の誤食などによって起こることが考えられます。
急激に元気や食欲が落ちる、尿の量が減る、嘔吐、下痢、けいれんなどの症状がみられたら急性腎不全の可能性がありますので、すぐに病院で診てもらいましょう。

慢性の場合は徐々に進行していくため、なかなか気づきにくいようです。
症状としては、多飲多尿、食欲不振がみられます。

●尿路結石症

尿路結石症とは、腎臓・尿管・膀胱・尿道の尿路のどこかに結石が出来てしまう病気です。
結石により管が詰まり、尿が出にくい・出ない、ということが起こり、腎不全の原因になることもあります。

また、この石による刺激で炎症を起こしたり、出血することが血尿につながります。

●膀胱炎、尿道炎

膀胱炎・尿道炎は、尿路が細菌などによる感染や腫瘍などによって膀胱に炎症が起きることで発症します。
メスの方がオスよりも尿道が太くて短いため、メスの方が罹患率の高い病気です。
炎症により膀胱内に出血が起こることで、尿が出にくい、血尿、尿が濁る、頻尿、匂いがキツい、などの尿の変化がみられます。

また、発熱もある場合、細菌が膀胱から腎臓まで進んで炎症を起こす「腎盂腎炎」を起こしている可能性があります。

生殖器の病気

●メスの子宮蓄膿症

子宮蓄膿症とは、何らかの原因で子宮内が細菌感染し、膿が溜まってしまう病気です。
飼い主さんの気づける症状としては、下痢や嘔吐、腹部が張る、多飲多尿などがみられます。

●オスの前立腺肥大症

前立腺は膀胱と尿道の間にあります。
これが肥大し尿道を圧迫することで炎症が起きると、場合によっては膿なども出ます。
そのため、尿が出にくくなったり尿が濁ったり、発熱などの症状がみられます。
また、前立腺腫瘍や膀胱炎の原因となる可能性もあります。

感染症

●レプトスピラ病

主にネズミが感染源となる、犬にとっては致死率の高い感染症です。
人にも感染する恐れのあるものです。
菌の型や感染した場所によっても異なりますが、脱水や血便、嘔吐、黄疸、尿毒症や尿をしなくなるなどの症状がみられます。

犬の尿の状態にも気をつけよう!

尿の量や回数以外にも、こんなおしっこの状態には要注意です!!

悪臭がする

  • 膀胱炎

通常の尿に比べて濃い・薄い・濁っている・血が混じっているなど、変化があれば危険信号!

↓↓尿の色と病気との関係についてはこちら↓↓

排尿時の犬の様子にも注意!

尿の状態だけでなく、おしっこをしている時の犬の様子も見逃せません。

排尿時に痛がっていたり、なかなかおしっこが出ないような時は、こんな病気の可能性もあります。

  • 尿路結石症
  • 膀胱炎、尿道炎
  • 前立腺の病気
  • 腎不全
  • 尿毒症 …など

 

このように、尿の状態の変化には様々な病気の可能性を意味する場合が多いのです。
愛犬の尿(または排尿時の犬の状態)の変化に気づいたら、動物病院で診てもらうことをお勧めします。
そのためにも、「愛犬の健康な時の状態」をきちんと把握することが重要ですね。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。