犬は犬種ごとにかかりやすい病気があることを知っていますか?
この記事では様々な犬種を取り上げ、そのかかりやすい病気と予防策についてお話ししていきます。
今回取り上げた犬種は、JKCの2015年犬種別登録頭数が500頭以上の犬種上位32犬種です。それから、近年人気の高いミックス犬についても紹介します。
Contents
- 1 ミックス犬(雑種)のかかりやすい病気と対策
- 2 プードルのかかりやすい病気と対策
- 3 チワワ
- 4 ダックスフント
- 5 ポメラニアン
- 6 柴
- 7 ヨークシャー・テリア
- 8 ミニチュア・シュナウザー
- 9 マルチーズ
- 10 フレンチ・ブルドッグ
- 11 ゴールデン・レトリーバー
- 12 ウェルシュ・コーギー・ペンブローク
- 13 パピヨン
- 14 パグ
- 15 ジャック・ラッセル・テリア
- 16 キャバリア・キング・チャールズ・スパニエル
- 17 ラブラドール・レトリーバー
- 18 ミニチュア・ピンシャー
- 19 ペキニーズ
- 20 ビーグル
- 21 ボーダー・コリー
- 22 ビション・フリーゼ
- 23 イタリアン・グレーハウンド
- 24 シェットランド・シープドッグ
- 25 ボストン・テリア
- 26 アメリカン・コッカー・スパニエル
- 27 バーニーズ・マウンテン・ドッグ
- 28 バーニーズ・マウンテン・ドッグのかかりやすい病気
- 29 ブルドッグ
- 30 日本スピッツ
- 31 狆
- 32 シベリアン・ハスキー
- 33 ウエスト・ハイランド・ホワイト・テリア
ミックス犬(雑種)のかかりやすい病気と対策
「犬種」ではないため、JKCのランキングには載っていませんが、近年では常に人気の上位に入っています。
ミックス犬は純血種に比べて寿命が長いと言われています。
それは、犬種ごとにかかりやすい遺伝性疾患の遺伝子が弱まり、遺伝性疾患にかかるリスクが低いためです。
ミックス犬のかかりやすい病気
親犬の病気の傾向を受け継ぎますので、親犬の各項目を参照してください。
病気にかかりにくいと言われる一方、ミックス犬はどんな遺伝子を持って生まれてくるか予測が困難です。
親犬の犬種の組み合わせによっては寿命が短くなるケースもあるため注意が必要です。
また、ミックス犬の親(第1世代)から生まれたミックス犬(第2世代)は、劣性遺伝が出やすいため遺伝性疾患にかかりやすいと言われています。
予防策&日常における注意点
病気の予防策に関しては親犬の犬種の項目を参照してください。
また、ミックス犬を選ぶときは親犬の特徴を知ったうえで、第1世代の子犬を選ぶのが病気の予防につながるでしょう。
プードルのかかりやすい病気と対策
プードルはJKC公認の犬種だけでも4犬種ありますが、日本で見かけるプードルはほとんどがトイプードルです。
次いで多いのが、大型犬に分類されるスタンダードプードルで、こちらも根強い人気があります。
まずはトイプードルのかかりやすい病気について見ていきましょう。
トイプードルのかかりやすい病気
- 糖尿病
- クッシング症候群
- 副腎皮質機能低下症(アジソン病)
- 甲状腺機能低下症
- 僧帽弁閉鎖不全症(MR)
- 拡張型心筋症
- 動脈管開存
- マラセチア皮膚炎
- 過敏性皮膚炎
- 出血性胃腸炎
- レッグ・ペルテス病
- 環軸亜脱臼
- 膝蓋骨脱臼
- 椎間板ヘルニア
- 軟骨形成不全
- 基底細胞腫
- 血管肉腫
- 髄膜脳炎
- 水頭症
- てんかん
- 異所性睫毛
- 睫毛重生
- 進行性網膜萎縮症(PRA)
- 白内障
- 緑内障
- 加齢性虹彩萎縮
- 気管虚脱
- 外耳炎
- 内耳炎
予防策&日常における注意点
特に気を付けたい病気は、膝蓋骨脱臼、皮膚病、てんかんなどです。
膝蓋骨脱臼には常に注意が必要で、皮膚病は1~3歳、てんかんは2歳くらいまでに起こることが多いです。
その他にも皮膚病やアレルギー、目や耳の病気になりやすいです。
遺伝的な病気は予防することが難しいため、早期発見が重要です。
そのためにも定期的に目の検査や膝関節の検査を行けておきましょう。
また皮膚病予防のため、日ごろから皮膚を清潔に保つようにしましょう。
スタンダードプードルのかかりやすい病気
スタンダードプードルのかかりやすい病気は、多くがトイプードルと共通しています。
ただし、スタンダードプードル特有の病気もありますので、以下のような病気にも注意が必要です。
- 脂腺炎
- 胃捻転症候群
- アジソン病
- 股関節形成不全
予防策&日常における注意点
トイプードルと違い、大型犬に多く見られる股関節形成不全などが起こることがあります。
また、脂腺炎やアジソン病は、なかなか症状に気づかないこともあるので注意が必要です。
被毛が多くふさふさでお手入れが大変ですが、皮膚病予防のためにもきちんとケアしてあげましょう。
病気の予防には、皮膚や関節の検査を定期的に受けると良いでしょう。
チワワ
最小小型犬のチワワは体が小さく運動量も大きな犬に比べれば少ないので、室内犬としてとても人気があります。
ただし、小さいがゆえにかかりやすい病気があるので注意が必要です。
チワワのかかりやすい病気
- 低血糖症
- アトピー性皮膚炎
- マラセチア皮膚炎
- パターン脱毛
- 肺動脈弁狭窄
- レッグ・ペルテス病
- 膝蓋骨脱臼
- 環軸亜脱臼
- 水頭症
- てんかん
- ドライアイ
- 緑内障
- 加齢性虹彩萎縮
- 硝子体シネレシス
- 気管虚脱
- 口蓋裂
予防策&日常における注意点
特に気を付けたい病気は、水頭症、膝蓋骨脱臼、低血糖症、目の病気などです。
低血糖症は1歳くらいの子犬でよく見られます。
ストレスなどが原因とも言われているため、生活環境にも気を付けてあげましょう。
目の病気は様々ありますが、白内障以外の目の異常はだいたい3歳くらいまでに起こることが多いです。
チワワは体が小さいために骨や関節などに負担がかかりやすいです。
床をフローリングからカーペットにするなどして、足に負担がかからないようにしてあげましょう。
また、頭蓋骨が完全に閉じておらず、隙間が開いています。
そのため、頭に強い衝撃が加わらないように注意する必要があります。
ダックスフント
ダックスフントにはスタンダード、ミニチュア、カニンヘンの3犬種があります。
日本で見られるのは多くがミニチュアダックスフントですが、カニンヘンも多くなっています。
なりやすい病気に関しては、3犬種ともほぼ共通しています。
ダックスフントのかかりやすい病気
- 糖尿病
- クッシング症候群
- 甲状腺機能低下症
- 僧帽弁疾患
- 膿皮症
- 耳介脱毛症
- 脂漏症(早発性)
- 皮膚組織球腫
- 肛門嚢腺腫
- 肥満細胞腫
- 下垂体腫瘍(ワイヤーヘアード・ダックスフントには家族性に発生するとの報告がある)
- 出血性胃腸炎
- 潜在精巣(オス)
- てんかん
- ナルコレプシー/カタプレキシー
- 椎間板ヘルニア
- 関節リウマチ
- 鼠径ヘルニア
- 白内障
- 緑内障
- 睫毛重生
- 進行性網膜萎縮症(PRA)
- 視神経低形成
- 表在性点状角膜炎(ロングヘアード・ダックスフントで高リスク)
- 眼瞼外反
- 鼻咽頭狭窄
- 口蓋裂
- 尿石症
- 外耳炎
予防策&日常における注意点
最も注意が必要なのは椎間板ヘルニアです。
椎間板ヘルニアは3~6歳で多発すると言われています。
骨や関節にかかる負担を減らすことはもちろんですが、肥満によっても背骨に負担がかかりますので、食生活にも気を付けてあげましょう。
また、目の病気にもなりやすい犬種ですので、定期的に検査をして早期発見に努めましょう。
それから、ロングヘアードダックスでは不活化ワクチンでアレルギーが起こりやすいとされています。
予防接種の際には生ワクチンを選択するか、かかりつけの獣医さんとよく相談してから接種するようにしましょう。
ポメラニアン
ふわふわの被毛で根強い人気のポメラニアンは、人気ランキングでは常に上位に入っています。
少し神経質で吠え癖のある犬もいますが、遊びや運動が大好きでとても楽しい犬種です。
病気に関しては先天的な異常があったり、華奢な小型犬であるためにかかりやすい病気があります。
ポメラニアンのかかりやすい病気
- クッシング症候群
- 甲状腺機能低下症
- 低血糖症
- 涙管閉塞
- 気管虚脱
- 動脈管開存(メスのほうが多いという報告がある)
- 僧帽弁閉鎖不全症
- 環軸亜脱臼
- 肘関節脱臼
- 膝蓋骨脱臼
- 水頭症
- 白内障
- 眼瞼内反
- 進行性網膜萎縮症(PRA)
- 脱毛症
- 潜在精巣(オス)
- 子宮内膜炎(メス)
予防策&日常における注意点
特に気を付けたい病気は膝蓋骨脱臼や涙管閉塞で、気管虚脱や先天的な動脈管開存もたまに見られます。
チワワ同様、頭蓋骨の完全に閉じていないので、頭に強い衝撃を与えないようにしましょう。
また、膝蓋骨脱臼なども起こりやすいので、関節に負担をかけないように気を付けましょう。
涙管閉塞や気管虚脱は4歳以降で起こることが多いです。
先天的な異常により脱毛が起こることがあります。
オスの場合は去勢手術が有効な予防法にある場合もありますが、「毛のボリュームが減ったかな?」と感じたら早めに病院を受診しましょう。
柴
日本犬の代表選手である柴は、日本犬の中でも最も小さな犬種です。
近年の小型犬ブームで登場した「豆柴」はJKC公認の犬種ではなく、無理な交配などによるトラブルも多いため注意が必要です。
柴のかかりやすい病気
- アトピー性皮膚炎
- 膝蓋骨脱臼
- 緑内障
- 白内障
- 外耳炎
- 角膜炎
- 認知症
予防策&日常における注意点
特に気を付けたい病気は皮膚病や膝蓋骨脱臼です。
全体的に見れば柴は病気に強く、遺伝的疾患も少ない犬種ですが、いわゆる「豆柴」については関節の病気が見られるという例もあるようです。
1歳を過ぎた頃から皮膚病や膝蓋骨脱臼が出てくる傾向にあります。
長生きな犬種のため、老犬になってからの病気に気を付けてあげましょう。
ヨークシャー・テリア
長い被毛のイメージが強いヨーキーですが、ペットとして飼われているヨーキーは、短くカットされていることが多いですね。
テリアの血を引いていますので、少し攻撃的な一面もあります。
病気に関しては他の小型犬と同様、特有のかかりやすい病気があります。
ヨークシャー・テリアのかかりやすい病気
- 低血糖症
- 気管虚脱
- 僧帽弁閉鎖不全症(MR)
- 動脈管開存
- アトピー性皮膚炎
- 脱毛症および黒皮症
- クッシング症候群
- 出血性胃腸炎
- リンパ管拡張症膵炎
- 門脈シャント
- 歯突起の形成不全
- 水頭症
- 膝蓋骨脱臼
- 環軸亜脱臼
- レッグ・ペルテス病
- 椎間板ヘルニア
- 下垂体腫瘍
- 汗腺腫瘍
- 皮内角化上皮腫
- 白内障
- ドライアイ
- 進行性網膜萎縮症(PRA)
- 睫毛重生
- 角膜炎
- 涙管閉塞
- 尿石症
予防策&日常における注意点
特に気を付けたい病気は膝蓋骨脱臼、気管虚脱、低血糖症などです。
膝蓋骨脱臼には幼犬のころから常に悩まされますので、骨や関節に負担がかからないように注意しましょう。
また、チワワやポメラニアンと同様、幼犬で低血糖症が多く見られます。
激しい運動は避け、適切な食事をとるなど、規則正しい生活を心がけましょう。
それからヨーキーは嘔吐や下痢の発生も非常に多い犬種ですので、頭に入れておくと良いでしょう。
シー・ズー
シー・ズーは無駄吠えが少なくしつけがしやすいのでとても人気があります。
ふさふさの被毛とつぶれた鼻が特徴的ですが、それが原因で起こる病気もありますので注意が必要です。
シー・ズーのかかりやすい病気
- 糖尿病
- アトピー性皮膚炎
- マラセチア皮膚炎
- 膿皮症
- 鼻腔狭窄
- 気管虚脱
- クッシング症候群
- 汗腺腫瘍
- 肛門周囲腺腫(未去勢オスに発症することが多い)
- 僧帽弁閉鎖不全症
- 心室中隔欠損症
- 門脈シャント
- 免疫介在性溶血性貧血(IMHA)
- 関節リウマチ
- 椎間板ヘルニア
- 睫毛乱生(眼球突出とともに発症するケースがある)
- 睫毛重生
- 白内障
- 緑内障
- 進行性網膜萎縮症(PRA)
- 異所性睫毛
- 眼瞼内反
- 色素性角膜炎
- 硝子体シネレシス
- 網膜剝離
- 外耳炎
- 腎皮質形成不全
- 腎形成不全
- 尿石症(とくにシュウ酸カルシウム尿石症が多い)
予防策&日常における注意点
特に気を付けたい病気は鼻腔狭窄、眼瞼内反、進行性網膜萎縮症(PRA)などです。
小型犬としては比較的丈夫な犬種ではありますが、先天的に鼻の孔が狭いので1歳前後で鼻腔狭窄が見られることがあります。
また、目が大きいので目の病気にかかりやすいです。
目に被毛が入らないように短くカットしてあげてくださいね。
目の病気は慢性化しやすいので、定期的に検査をするなどして早期発見を心がけましょう。
ミニチュア・シュナウザー
シュナウザーにはジャイアント、スタンダード、ミニチュアの3犬種がいますが、日本で見られるのはほとんどがミニチュアシュナウザーです。
テリアの一種と思われがちですが、実はテリアの血は入っていません。
トリミングは必須ですが、それ以外の面ではとても飼いやすくて人気のある犬種です。
ミニチュア・シュナウザーのかかりやすい病気
- 糖尿病
- クッシング症候群
- 甲状腺機能低下症(若年齢の発症も見られる)
- 白内障
- 進行性網膜萎縮症(PRA)
- 緑内障
- ドライアイ
- 加齢性虹彩萎縮
- 心内膜症
- 動脈管開存
- 肺動脈弁狭窄
- 洞房結節性失神
- 門脈シャント
- 僧帽弁閉鎖不全症
- アトピー性皮膚炎
- マラセチア皮膚炎
- 小胞性皮膚炎(シュナウザー・コモドーム症候群)
- レッグ・ペルテス病
- 巨大食道症
- 出血性胃腸炎
- 筋緊張症
- 皮膚組織肉腫
- 血管肉腫
- 脂肪腫
- 腎臓病
- 膵炎
- 膀胱炎
- 尿石症
- 潜在的半陰陽
- 睾丸セルトリ細胞腫
予防策&日常における注意点
特に気を付けたい病気は尿石症、進行性網膜萎縮症(PRA)、潜在精巣などです。
比較的病気の少ない犬種ですが、泌尿器系に遺伝性の病気が出ることがあります。
尿石症は4歳以降で多いですが、ミネラルウォーターが原因になることもあります。
シュナウザーにはミネラルウォーターは与えないようにしましょう。
目の病気にも注意が必要です。
早期発見が大切ですので、異変に気づいたらすぐに受診しましょう。
マルチーズ
真っ白な美しい被毛が特徴的なマルチーズは、ヨーロッパでもっとも古くから飼われた愛玩犬です。
日本では昭和40年代から15年以上も人気1位を独占していました。
しつけがしやすいこともあり、現在でも人気犬種ランキングでは常に上位に入っています。
マルチーズのかかりやすい病気
- 低血糖症
- 僧帽弁閉鎖不全症
- 動脈管開存
- 免疫介在性溶血性貧血(IMHA)
- 膝蓋骨脱臼
- 水頭症
- 関節リウマチ
- 幽門狭窄
- 白内障
- 緑内障
- 異所性睫毛
- 眼瞼内反
- 進行性網膜萎縮症(PRA)
- 失明
- 外耳炎
- 難聴
- 潜在精巣
- 歯周病
予防策&日常における注意点
特に気を付けたい病気は膝蓋骨脱臼、低血糖症、眼瞼内反などです。
小型犬に多い低血糖症が幼犬のころによく見られます。
膝蓋骨脱臼も多いので、骨や関節に負担がかからないように気を付けてあげましょう。
また、目の病気も多いです。
涙が出やすく、ひどくなると外科治療が必要な場合もありますので、早期発見を心掛けましょう。
歯石が溜まりやすいので、6歳以降になると歯周病にも注意が必要です。
フレンチ・ブルドッグ
コウモリ耳が特徴的で、独特な風貌と何とも言えない可愛い表情が人気の犬種です。
被毛が短くお手入れがしやすいのも人気の要因と言えるでしょう。
フレンチ・ブルドッグのかかりやすい病気
- 短頭種気道症候群
- 軟口蓋過張症
- 口蓋裂
- 膿皮症
- 水頭症
- 半側椎骨症
- 股関節形成不全
- 膝蓋骨脱臼
- 肺動脈弁狭窄
- 動静脈瘤
- 白内障
- 睫毛重生
- 眼瞼内反
- 涙管閉塞
- 角膜炎
- 潰瘍性結腸炎
- 尿石症
- 潜在精巣(オス)
- 異所性尿管
予防策&日常における注意点
特に気を付けたい病気は短頭種気道症候群、口蓋裂、膝蓋骨脱臼、股関節形成不全などです。
先天的な異常が多いので、その場合は予防は困難です。
短頭種気道症候群は幼犬のうちから見られます。
早期発見が重要ですので、日ごろから鼻腔もチェックしてあげてください。
全身に深いしわが多いので、清潔にしておかないと細菌感染が起こります。
こまめにしわの間まできれいに拭いてあげましょう。
ゴールデン・レトリーバー
とても賢く飼い主に忠実で温厚な性格でもあるため、大型犬のなかでは非常に人気のある犬種です。
室内飼いが適していますが運動量は多いため、たくさん運動させる必要があります。
一方で、ガンにかかりやすい犬種でもあるため注意が必要です。
ゴールデン・レトリーバーのかかりやすい病気
- アトピー性皮膚炎
- 湿性皮膚炎
- 膿皮症
- 大動脈弁狭窄
- 甲状腺機能低下症
- 甲状腺腫瘍
- 軟骨肉腫
- 皮膚血管腫
- リンパ腫
- 繊維腫
- 繊維肉腫
- 組織球腫
- 白内障
- 睫毛重腫
- 眼瞼内反
- 色素性ぶどう膜炎
- 緑内障
- 進行性網膜萎縮症(PRA)
- 後天性巨大食道症
- 胃拡張・胃捻転症候群
- 股関節形成不全
- 肘関節形成不全
- 家族性腎疾患
- 外耳炎
予防策&日常における注意点
特に気を付けたい病気は股関節形成不全、ガンなどです。
股関節形成不全は1歳以降に高確率で起こるとされていて、皮膚病や白内障にもかかりやすいです。
また、全犬種の中でガンの発症率が最も高いというデータがあります。
大型犬のなかでも病気が多い犬種ですので、日ごろから健康管理には十分注意してあげましょう。
ウェルシュ・コーギー・ペンブローク
コーギーには実はペンブロークとカーディガンの2犬種がありますが、日本でコーギーといえばほぼ100%に近いぐらいペンブロークです。
短い脚とプリッとしたお尻で少し前に人気のブームがありましたが、今でも根強い人気がある犬種です。
ウェルシュ・コーギー・ペンブロークのかかりやすい病気
- 頚椎症(首の椎間板ヘルニア)
- 股関節形成不全
- てんかん
- 進行性網膜萎縮症(PRA)
- 瞳孔膜遺残
- 白内障
- 緑内障
- 会陰ヘルニア(未去勢オスの発症が多い)
- フォンウィルブランド症
- 家族性腎疾患
- 尿石症(遺伝的と考えられ、若年の雄に多い)
予防策&日常における注意点
特に気を付けたい病気は頚椎症、股関節形成不全、てんかんなどです。
コーギーは背骨ではなく首の椎間板ヘルニアが4歳~5歳くらいから起こりやすいです。
骨や関節に負担がかからないように注意してあげましょう。
肥満にもなりやすいので、予防には体重コントロールも有効な手段です。
てんかんは1~2歳で発症することが多いので、ストレスなど生活環境にも気を配ってあげましょう。
パピヨン
パピヨンはフランス語で「蝶」を意味していて、耳が蝶の羽に似ていることから名づけられました。
マリー・アントワネットに愛された犬としても有名ですね。
名前の通り見た目も美しい犬で、とても賢いためしつけもしやすいです。
パピヨンのかかりやすい病気
- アレルギー性皮膚炎
- 膝蓋骨脱臼
- 白内障
- 眼瞼内反
- 眼瞼外反
- 進行性網膜萎縮症(PRA)
- 小乳頭症
予防策&日常における注意点
特に気を付けたい病気は膝蓋骨脱臼です。
遺伝性疾患も少なく、比較的病気の少ない犬種ですが、1歳以降では膝蓋骨脱臼が比較的多く見られます。
骨や関節に負担がかからないように注意してあげましょう。
また、美しい被毛を保つためにこまめにブラッシングをしてあげましょう。
パグ
とってもコミカルで愛嬌のある表情が人を引き付ける癒し系の犬と言えるのではないでしょうか。
いびきをかいたりするところもまた、チャームポイントだったりします。
しつけがしやすくお手入れも少ないので、安定的な人気のある犬種です。
パグのかかりやすい病気
- 口蓋裂
- 口唇裂
- 軟口蓋過長症
- アトピー性皮膚炎
- アレルギー性皮膚炎
- 膿皮症
- 糖尿病
- 短頭種気道症候群
- 気管支拡張症
- 気管虚脱
- レッグ・ペルテス病
- 膝蓋骨脱臼(毛の黒い種に多い)
- 皮膚組織球腫
- 肥満細胞腫
- パグ脳炎
- 白内障
- 睫毛重生
- ドライアイ
- 角膜炎
- 尿石症
予防策&日常における注意点
特に気を付けたい病気は皮膚病、短頭種気道症候群、膝蓋骨脱臼、尿石症などです。
パグは短頭種なので鼻が短く、短頭種気道症候群は幼犬のころから見られます。
老犬になると尿石症が多く発生しやすいので、正しい食生活を心がけ、膀胱炎の予防に努めましょう。
お世話の面では、顔にしわが多いので皮膚の細菌感染に気を付けましょう。
暑さにも弱いので、夏の熱中症にも注意が必要です。
それから、目が大きいので物にぶつかったりして傷つきやすいです。
お散歩のときには注意してあげましょう。
ジャック・ラッセル・テリア
テリアの仲間の中でも特段パワフルな犬種で、いたずら大好きのわんぱく犬です。
1990年代から映画やテレビに登場して人気が出ましたが、正直なところあまり飼いやすい犬種とは言えません。
ただ、病気が少なく頭の良い犬種ですので、この犬の性格をきちんと理解したうえで飼えばとても良いパートナーになるでしょう。
ジャック・ラッセル・テリアのかかりやすい病気
- マラセチア皮膚炎
- クッシング症候群
- 皮膚組織球腫
- レッグ・ペルテス病
- 異所性睫毛
- 緑内障
- 白内障
- 難聴
予防策&日常における注意点
比較的病気の少ない犬種ですが、膝蓋骨脱臼や皮膚病が起こることがあります。
定期的な関節の検査はしておいた方が良いでしょう。
かなりの運動量を必要としますので、毎日散歩や運動で十分に体を動かして健康を保ってあげましょう。
キャバリア・キング・チャールズ・スパニエル
素直で穏やかな性格で頭もよく、遊びも大好きなとても飼いやすい犬種です。
寂しがり屋でいつも飼い主の側から離れないところがありますので、ワンちゃんとべったり過ごしたい人にもおすすめの犬です。
キャバリア・キング・チャールズ・スパニエルのかかりやすい病気
- 口蓋裂
- 臍ヘルニア
- 糖尿病
- 僧帽弁閉鎖不全症(MR)
- 短頭種気道症候群
- 脊髄空洞症
- 水頭症
- てんかん
- 椎間板ヘルニア
- 膝蓋骨脱臼
- 股関節形成不全
- マラセチア皮膚炎
- 慢性膵炎
- 白内障
- 睫毛重生
- 異所性睫毛
- 眼瞼内反
- ドライアイ
- 子宮蓄膿症
- 外耳炎
予防策&日常における注意点
特に気を付けたい病気は僧帽弁閉鎖不全症、膝蓋骨脱臼、眼瞼内反などです。
病気は比較的少ない犬種ですが、手術になるような大きな病気になる傾向があります。
比較的運動量が多いので、肥満にも注意して健康を保ってあげましょう。
ラブラドール・レトリーバー
非常に穏やかで従順な犬で、盲導犬などの職業犬としてもおなじみですね。
人やほかの動物とも仲良くでき、運動も大好きなとっても優秀な犬です。
被毛も短く抜け毛が少ないのでお手入れもしやすく、室内でも買える大型犬の代名詞とも言えるのではないでしょうか。
ラブラドール・レトリーバーのかかりやすい病気
- 糖尿病
- 甲状腺機能低下症
- 三尖弁異形成
- アトピー性皮膚炎
- 接触過敏症(毛色がイエローでは約20%の発症率という研究結果あり)
- 脂漏症
- 咽頭麻痺
- 気管虚脱
- クッシング症候群
- インスリノーマ
- 上皮小体機能低下症
- 慢性肝炎
- 巨大食道症
- 胃捻転症候群
- 犬特発性多発性関節炎
- 股関節形成不全
- 骨関節炎
- 肩骨軟骨症
- 膝骨軟骨症
- 移行脊椎症
- 皮膚組織球腫
- 血管肉腫
- 組織球症
- 脂肪腫
- 肥満細胞腫
- 粘液肉腫
- てんかん
- 筋ジストロフィー
- 白内障
- 緑内障
- 眼瞼内反
- 進行性網膜萎縮症(PRA)
予防策&日常における注意点
特に気を付けたい病気は股関節形成不全、胃捻転症候群、関節炎などです。
関節や皮膚、目の病気など、かかりやすい病気が多い犬種です。
股関節形成不全は生後6カ月齢から、筋ジストロフィーは生後3カ月で発症することもあります。
皮膚の病気は老犬になると発症が増える傾向にあります。
病弱ではありませんが様々な病気の危険性がありますので、日ごろから運動や食事で健康管理に気を付けてあげましょう。
ミニチュア・ピンシャー
とても活動的で運動神経が良く、常に動き回っている印象があります。
見た目は小さなドーベルマンのようでカッコよく凛とした姿で、この容姿が気に入って飼う人も多いのではないでしょうか。
ただし、ミニチュア・ピンシャーとドーベルマンとは全く別の犬種で、ドーベルマンよりも歴史が古いと言われています。
ミニチュア・ピンシャーのかかりやすい病気
- アレルギー性皮膚炎
- 糖尿病
- レッグ・ペルテス病
- 膝蓋骨脱臼
- 肩関節脱臼
- 皮膚組織球腫
- 白内障
- 進行性網膜萎縮症(PRA)
- 視神経低形成
- 鼠径ヘルニア
- 尿石症(ほとんどの発症がオス)
予防策&日常における注意点
特に気を付けたい病気はレッグ・ペルテス病、膝蓋骨脱臼などです。
先天的な病気も少なく、比較的丈夫な犬種ですが、1歳過ぎからは膝蓋骨脱臼や皮膚の病気が出ることがあります。
運動量が多い犬種ではありますが、骨や関節に負担がかからないように注意が必要です。
被毛が短いのでお手入れは楽ですが、皮膚病予防のためにも清潔に保つようにしましょう。
ペキニーズ
中国出身の犬で、獅子のようなたてがみが特徴的な犬です。
別名、ライオン・ドッグとも呼ばれています。
古くは中国の皇帝に愛され、その後イギリスに渡って人気が出ました。
あまり運動が得意な方ではないですが飼い主には忠実なので、室内犬として人気があります。
ペキニーズのかかりやすい病気
- 短頭種気道症候群
- 気管虚脱
- 僧帽弁閉鎖不全症
- 幽門狭窄(オスに好発性があると考えられる)
- 椎間板ヘルニア
- 環軸亜脱臼
- 肘関節脱臼
- 膝蓋骨脱臼
- 水頭症
- 会陰ヘルニア
- 皮内角化上皮腫
- 睫毛乱生
- 眼瞼内反
- 眼瞼外反
- 白内障
- 緑内障
- 進行性網膜萎縮症(PRA)
- ドライアイ
- チェリーアイ
- 結膜炎
- セルトリ細胞腫
- 出血性胃腸炎
予防策&日常における注意点
特に気をつけたい病気は短頭種気道症候群、結膜炎、膝蓋骨脱臼、二重睫毛、皮膚病などで、尿石症もたまに起こります。
病気に対する抵抗力が強く、比較的丈夫な犬種ではあります。
短頭種で目が大きいため、目や呼吸器系には気を付けてあげましょう。
また暑さにも弱いので、夏の熱中症にも注意が必要です。
ビーグル
スヌーピーのモデルになった犬として有名ですね。
小さな体に大きな垂れ耳が可愛らしく、病気も少ないためとても飼いやすい犬として人気があります。
もともとは狩猟犬ですが、とても愛想が良く人との交流も大好きです。
ビーグルのかかりやすい病気
- 糖尿病
- クッシング症候群
- 肺動脈弁狭窄
- 甲状腺腫瘍
- 皮膚組織球腫
- 皮膚血管肉腫
- 肥満細胞腫
- 肛門周囲腺腫
- てんかん
- 股関節形成不全
- 椎間板ヘルニア
- 臍ヘルニア
- 白内障
- 緑内障
- 角膜ジストロフィー
- 睫毛重生
- チェリーアイ
- 腎アミロイド症
- 外耳炎
予防策&日常における注意点
特に気をつけたい病気は股関節形成不全、椎間板ヘルニア、緑内障、てんかんなどです。
椎間板ヘルニアになりやすいので、骨や関節に負担がかからないように注意してあげましょう。
また肥満にもなりやすいので、適度な運動も必要です。
緑内障は6カ月頃の幼犬から見られます。
てんかんは1歳以降に出やすいですが、脳波を調べることで事前に発見できる場合もあります。
定期的に検査をしてあげると良いでしょう。
ボーダー・コリー
ボーダー・コリーは牧畜犬として、その作業能力を重要視して繁殖されてきた犬です。
そのため全犬種の中でも非常に運動能力が高く、従順で頭が良い犬種です。
かなりの運動が必要になるので、マンションなどの狭い環境で飼うのには向きませんが、それでも毎年ランキングに入るほど人気のある犬です。
ボーダー・コリーのかかりやすい病気
- 鼻の日光性皮膚炎
- 股関節形成不全
- 肩骨軟骨症
- 臍ヘルニア
- 白内障
- コリー眼異常(コリーアイ)
- 進行性網膜萎縮症(PRA)
- 水晶体脱臼
- 神経セロイドリポフスチン症(CL)
- セルトリ細胞腫
- グレーコリー症候群
- てんかん
- 難聴
予防策&日常における注意点
特に気をつけたい病気は股関節形成不全、コリーアイ、水晶体脱臼などです。
先天性の病気であるコリーアイがあり、他の目の病気に発展することがあります。
症状が出なくても、両親や兄弟に発症した犬がいる場合はキャリアの可能性があるので、子犬を購入するときには気を付けて見る必要があります。
コリーアイに関しては遺伝子検査が可能となっています。
また水晶体脱臼は3~5歳で発症することが多く、緑内障の原因と言われています。
定期的な目の検査を受けて早期発見に努めましょう。
運動意欲も作業意欲もかなり強いので、運動不足になるとストレスが溜まってしまいます。
頭と体の両方を使う運動やドッグスポーツなどをたくさんしてあげてください。
ただし暑さに弱い犬種ですので、夏の暑さにも注意してあげましょう。
ビション・フリーゼ
フワフワ・モコモコの真っ白いぬいぐるみのような犬です。
「パウダー・パフ」と呼ばれる独特のトリミングが考案されたことで人気が出ました。
被毛がフワフワで毎日のブラッシングが欠かせませんが、抜け毛が少なく活発で社交的なので、実はとても飼いやすい犬種です。
ビション・ブリーゼのかかりやすい病気
- 外耳炎
- 涙管閉塞(流涙症)
- アレルギー性皮膚炎
- てんかん
- 膝蓋骨脱臼
- レッグ・ペルテス病
- 白内障
- 尿石症
予防策&日常における注意点
特に気を付けたい病気は膝蓋骨脱臼、白内障などです。
膝蓋骨脱臼や尿石症は遺伝的な体質によるものも多いです。
子犬を購入するときは、両親や兄弟に病歴がないか確認しましょう。
たれ耳で毛量が多いため、こまめにお手入れしてあげないと外耳炎や皮膚病にかかってしまいますので注意が必要です。
イタリアン・グレーハウンド
起源が定かではないものの、とても古くから存在していたとされる犬です。
古代エジプトの墳墓からもイタリアン・グレーハウンドと思われるミイラが発見されています。
性格はおっとりとしていて穏やかな傾向があり、体を動かすのが好きですが運動量はそれほど多くないので、とても飼いやすい犬種と言えます。
イタリアン・グレーハウンドのかかりやすい病気
- 皮膚の脱毛
- 皮膚組織球腫
- 皮膚血管肉腫
- 骨折
- 膝蓋骨脱臼
- てんかん
- 白内障
- 緑内障
- 硝子体シネレシス
- 進行性網膜萎縮症(PRA)
予防策&日常における注意点
特に気を付けたい病気は膝蓋骨脱臼、骨折、てんかん、進行性網膜萎縮症(PRA)などです。
活発に走りまわったり飛び跳ねたりするのが好きな一方、細身の体のため骨折しやすい傾向があります。
特に脚や尻尾は非常に骨折が多いので注意が必要です。
また2~3歳で白内障が見られることがありますが、遺伝性のものと言われています。
膝蓋骨の検査とあわせて、目の検査も定期的に受けておきましょう。
シェットランド・シープドッグ
「シェルティ」の愛称で親しまれており、ラフ・コリーを小さくしたような見た目をしています。
実際に、「コリーを飼いたいけれどもっと小さな犬が欲しい」という人に人気があるようです。
明るい性格で、従順で物覚えも良いですが、少し吠えやすいところがあります。
シェットランド・シープドッグのかかりやすい病気
- 動脈管開存
- 突発性潰瘍性皮膚炎
- マラセチア皮膚炎
- 甲状腺機能低下症
- 出血性胃腸炎
- フォンヴィレブランド病
- 皮膚組織球種
- 鼻腔内鼻腔内腫瘍
- コリーアイ
- 異所性睫毛
- 眼瞼内反
- 睫毛重生
- ぶどう膜皮膚症候群
- 精巣腫瘍(セルトリ細胞腫)
- 外耳炎
予防策&日常における注意点
特に気を付けたい病気は皮膚病、外耳炎、てんかん、コリーアイ、股関節形成不全などです。
比較的病気の少ない犬種ですが、遺伝性の病気がよく見られます。
病気の遺伝子を持つ「キャリア」でなくても、遺伝性の病気を持った子犬が産まれる場合もあります。
コリーアイについては遺伝子検査が可能となっています。
毛量が多いので、皮膚病にならないようにこまめにブラッシングして清潔にしてあげてください。
運動量はそれほど多くないですが、肥満防止のためにも毎日の散歩や室内での遊びは十分にしてあげましょう。
ボストン・テリア
ボストン・テリアは、1800年代に登場した比較的歴史の浅い犬種で、ブルドッグやフレンチ・ブルドッグの血が入っています。
頭が良く、学習能力も高いのでしつけもしやすいですし、愛嬌のある顔で安定的な人気がある犬種です。
ボストン・テリアのかかりやすい病気
- アトピー性皮膚炎
- 毛包虫症
- パターン脱毛
- 膝蓋骨脱臼
- クッシング症候群
- 短頭種気道症候群
- 幽門狭窄
- 半側脊椎症
- 非クロム親和性傍神経節腫
- 線維腫
- 肥満細胞腫
- 水頭症
- 睫毛乱生(眼球突出とともに発症)
- 白内障
- 緑内障
- ドライアイ
- チェリーアイ
- 角膜潰瘍
- 硝子体シネレシス
- 尿道下裂(遺伝性が疑われている)
- 尿道脱(オス)
- 口蓋裂
- 熱中症
予防策&日常における注意点
特に気を付けたい病気は、白内障、皮膚病、膝蓋骨脱臼、短頭種気道症候群などです。
目が大きく傷つきやすいので、目の病気には注意が必要です。
散歩中に木の枝が目に刺さるなどのトラブルもあり得ますので、気を付けて見てあげてください。
比較的寒さに弱いので、冬の寒さには注意してあげましょう。
アメリカン・コッカー・スパニエル
日本ではディズニー映画の「わんわん物語」で人気が出ましたね。
フワフワでカールした被毛と愛らしい顔で、とってもラブリーな外見をしています。
その見た目を維持するためにお手入れをきちんとする必要がありますし、運動量も多いほうです。
そのため可愛いからと言って安易に飼える犬種ではないですが、人懐っこく陽気な性格で、安定した人気を維持しています。
アメリカン・コッカー・スパニエルのかかりやすい病気
- アトピー性皮膚炎
- マラセチア皮膚炎
- 脂漏症
- 動脈管開存症
- 拡張型心筋症
- 僧帽弁閉鎖不全症
- クッシング症候群
- 甲状腺機能低下症
- 慢性肝炎
- 膵炎
- ホスホフルクトキナーゼ欠損症
- 変形性脊髄症
- 皮膚組織球種
- リンパ腫
- 線維肉腫
- 先天性前肢疾患
- 突発性てんかん
- 椎間板ヘルニア
- 白内障
- 緑内障
- 睫毛重生
- 眼瞼内反
- 眼瞼外反
- 進行性網膜萎縮症(PRA)
- ドライアイ
- 瞳孔膜遺残
- チェリーアイ
- 家族性腎疾患
- 外耳炎
予防策&日常における注意点
特に気を付けたい病気は、白内障、緑内障、膝蓋骨脱臼、脂漏性皮膚炎などです。
目の病気が非常に多い犬種ですので、定期的な検査で早期発見を心がけましょう。
また長毛でのため、若いころから皮膚病が見られ、老犬になると脂漏性皮膚炎になりやすいです。
たれ耳のため外耳炎になりやすいので、こまめにお手入れをして予防してあげましょう。
全体的に遺伝性の疾患が多い犬種で、若いうちから病気が出ることがあります。
抜け毛も多く日ごろのケアが欠かせませんし、運動もたくさん必要です。
比較的手間のかかる犬種ですが、しっかりと健康管理してあげましょう。
バーニーズ・マウンテン・ドッグ
スイス出身の山岳犬として有名で、オスでは平均体重が40キロを超えるほどの大きな犬です。
優しい性格で落ち着きがあり、目の上のタンが眉毛のようで、その見た目にも人気があります。
温和な性格とはいえ大型犬ですので、パワーはあります。
子犬のうちからしっかりとしつけをしておきましょう。
バーニーズ・マウンテン・ドッグのかかりやすい病気
- 肩骨軟骨症
- 関節形成不全
- 肘関節形成不全
- 組織球腫(高齢と、オスでの発症が多い)
- てんかん
- 白内障
- 進行性網膜萎縮症(PRA)
- 胃拡張・胃捻転症候群
- 家族性腎臓病
- 熱中症
予防策&日常における注意点
特に気を付けたい病気は、股関節形成不全、肘関節形成不全、胃捻転症候群、進行性網膜萎縮症(PRA)などです。
それほど病気が多い犬種ではなく、幼犬から出る病気も少ないです。
ただ、大型犬に多い股関節形成不全や胃捻転などが出ることがあります。
平均寿命が7~8年と、とても短いので老犬になるのも早いです。
そのため老化してからの病気の方が注意が必要です。
もともとスイスの犬ですので、寒さに強くて暑さに弱いです。
夏の熱中症にも注意してあげましょう。
ブルドッグ
ブルドッグはもともとイギリスでブル・バイティングというスポーツで牛の鼻に噛み付いて興奮させる役割を果たしていました。
現在のブルドッグはとても温厚でおっとりした性格に改良されていますが、その独特な見た目は変わらず愛され続けています。
中型犬に分類されることが多いですが、体重が20キロ前後でかなりどっしりしています。
歩いているととても存在感のある犬ですね。
ブルドッグのかかりやすい病気
- 膿皮症
- 短頭種気道症候群
- 気管低形成
- 心室中隔欠損症
- 大動脈弁狭窄
- 肺動脈弁狭窄
- 甲状腺機能低下症
- 肘関節形成不全
- 股関節形成不全
- 膝蓋骨脱臼
- 膝蓋軟骨症
- 皮膚組織球腫
- 非クロム親和性傍神経節腫
- リンパ腫
- 肥満細胞腫
- 椎間板脊椎炎
- 二分脊椎症
- 異所性睫毛
- 睫毛重生
- 眼瞼内反
- ドライアイ
- チェリーアイ
- 尿道脱
- 潜在精巣
- 口蓋裂
予防策&日常における注意点
特に気をつけたい病気は、股関節形成不全、結膜炎、短頭種気道症候群などです。
短頭種気道症候群も結膜炎も6カ月頃の幼犬から見られます。
また、顔や体にしわが多いので細菌感染に注意が必要です。
こまめにしわの間を拭いて予防してあげましょう。
暑さや湿気に弱いので、夏の暑い時期は散歩を控えめにするなどしましょう。
肥満防止のためにも運動は必要ですが、高いところから飛び降りたり、泳いだりするのが苦手ですので注意しましょう。
日本スピッツ
戦後の日本で大ブームとなった犬種で、昭和の時代にはよく見られました。
日本で初めて純血種として公認された犬としても有名です。
よく吠える番犬のイメージが強く一時期は犬猿されがちでしたが、最近は穏やかな性格に改良されてきています。
日本スピッツのかかりやすい病気
- アレルギー性皮膚炎
- 気管虚脱
- 涙管閉塞(流涙症)
- 膝蓋骨脱臼
- 僧帽弁閉鎖不全症(MR)
- 全身性エリテマトーデス(全身性紅斑性狼瘡)
- 血友病
- 難聴
予防策&日常における注意点
特に気を付けたい病気は膝蓋骨脱臼、涙管閉塞、僧帽弁閉鎖不全症などです。
1歳以降は膝蓋骨脱臼になりやすいので、脚に負担がかからないように注意してあげましょう。
また、涙管閉塞の予防のため、目の周りの毛は短めにカットしておいた方が良いです。
アレルギーにより皮膚病になることがありますので、定期的なブラッシングと相性の良いフード選びも大切です。
狆
別名ジャパニーズ・スパニエルとも呼ばれる日本原産の小型犬です。
とても人懐こく、膝の上に乗ったり中には高いところに登る犬もいて、まるで猫のような犬と例えられることもあります。
運動量も少ないので、室内犬にとても向いている犬種と言えます。
狆のかかりやすい病気
- 軟口蓋過長症
- 気管虚脱
- てんかん
- 涙管閉塞
- 膝蓋骨脱臼
- 環軸亜脱臼
- 白内障
- 眼瞼内反
- 硝子体動脈遺残(先天性で、遺伝性が疑われる)
- 熱中症
予防策&日常における注意点
特に気をつけたい病気は、膝蓋骨脱臼、眼瞼内反、てんかんなどです。
他の小型犬と同様に膝蓋骨脱臼になりやすく、成犬の間は常に注意が必要です。
脚に負担がかからないように注意してあげましょう。
また、体温調節があまり上手ではないため、室温の管理をきちんとしてあげましょう。
シベリアン・ハスキー
名前のとおりロシアのシベリア地方出身の犬で、どこまででも走れるくらいにタフな犬です。
好奇心旺盛でいたずら好き、隙あらばどこかに遊びに行こうとする独立心の強い犬です。
そのため躾は少し大変ですが、一方でとても友好的な一面もあり、ファンが多い犬でもあります。
シベリアン・ハスキーのかかりやすい病気
- 脂漏症
- てんかん
- 心室中隔欠損症
- 尿崩症
- 進行性網膜萎縮症(PRA)
- 肛門周囲腺腫
- 骨肉腫
- 股関節形成不全
- 膝蓋骨脱臼
- 白内障
- 緑内障
予防策&日常における注意点
特に気をつけたい病気は進行性網膜萎縮症、白内障、脂漏症などです。
股関節形成不全や膝蓋骨脱臼も見られることがあります。
先天的な病気が少なく、病気に関しては比較的安心な犬種ですが、目や関節の病気が現れることもあります。
定期的な目の検査、関節の検査をお勧めします。
運動量がかなり多いので、散歩や遊びでたくさん体を動かして健康を保つようにしましょう。
ウエスト・ハイランド・ホワイト・テリア
ウエスティの愛称で親しまれるウエスト・ハイランド・ホワイト・テリアは、スコットランド出身の犬です。
硬めの白いワイヤーヘアーが特徴的で、ブラッシングなどのお手入れが欠かせません。
性格はやんちゃでわがままなところがあり、きちんと躾をする必要があります。
ウエスト・ハイランド・ホワイト・テリアのかかりやすい病気
- アトピー性皮膚炎
- 毛包虫症
- マラセチア皮膚炎
- 脂漏症
- 皮膚組織球種
- 皮脂腺腫症
- 白内障
- ドライアイ
- 瞳孔膜遺残
- 角膜炎
- 心室中核欠損症
- 肺動脈弁狭窄
- 慢性肝炎
- 膵炎
- 膝蓋骨脱臼
- レッグ・ペルテス病
- 外耳炎
予防策&日常における注意点
特に気をつけたい病気はレッグ・ペルテス病、皮膚病、白内障、膝蓋骨脱臼などです。
白内障は若年性で、6カ月以下で発症することがあります。
レッグ・ペルテス病、や膝蓋骨脱臼は1歳以降で発症する場合が多いです。
皮膚病は若いうちから発症しやすいので、日々のブラッシングやシャンプーなどのお手入れを十分にすることと、定期的な膝蓋骨の検査をお勧めします。
また、比較的暑さに弱い犬種ですので、夏の温度管理には気を付けてあげましょう。
いかかでしたか?
犬種ごとにかかりやすい病気にはかなり違いがあります。
純血種には特有の遺伝的な疾患も多いですから、しっかりと理解したうえで、適切な環境で生活させてあげたいですね。
ワンちゃんにより健康で長生きしてもらって、楽しいドッグライフを送りましょう!