わんちゃんと遊んでいて、口の周りをぺろぺろって舐めてくれること、ありますよね?
その時に「んっ?なんかわんちゃんの口が臭いかも…」と思ったことはありませんか?
健康なわんちゃんは口臭はありませんので、病気のサインである可能性が高いです。
実はわんちゃんは、歯磨きをしないと歯周病になってしまいます。
3歳以上の成犬の約8割が歯周病または歯周病予備軍と呼ばれるくらい、広まってしまっている病気。
何も予防や処置をしなければ、将来的にほぼ100%のわんちゃんが歯周病になってしまうとます!
たかが、歯周病でしょ?命に関わることじゃなさそうだし大丈夫!
なんて思っていませんか?
たかが歯周病と侮るなかれ、歯周病は命に係わる病気のリスクを高めるって知っていましたか?
これを読んで、わんちゃんの歯周病の症状や、歯周病にならない対策を学んでくださいね!
1、わんちゃんは虫歯になるの?

OLYMPUS DIGITAL CAMERA
わんちゃんが歯磨きが必要なのはご存知ですね。
しかし、人間と比べると圧倒的に少ない虫歯。
一部の統計では、歯の疾患のうちたった5.6%しか虫歯ではないというデータも出ています。
その主な理由は、口の中の環境が人間と犬とでは違っているからです。
・犬の唾液が人間の唾液と違ってアルカリ性に傾いている
→虫歯菌は弱酸性の環境を好みますので、犬の口の中では虫歯菌が住みにくい環境になっています。
・食事の中に糖分が少ない,作られない
→虫歯菌が栄養とする糖分ですが、犬の唾液にはアミラーゼという食べ物を分解して糖分を作り出す酵素がいないため、虫歯菌のご飯が口の中にありません。
・歯を使ってかみ砕く・すりつぶす事が少ない
→人間は食べ物を口の中で歯を使ってかみ砕いたりすりつぶしたりしますが、犬の歯はすべて尖っているので、食べ物のカスが溜まりにくくなっています。
・咀嚼する時間が短い
→咀嚼する時間が長いと、虫歯菌のご飯が口の中に長く居座ります。
犬はほぼ丸のみする生き物ですので、食べ物が口の中に溜まる時間があまりありません。
このような理由で一般的にわんちゃんが虫歯にかかることは少ないとされています。
しかしまれに虫歯の症状がみられる場合もあります。
もし気になったら動物病院で相談してみて下さいね。
2、虫歯よりも歯周病に注意!

わんちゃんでは、虫歯よりも気を付けて欲しいのは「歯周病」。
歯周病になりやすい理由として、わんちゃんの口の中の環境が、虫歯菌が住みにくい原因となった「弱アルカリ性」に傾いているから。
そのせいで「歯石」が溜まりやすいのです。
歯石と聞くと、長期間かかって出来上がるものと思われがちですが、実は食後24時間以内に歯に歯垢が溜まり始め、最短で3日で歯石に変わってしまいます。
人間の5倍ものスピードで歯垢が歯石になると言われています。

という事は、歯磨きを3日怠ると、すぐに歯石がついてしまいますよ!

歯石は一度つくと、歯磨きで取り除くことは不可能です。
歯石を取り除くには、わんちゃんをおとなしくさせるために全身麻酔をかけて、動物病院でスケーリング処置を行うという一大事となってしまいますよ。
そして歯石がいったんついてしまうと、歯と歯茎の間に隙間が出来てしまいます。
その隙間が病原菌の絶好の住みかになってしまいます。
その病原菌が歯茎の炎症を起こして歯周病になっていくのです。

歯に歯石が付き、歯と歯茎の間が真っ赤に腫れていますよね。
歯石が壁となって、歯肉の中に歯周病菌がどんどん繁殖して、歯肉炎を起こしている状態です。
こうなると、歯肉の端が赤くはれて出血しやすくなります。
その歯周病菌が出す毒素によって、わんちゃんの歯を支えている「歯槽骨/しそうこつ」という骨を溶かしてしまいます。
そのため、歯がぐらぐらになって抜け落ちたり、頬の骨を溶かして貫通して膿が流れ出てしまうことだってあるのです。
3、歯周病は心臓病・肝臓病のリスクを高める

歯周病、単に歯茎が腫れてしまったり、歯が抜け落ちてしまったり…という、口の中の問題だけだと思っていませんか?
実は、最近の研究で歯周病が心臓病や肝臓病のリスクを高めることが分かってきました。
歯周病を起こす歯石には、75%もの細菌を含んでいます。
炎症が起きている歯肉の血管の中に、この歯周病の細菌が入り込みます。
血管の中に入った細菌は全身へと散らばり、血管の中から体中に悪さをします。
心臓に行った場合は、心臓の弁をもろくさせて、心臓の動きやポンプの働きを悪くします。
僧帽弁閉鎖不全症という心臓の弁の働きが弱くなる病気に、歯周病の菌が関連しているという研究結果が出ているほど。
心臓病以外にも、全身に歯周病の細菌が行ってしまうので、腎臓疾患や肝臓疾患の原因となりますよ。
歯周病を防ぐには歯磨き

OLYMPUS DIGITAL CAMERA
では、歯周病を防ぐには何をすればいいのでしょうか。
それは簡単!
わんちゃんの歯磨きをすることです。
わんちゃんの歯磨きなんて、やったことがないし、嫌がってやらせてくれない…
なんて悩みもあると思います。
いきなり歯ブラシをもってごしごししようものなら、口の中に得体の知れないものが入ってきたわんちゃんはパニックです!
コツは「最初は遊びながら」「少しずつゆっくりと」「思いっきり褒める」この3つ。
こちらの記事も参考にしてみて下さいね!
最後に
たかが歯周病と思っていた方、心臓病や腎臓疾患・肝臓疾患にまでつながる恐ろしい病気の前触れであることが分かって頂けましたでしょうか。
うちのわんちゃんも、口を舐めにきたとき「ザリガニの臭いがする…(+o+)」とぞっとしたことを思い出しました。
歯磨きは、気が向いた時にやっていましたが、やはり丁寧な歯磨きが足りなかったのだと反省しています。
動物病院でも歯磨き教室などを行っている場所もありますし、獣医さんに正しい歯磨きのやり方を学んでみてもいいですね。
長い記事を読んでくださってありがとうございました。
あなたとその隣にいるわんちゃんがもっともっと両想いで幸せになりますよう、願っています!