【豆知識】ペットフードって普段食べているアレの作り方に似てるって知ってた?

ペットフード 作り方 似てる

毎日のご飯をとっても楽しみにしているわんちゃん。

あなたも、ペットフードの袋を触ったとたんに、どこからかぎつけたのか、わんちゃんがダッシュで足元に来て、しっぽをちぎれんばかりにフリフリ!なんてことありませんか?

お皿に盛るや否や、パクパク美味しそうに食べる姿はなんとも可愛いですよね。

ご飯を食べている姿を見て、ふとこんなことを思いませんか?

そんなにドッグフードって美味しいのかな?
一体どうやって作っているのかな?

今回は、ペットフードのうちで、特に皆さんがあげている「カリカリのドライフード」はどのように作っているのか、作り方は私たちが普段食べているアレに似てる?!ということをお話しします。

これを読めば、ちょっとしたペットフードの物知り博士になれるかも!

ドライフードの作り方

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簡単に工程をまとめると、

  1. 原材料の調達
  2. 粉砕
  3. 混合
  4. 前調整
  5. 加熱・加圧
  6. 成型
  7. 乾燥
  8. コーティング

上記のようになります。
では、一つ一つ見ていきましょう

1.原材料の調達

ドライフードのもととなる主な原材料は、穀物や肉粉。
一つの工場で使用するものなので、容量は1~5トンというかなり大きな単位でトラックの荷台に積んで運ばれてきます。

一方、少し混ぜるぐらいの原材料の場合は、25~50kgという比較的小さな小分けパッケージのような形態で運ばれてきます。

大量の原材料は加工されるまでの間、巨大な貯蔵施設に保存されるのが一般的です。

例えば、20トンの物を詰めることができる「サイロ」と呼ばれる貯蔵タンクが65本もある、というとてつもない規模を誇る工場もあります。

原料タンクに入れる前には、金属マグネットやふるいにかけ、危険な混合物を取り除きます。

2.粉砕

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粉砕とは原材料の粒の大きさを均一にすることです。

一般的には、複数のハンマーを持った「ハンマーミル」と呼ばれる粉砕機で、乾燥原材料を粗びきの小麦粉と同程度の大きさになるまで細かく砕きます。

粉砕の主な目的は

  • 原材料の大きさを均一にする
  • 水と混ぜやすくする
  • 加熱した時に、均一に火が通るようにする
  • 消化率を高める
  • 機械の目詰まりを予防する

上記の通りです。

3.混合

混合とは、簡単にいうと、全部の材料を決められた分量を量って混ぜること。

いくつもの乾燥した原材料を均一になるよう混ぜ合わせます。

混ぜる機械にもいろいろあり、「羽根型攪拌機」「リボン式攪拌機」などがあります。
これによって各種原材料を混ぜ合わせ、「ドライミックス」と呼ばれる生地の元を作ります。

4.前調整

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前調整とは、先ほど混合で出来上がった「ドライミックス」とビタミン・ミネラルなどの各種添加物、および水を加えることで徐々に水分含量を高めていくことです。

でんぷん質が含まれているので、粘り気が出てくるのもこの前調整の過程です。

ここでの調整が不適切な場合、必須栄養素が不均一になったり重要な原材料が製品中に配合されなかったりという現象が生じるため、機械でモニタリングしながら念入りに行います。

5.加熱・加圧

加熱・加圧過程では、高い圧力で保たれた筒の中に混ぜ合わせた原料を入れ、水分と上記を流し込みます。
温度は80~200度という、とっても高いもの。
圧力釜のようになった中で原料が加熱されます。

時間にして10~270秒間、熱が加えられます。

この加熱・加圧の目的は、微生物を殺すと同時に、栄養成分を低下させる各種の酵素を不活性化することです。
熱によって失われる栄養成分は、あらかじめ多めに添加しておきます。

6.成型

成型過程では、原材料を適当な大きさにカットすることによってペットフードの外観が形成されます。
フードの形状を決める成型プレートは「ダイ」(DIE)と呼ばれ、「丸型」、「骨型」、「魚型」など、目的に応じて適宜交換することが可能です。
イメージとして、ところてんの出口が四角でなく、いろいろな形をしているといえばわかりやすいでしょうか。

皆さんのペットフードにも丸形以外にも、三角形やお魚の形をしているものはありませんか?

この成型プレートの出てくる穴の形によって、ペットフードの形が決まるのです。

ダイから出る直前の原材料は、温度100~200度、水分含量23~27%程度に保たれています。
穴から出てくる際、圧縮されていた水分が急激に膨張して水蒸気になります。
その際に原料が「ポンッ」とふくらんだ粒状になるのです。
内部に細かな空気の粒を含んだ粒は、スポンジのような性状を作り出します。

その粒を素早くカッターでカット!
可愛い形の粒が出来上がりです。

7.乾燥

乾燥とは、目的の形にカットされた原材料の水分を減らす過程のことです。
80~150度の温度に10~20分さらすことで、水分含量を4~15%減らします。

水分が残ったままだと、カビが生える原因になりますので、しっかりと乾燥させます。

乾燥は、低い温度から徐々に高い温度に移行させます。
最初の区画で高温乾燥してしまうと、出来上がった粒の外の層が急激に乾燥し、ちょうど肉汁を閉じ込めたステーキのように水分を内部に封じ込めてしまいます。

これを「外層硬化現象」といい、乾燥の最初でこの現象が生じると、内部の水分は硬い外層を破りながら蒸発することになるので、ペレット表面に小さな割れ目が生じ、ボロボロと崩れやすくなってしまいます。

水分が10%以下になることで、ようやくカリッとした粒になります。

8.コーティング

コーティングとは、ペレットの表面に油やフレーバーを添加することです。
味付けの意味もありますが、出来上がった粒の中にわんちゃんの食事に必要な美味しくて栄養たっぷりのエキスをくまなくまぶします。

これは「コーティングドラム」と呼ばれる機械の中で、出来上がった粒を回転させながら、各種添加物をノズルから垂らして表面をコーティングします。

その後、カビや細菌が繁殖しないよう一定温度まで冷却し、充填・包装工程へと回されます。
また異物の混入を避けるため、金属探知機に通す工場もあります。

実は〇〇の作り方に似てる?

ここまで書くと、普段料理をしている方はピンとくるかもしれませんね。
実は、ペットフードの作り方は「パン」や「クッキー」の作り方にソックリなのです!

例として、パンの作り方を見てみましょう

1.強力粉や小麦粉などを計量し、混ぜ合わせる

この工程は、ドライフードでいう「原材料の調達・粉砕・混合」ですね。

必要な原材料をスーパーなどで購入します。
スーパーで売っているものなら既に粉砕されていますので、この工程は済んでいますね。
あとは、ボールに入れて混ぜ合わせます。

2.水やドライイーストを入れて混ぜ、発酵させる

この工程は、ドライフードでいう「前調整」ですね。

水を入れてかき混ぜると、最初は粉だった生地が、だんだんと粘り気がましてもっちりとしてきます。

ドライイーストを入れて混ぜた後は発酵のために時間を置きますよね。
ドライフード作りでも材料が均一になるように、じっくりと時間をかけています。

3.成形して発酵させたら、オーブンで焼く

この工程は、ドライフードでいう「加熱・加圧・成型」ですね。

パン焼き機の場合は加圧することはありませんが、形を作ったり、オーブンで焼いたりというのは、ドライフードの作り方にソックリです。
加熱時間もパンの種類によって異なるように、ドライフードの加熱時間も、どんな材料が入っているかによって異なります。

4.焼きあがったら冷まして、ちょっとしたデコレーションを

この工程は、ドライフードでいう「乾燥・コーティング」ですね。

店頭で販売しているパンも、熱々のまま袋に詰めてしまうと、水蒸気がべっとりとついてしまってベチョベチョになってしまいます。
少し粗熱をとったりさましたりしますよね。
ドライフードも同様です。

また、チョコなどで顔を書いたり、アーモンドなどをトッピングしたりする工程は、ドライフードのコーティングと一緒です。

いかがでしたか?

ドライフードの作り方はパンやクッキーにそっくりなのですね!
作り方は似ていても、食べてくれる人の事を思う気持ちは、ペットフードもパンやクッキーも同じですよ。

長い記事を読んでくださってありがとうございました。
あなたとその隣にいるわんちゃんがもっともっと両想いで幸せになりますよう、願っています!

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