冬になると人間は風邪の季節ですよね。
鼻水が出たり、咳がコンコンでたり…
そんな中、わんちゃんも咳をするのをご存知ですか?
口呼吸が多いわんちゃんは、人間よりも喉の炎症が起きやすいために、咳のでる病気にかかりやすいとも言えます。
そして、咳の音を聞いてみると「カッカッ、ハッハッ」という空咳と、「ゴホゴホ、ゼロゼロ」という湿った咳があります。
咳の違いによって、隠れているかもしれない病気も違いますよ。
もし、わんちゃんが咳をしていたら、わんちゃんの様子とともに、咳の音も聞いてみましょう。
病気の早期発見ができるかもしれませんよ!
わんちゃんの咳の種類は3つ
わんちゃんがする咳の種類は全部で3つです。
- 乾いた咳
カッカッ、ハッハッという音です。
空咳とも言います。 - 湿った咳
ゴホゴホ、ゼロゼロという音です。 - 口は閉じて鼻で息を吸い込む逆くしゃみ
咳ともくしゃみとも判別しづらいですが、フガフガという呼吸をします。
一般的に乾いた咳よりも湿った咳が、激しい咳よりも弱々しい咳の方が、症状が悪化していると言われます。
もし、自分のわんちゃんが咳をしているのだけれど、どの種類かわからないという場合は、咳がしている動画をスマホで撮って動物病院で獣医さんに見せてくださいね。
病気の診断にとても役立ちますよ。
わんちゃんの咳の原因となる病気-乾いた咳-
わんちゃんが乾いた咳(空咳)「カッカッ、ハッハッ」をしている場合、疑われる病気は6つです。
- ケンネルコフ(犬伝染性咽頭気管炎)
- フィラリア症
- 僧帽弁閉鎖不全症
- 咽頭炎
- 気管虚脱
- 心不全
では、この6つの乾いた咳(空咳)をする病気を一つずつみていきましょう。
ケンネルコフ(犬伝染性咽頭気管炎)
乾いた咳の代表と呼ばれるような病気です。
運動時や興奮時などに咳が発作的に現れますが、日常的には比較的元気にすごすわんちゃんが多いです。
いくつかのウイルスによっておこる病気で、混合感染を起こすと高熱が出て、肺炎へと移行する危険性があります。
ワクチン未接種のわんちゃんや、免疫力が高くない子犬が感染しやすい病気です。
ワクチン接種をすれば防ぐことが可能です。
フィラリア症
内部寄生虫のフィラリアが、蚊を通してわんちゃんの体の中に入り、心臓や肺に寄生する病気です。
成虫になったフィラリアは、ミクロフィラリアという子供を産み、わんちゃんの体内でフィラリアがどんどん増えていきます。
成虫のフィラリアの長さは15~30センチほどにもなります。
心臓や肺がフィラリアの住みかとなり、血液の循環が悪くなり、呼吸器や循環器に障害をもたらします。
体重の減少とともに空咳という症状が出て、初めてフィラリア症に気づく飼い主さんが多いです。
フィラリア症は、毎月1回の駆虫薬の投与で予防が可能です。
シーズン最初のフィラリア駆虫薬投薬前には、フィラリアに感染していない事を動物病院で確かめましょう。
もし、フィラリアに感染しているのに駆虫薬を飲ませてしまうと、重大な副作用が出る危険性がありますよ。
僧帽弁閉鎖不全症
心臓の弁の1つ、「僧帽弁」の働きが弱く、きちんと血液が全身に送り出せない状態になる病気です。
初期の段階では、興奮時や激しい運動をしたときに咳をします。
重症になると、運動を嫌う、散歩の途中で座り込むといった状態になります。
原因のひとつとして、加齢・僧帽弁の粘液腫瘍変性といわれますが、詳しいことはわかっていません。
遺伝因子も原因で、キャバリアでは比較的多く見られてしまいます。
いったん心臓が悪くなると、完治はせずに悪くなる一方です。
飼い主さんが咳などのわんちゃんの変化を早期に発見して、病気の進行を防ぎましょう。
動物病院では、身体検査での心音の聴診をすることで、心雑音が聞こえるはずです。
咽頭炎
のどの咽頭と呼ばれる場所に炎症が起きる病気です。
乾いた咳とともに、熱が出るのが特徴です。
人間でいうと、扁桃腺が腫れ、食事を飲み込むにも支障をきたす状態ですね。
原因は、ジステンパーなどのウイルス感染や、鼻炎・口内炎から波及した症状、有毒ガスや薬品を吸い込んでしまうことがあげられます。
気管虚脱
息を吸い込む際に通る「気道」という場所が平たく変形してしまい、十分に酸素が吸えずに息が苦しくなってしまう病気です。
カッカッという空咳の他にも、ゼーゼーやガーガー、ブヒブヒという異常な呼吸音が見られます。
気道が変形する時が、息を吸う時だけの「動的頚部気管虚脱」息を吸う時も吐くときも気管がつぶれている「原発性気管虚脱」息を吸う時に気道が開き、吐く時につぶれる「気管気管支軟化症」があげられます。
激しいパンティングや肥満は、気管虚脱の症状を悪化させるため、過ごす環境や食事内容に気をつけましょう。
心不全
心臓の機能が徐々に弱ってくる病気です。
初期症状として、早朝や寝そべっていて立ちあがる時などの「血圧が急にあがる」時、のどの奥に何かが引っかかってしまったような空咳をします。
上記の僧帽弁閉鎖不全症も心不全の一種です。
血液を送り出すポンプの役割をする心臓は、いったん不具合が生じると、完治することはありません。
劣化のスピードを遅らせるなどの普段の生活を気を付けて過ごすことが重要です。
わんちゃんの咳の原因となる病気-湿った咳-
一般的に、空咳がひどくなって慢性化し、湿った咳になることが多いです。
わんちゃんが「ゴホゴホ」という湿った咳をする場合、疑われる病気は2つです。
- 気管支炎
- 各種アレルギー
では、1つずつ見ていきましょう。
気管支炎
ウイルスや細菌・アレルギーなどが原因となって、湿った咳が痰が気管にあるために出ます。
初期症状は空咳のカッという咳や、コホコホといった咳が多いのですが、進行とともに湿った咳がでるようになります。
咳をする際に、首を下げていかにも嘔吐するかのような姿勢を取るのが特徴です。
ウイルスや細菌の感染,アレルギーやケンネルコフの重症で気管支炎を発症します。
各種アレルギー
わんちゃんも人間と同様にアレルギーになることがあります。
原因物質は、タバコの煙や、花粉、ハウスダストなどです。
アレルギーにかかったわんちゃんは「ゴホゴホ」という湿った咳をしやすく、粘り気の強い痰が混じるときもあります。
わんちゃんも血液検査からアレルギー抗体を調べる事ができますので、動物病院で検査が可能です。
アレルギーが見つかった場合は、その原因となるアレルギーをできるだけ排除して生活するのが一番ですよ。
最後に
いかがでしたか?
わんちゃんが咳をする病気がたくさんあることが分かって頂けましたでしょうか。
「あれ?おかしいかも」と飼い主さんが思ったら、それは病気のサインかもしれません。
わんちゃんのサインを見逃したりせずに、病気の早期発見につなげてくださいね。
長い記事を読んでくださってありがとうございました。
あなたとその隣にいるわんちゃんがもっともっと両想いで幸せになりますよう、願っています!