わんちゃんに多い、膝蓋骨脱臼(パテラ)や股関節脱臼。
うちのわんちゃんのヨークシャー・テリアも、さっきまで元気に走り回っていたのに、突然「キャンッ!!」と鳴いたかと思うと、左の後ろ足を上にあげたままスキップをするように歩くようになってしまった時期がありました。
動物病院では、初期の膝蓋骨脱臼と診断され、安静と過剰な運動は避けて下さいと言われました。
今まで私がわんちゃんと過ごしている毎日の中で、関節に悪いことをしていたなんて…。気づいてあげられず、とても反省したことを覚えています。
わんちゃんが歩くのでさえ辛い姿を見ていると、いち早く治してあげたいと思うのはどんな飼い主さんでも一緒ですよね。
今回は、脱臼になってしまった際のおすすめのサプリメントや食事法をお伝えします。
また、脱臼の予防のために気を付けたい注意点もお話しますので、ぜひ参考にしてみて下さいね!
犬の脱臼
わんちゃんの脱臼で、とても多いものが「膝蓋骨脱臼(しつがいこつだっきゅう)」です。すべての脱臼の約20%という、非常に高い割合で起こるひざの関節が外れてしまう脱臼です。
ヨークシャー・テリアやチワワ、パピヨン、トイ・プードル、ポメラニアンなどの小型犬に多く発症し、「パテラ」とも呼ばれています。
遺伝子要因もあるとされていて、生まれつき膝関節周辺の筋肉や骨の形成異常や靭帯の付着部の異常などが存在する先天性異常によって、膝蓋骨脱臼が発症する場合があります。
また「股関節脱臼」もわんちゃんに多く見られる病気です。
股関節に交通事故や打撲などの外的要因による異常な力が加わると、後ろ足の大腿骨と腰の骨にある寛骨臼が外れてしまう股関節脱臼が起きます。
股関節形成不全が認められる大型犬に多く発症する傾向にあり、ラブラドール・レトリバー,ゴールデン・レトリバー,セント・バーナード,秋田犬,バーニーズ・マウンテン・ドッグなどは注意が必要な犬種とされています。
股関節脱臼を起こしてしまう股関節形成不全の大型犬は、後ろ足がモンローウォークと呼ばれるお尻を振って歩いたり、腰がふらついたり、正しい位置で犬座が出来ず横座りになってしまいます。
脱臼予防のためにしたい対策5つ!
わんちゃんが膝蓋骨脱臼になってしまったり、股関節脱臼になってしまうと、完全に治ることは難しく、悪化させないようにする対策が非常に重要です。
そのための対策を5つあげておきます。
2、階段の上り下りを禁止に
3、適度な運動をする
4、肥満は大敵、適正体重を心がける
5、関節に良い食事やサプリメントをとる
では、具体的に一つずつ見て行きましょう。
1、滑りやすいフローリングにはマットを
わんちゃんにとって、フローリングはとても滑りやすいもの。
滑らないように歩いていたり、ふいに足を滑らせたりした際には足腰への負担が非常にかかります。
滑りやすいフローリングには、マットやカーペットを敷き詰めて歩きやすい環境を整えましょう。
マンションなどにお住まいの方は、マットを敷き詰める事で下の階にわんちゃんが歩く音を響きにくくする効果や床を傷つけにくくなりますので一石二鳥ですよ。
2、階段の上り下りを禁止に
階段の上り下りは、全身の筋肉や関節を使います。
人間にとって何ら負担のかからない階段の高さであっても、背の低いわんちゃんにとったら、自分よりも背の高い高さを飛び越えるようなもの。
膝や腰に大きな負担がかかりますので、階段の上り下りは飼い主さんが抱っこして移動するか、進入禁止にしてあげて下さい。
また、ベッドやソファーに飛び乗ってしまうのも、足腰に負担がかかります。
飛び乗り禁止にするか、飛ばなくても登れるようなスロープクッションを置くなどして工夫をしてくださいね。
3、適度な運動をする
ボール投げやアジリティーなど、特定のスポーツなどの過剰な運動は足腰に負担がかかりますが、全く運動しないのも筋力が衰えて余計に関節が外れやすくなってしまいます。
毎日の散歩は無理のない範囲で続けて頂き、飼い主さんがわんちゃんの屈伸運動を手伝ってみてもいいかもしれません。
膝関節の周りの筋力をつける事で、膝関節が正常な位置に固定される手助けをするそうですよ。
理想の回数は、股関節脱臼をしている足を朝晩100回ずつ行うらしいですが、無理のない範囲で獣医さんの指示に従って下さいね。
また、動物病院でわんちゃんの水泳を行っている場所もあります。
歩く運動よりも足腰に負担がかからず理想的な筋肉をつけてくれますよ。
4、肥満は大敵、適正体重を心がける
肥満のわんちゃんは、余分な体重の分だけ関節に負担がかかってしまっています。
適正体重からはみ出ているわんちゃんは、ダイエットや食事管理をして、肥満から抜け出しましょう。
この時運動をさせず食事管理だけすると、筋力も一緒に低下してしまいますので、適度な運動も一緒に行って下さいね。
5、関節に良い食事やサプリメントをとる
体を作っているのは、毎日のドッグフードです。
この栄養からわんちゃんの体が作られますので、関節を形作る食事やサプリメントを積極的に採ると、損傷した関節が早く治る手助けになります。
脱臼にオススメのサプリメントや食事はこれ!
では、具体的にどんなサプリメントや食事をとればいいのでしょうか。
サプリメントや食事は、体に取り入れてすぐに効果が出るものではありません。
毎日栄養を体の中に入れる事で、脱臼の悪化や再発を防ぎ、関節の良い状態を保つことが可能だと言われています。
・グルコサミン
軟骨の主成分の一つで、糖とアミノ酸がくっついたムコ多糖類の一種です。
体内の各組織の柔軟性や弾力性を形作っています。
定期的に摂取する事で、関節疾患の予防と改善に効果があるとされています。
【多く含まれている食材】
ウナギ、干しエビ、やまいも、おくら、きのこ、カニやエビの殻に含まれるキチン質と呼ばれるところなど
・コンドロイチン
正式名称はコンドロイチン硫酸です。食物繊維の仲間で、たんぱく質と結びついて、関節・皮膚などの結合組織を作り上げます。
骨と骨の間の部分にある軟骨や関節の部分で潤滑油の働きを果たしています。
また、骨のカルシウムを骨に定着させる働きがあるので、骨そのものを強く丈夫にしてくれます。
【多く含まれている食材】
動物性…ふかひれ、ウナギ、ヒラメ、鶏の皮、ナマコなど
植物性…やまいも、さといも、納豆、なめこ、おくらなど・たんぱく質
アミノ酸から作られているもので、犬の体の構成成分の1/2以上を占めています。
骨と骨を支える筋肉もたんぱく質からできているため、不足すると骨に負担がかかるようになってしまいます。
【多く含まれている食材】
肉類、魚介類、乳製品、豆類など
動物病院で処方もされるサプリメント3つ
1、緑イ貝(みどりいがい)
ロイヤルカナンホームページ(https://www.royalcanin.co.jp/)よりコンドロイチンがバランスよく含まれている、ニュージーランドの海に生息する貝です。関節の動きをなめらかにする効果があります。メーカーによって嗜好性や形状が異なるので、お気に入りのメーカーを探してみて下さいね。
2、グリコフレックスⅢ
株式会社インターベッド(http://www.msd-animal-health.jp)より
グルコサミン・亜鉛・メチルホルホニルメタン(MSM)が関節痛,靭帯の炎症や損傷を抑えてくれます。
関節の構成成分を豊富に含んでおり、損傷を受けた関節の補修・保護に役立ちます。
3、コセクインDS
バイエル薬品株式会社(http://www.bayer-pet.jp)より
低分子コンドロイチン硫酸とグルコサミン配合を配合しています。
軟骨保護作用が医学的に証明されています。
最後に
股関節脱臼や、膝蓋骨脱臼は程度の違いはありますが、一生治らない病気です。
手術をしての再発防止や、程度が軽い段階で、サプリメントや食事,予防のマットなどを利用して重症化を防いでくださいね。
長い記事を読んでくださってありがとうございました。
あなたとその隣にいるわんちゃんがもっともっと両想いで幸せになりますよう、願っています!