人間の料理には多く使われているニンニク。
ニンニクで香り付けすると食欲がわき、また体調が万全ではないときなどにニンニク料理を食べると元気になったりしますよね。
しかし食べ過ぎると逆に具合が悪くなったり。
このニンニク、犬にとっては、実に賛否両論です。
ここではニンニクのメリット・デメリット、飼い主さんへの注意点や万が一の時の対処法を見ていきます。
Contents
ニンニクの効果(メリット)
犬にニンニクは禁物!と言われることが多いのですが、まずはメリットから見ていきましょう。
実は、犬にとってニンニクは、少量であれば次のような効果が認められるといわれています。
- 滋養強壮
- 肝機能向上
- 免疫力向上
- 血栓の予防
- コレステロール低下
- ノミ・ダニ対策 など
実際、フードに含まれていたり、犬猫用ニンニクサプリメントも存在します。
体重5kgの小型犬でニンニク小さじ1/4(中サイズのニンニクひとかけらの1/4片程度)をたまに与えるくらいが目安とされています。
これ以上の量、頻繁な摂取は厳禁です。
生でも加熱しても問題ないといわれています。
犬にとってニンニクはダメ!と言われる理由(デメリット)
ニンニクはネギ科の植物で、タマネギ・長ネギにも含まれているアリルプロピルジスファイドを少量含んでいます。
これは加熱しても壊されることはありません。
犬はアリルプロピルジスファイドを体内で分解する酵素を持っていないため、大量に摂取してしまうと中毒を起こす可能性があります。
これを一般的に、「タマネギ中毒」と呼び、最悪の場合、死に至ることもあります。
貧血気味だったり手術前の犬、あと子犬には特に注意が必要です。
ニンニクについて、注意しなければならないこと
過剰摂取は厳禁!!
ニンニクを許容量以上食べてしまうことで、タマネギ中毒を起こす危険性が十分にあります。
「タマネギ中毒」の症状
犬の体内に入ってきたアリルプロピルジスファイドが、血液中の赤血球が破壊させてしまいます。
それにより、次のような中毒症状を起こします。
- 貧血
- 下痢、嘔吐
- 胃痛、腹痛
- 頻脈
- 血尿、血便
- 食欲減退、衰弱
- 皮膚炎
- ぜんそくのような発作、痙攣 など
そして最悪の場合は死に至ることもあります。
ニンニクはタマネギや長ネギよりも、アリルプロピルジスファイドの含有量は少量です。
そのため、少量の摂取であれば犬の体にもメリットがあったり、実際「少し食べさせても大丈夫」という声も多いです。
しかし、人間同様、犬にも体質・体調など個体差がありますし、アリルプロピルジスファイドによるタマネギ中毒はかなり個体差が大きいようなので、一概に大丈夫とは言えません。
飼い主さんとして、考えてほしいこと
何かあった時に苦しむのは愛犬です。
そして飼い主さんの心理的負担も大きなものとなるでしょう。
最終的には飼い主さんの判断にはなりますが、わざわざ危険な可能性のあるものを与える必要はないのではないでしょうか。
そのためここでは、家庭で調理したニンニクを与えるのは避けることをおすすめします。
もし犬の健康のためにニンニクを与えるのであれば、安全を踏まえて、きちんと犬用に加工されたものを指定量以内で摂るべきだと考えます。
ちなみに、犬用のニンニクサプリメントもあります。
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または、「ハーベラ」のガーリック・サプリメントもおすすめです。
http://www.pet-ann.net/dog/food/supplement/sup_her_garlic.html
ここで注意したいのがアレルギーです。
ニンニクで食物アレルギーを起こす場合があります。
そういった場合はサプリメントなどももちろん摂取できませんのでご注意下さい。
そしてニンニクの入ったものを犬がうっかり食べてしまうことのないように配慮しましょう。
いざという時の対処法
もし食べてしまったら、動物病院へ連絡して指示を仰いでください。
何らかの事情ですぐに病院に行けない場合は、強制的に吐かせましょう。
ご家庭で対処しなければならない場合の、強制的に吐かせる方法を紹介します。
強制的に吐かせる方法
一般的に行われているのが、次の2種類です。
オキシドールを使用
犬の体重5kgに対し1ccのオキシドールを飲ませることで、胃の中に酸素を発生させて吐かせます。
(スポイドなどで犬の口の端から注入し、手で口をふさいで上を向かせると飲み込みます)
食塩を使用
5kg前後の小型犬でティースプーン1/2くらい、10kgの中型犬でティースプーン1杯程度の食塩を、犬の舌の上に乗せます。
すると犬は食塩を飲み込み、それにより水を大量に飲むことで吐き出させます。
どちらも、1回やってみて15分以上しても吐かなかったら、もう一度だけ試してみてください。
それでも吐き出さないようでしたら、これ以上ご家庭で対処するのは危険なので病院へ連れて行きましょう。
この2つのうち、どちらかというとオキシドールの方がおすすめです。
食塩の場合、吐かないからといって何度か試してしまうと、塩分の過剰摂取による食塩中毒を起こすことがあります。
特に小型犬の場合は注意して下さい。
ちなみに、塩の、犬の体重に対しての致死量は4g/kgです。
なるべく病院で処置してもらうようにして、もしご家庭での処置となった際は十分に注意して行って下さい。
愛犬の安全や健康は、多くが飼い主さんにかかっています。
私も1匹の犬の飼い主として、色々なところでさまざまな情報に触れ、迷うことも多々あります。
家族の一員であるわんこのためにも、正しい知識と判断をしていきたいものです。