犬が老化してトイレがうまくできない!正しい排尿の介助方法

犬 老化 トイレ

ワンちゃんが歳を取ってくると、生活の色々な場面で介助が必要になってきますよね?
老犬の介助の悩みの中でも多いのが、排泄の介助に関する悩みです。

今回は、正しい排泄の介助についてのお話しです。
ワンちゃんがより快適な生活を送れるのはもちろんですが、飼い主さんの負担を減らすためにも、正しい介助の方法を身につけておきましょう!

排泄の介助について知っておきたいこと

犬 老化 トイレ

犬はもちろん、動物にとって排泄はとっても大事なことです。
尿や便をしっかりと出すことで、体の中から老廃物を出すことができます。
そのためきちんと排泄ができないと、病気のリスクが増えてしまうんですね。

介助をする上では、自分でできることは自分でさせるということが基本です。
自分で排泄をしたいというワンちゃんの気持ちを大切にしてあげてください。

ただし、排泄の介助は一日に何回も、長い期間をかけて行うことになります。
そのため、飼い主さんの負担がなるべく軽くなるように工夫することも同じくらい大切です。

介助の環境を整える

老化により筋肉が衰えてくると、自分で排泄のポーズが維持できなくなってきます。
ふらついたり、排泄後にウンチの上に尻もちをついてしまったりすることもあります。
こうなってきたら、排泄の介助の準備をしていきましょう。

排泄のタイミングを把握する

ワンちゃんの排泄のタイミングをある程度把握しておきましょう。
日誌などを付けて記録しておくのもおすすめです。

犬は、自分でトイレをしようとして失敗してしまうと、それを気にして余計に失敗するようになったりします。
排泄のタイミングを把握しておけば、失敗する前にトイレに誘導してあげることもできますね。

また、老化が進んで自力で排泄できなくなってくることもあります。
そういう場合も、毎日決まった時間に飼い主さんが手助けして排泄させてあげる必要が出てきます。

トイレの環境を整えてあげる

犬がトイレをしやすいように、場合によってはトイレの場所を見直す必要もあるかもしれません。

臭いが気になって家の奥の方やお風呂場の近くなどにトイレを作ってしまうと、足腰の弱った老犬にとっては不便な場所になってしまいます。
そうするとトイレに行くのがおっくうになってしまい、ギリギリまで我慢しておもらししてしまうこともあるかもしれません。

トイレは、犬が普段生活している場所の近くに作ってあげましょう。

また、おしっこが飛び散っても良いようにペットシーツなどを広めに敷いておきましょう。
飼い主さんも汚れても良い服装で介助をしてあげましょう。

外でトイレをしていたワンちゃんの場合、徐々に屋内でできるように誘導してあげると後々の介助もやりやすくなります。
特に大型犬の場合は、歩けなくなってきた時に抱っこして外に連れて行ってあげるのはとっても大変なことです。

排泄の介助の仕方

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さてここからは、具体的な介助の方法についてお話ししていきたいと思います。
トイレに行きたそうなそぶりを見せたり、決まった時間になったら、ワンちゃんに優しく声をかけてトイレに連れて行ってあげましょう。

立ち位置は犬の前か後ろが良い

おしっこの場合もウンチの場合も、犬の横ではなく前か後ろに立ちます。
犬の横に立つと、上手く力が入らなかったり腰に負担がかかったりして、毎日やっていると支える側に負担が出てきやすいためです。
飼い主さんがやりやすい方で構いませんが、小型犬や中型犬なら犬の前に、大型犬なら後ろに立った方が安定しやすいです。

立ち位置が決まったら、犬の腰から足にかけて支えてあげます。
排泄しやすい姿勢は、それぞれのワンちゃんごとに違います。
支えるポジションなどを工夫しながら、飼い主さんが介助しやすい姿勢で、かつ、ワンちゃんが排泄しやすい姿勢を見つけてみてください。

おしっこの場合の介助の例

犬の胴体の、足の付け根寄りのあたりに手を添えて支えてあげます。
筋力が弱くなると、かがむのが辛くなって立ったまま排尿する子が多いです。
特に大型犬の場合は高い位置から「ジャーッ」と出ることになりますので、けっこう飛び散りますので、そこは覚悟しておきましょう。

ハーネスを使うのも良いです。
ただし、物によっては犬の体型に合わなかったりうまく排泄ができなかったりすることもあります。
こればかりは相性もあるので実際に使ってみないと分かりませんが、上手くいけばとても頼りになるものです。

ウンチの場合

ウンチの場合は、犬が踏ん張り安いような姿勢を取らせてあげましょう。
排便のそぶりを見せたら、人間でいう座骨のあたりを支えてあげて、ゆっくりと腰を下げて中腰の姿勢に持って行きます。

ウンチのときもハーネスを使えれば楽かもしれませんが、手で支えてあげた方が踏ん張りやすいという子が多いです。
色々と工夫をして、やりやすい方法を探してみてくださいね。

排泄ができたら、優しく褒めてあげてくださいね。
体が汚れたら、濡れタオルやウェットティッシュなどで優しく拭いてあげましょう。
ウェットティッシュは、低刺激な物や赤ちゃん用のものを使うと良いです。

おもらしをするようになったら

老化が進んでくると、おもらしをするようになる場合があります。
筋肉の衰えや神経の麻痺などでトイレに間に合わなくなったり、いつものトイレの時間まで我慢できなくなってくるのが原因です。
特に冬はトイレが近くなるので、おもらしも増える傾向にあります。

おもらしが出始めたら、ワンちゃんの排泄のタイミングを把握して早めに声をかけてあげるなどの工夫が必要です。

無理をせず、場合によってはおむつを使うのも一つの方法です。
犬用のおむつでも良いですし、赤ちゃん用のオムツに尻尾の穴をあけて代用することもできます。

ただし、長時間オムツを付けているとかぶれたり、膀胱炎や皮膚の病気になるリスクもあるので、注意が必要です。
オムツは最低限にして、なるべくトイレで排泄できるのが理想ですね。

もしもオムツを付ける場合は、肛門周りの毛をあらかじめ短く切っておくと、おむつかぶれを防ぐ効果があります。
また、汚れたときにもふき取りやすくなるので清潔も保ちやすいです。

決して叱らないで!

注意したいのが、おもらしをしても決して叱らないことです。

犬は、歳を取って体が不自由になってきても、自力で排泄したいと思っています。
おもらしをして叱られてしまうと、人がいるところでは排泄を我慢してしまったり、隠れて排泄するようになったりします。

中には排泄自体を隠そうとして、食糞をしてしまう子もいます。

老犬の排泄に関しては、決して怒らず気長にお付き合いしていく必要があります。

寝たきりになったら

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寝たきりになったら、お尻の下にペットシーツを敷いてあげましょう。
オムツを付けるよりもペットシーツを敷いた方が排泄にすぐに気づくことができます。
また、オムツよりも体に排泄物がくっつきにくくなるので、ペットシーツの方がお世話も楽です。

寝たきりになるころには、自力で排泄できなくなることもあります。
その場合は、膀胱を優しく手で圧迫して排尿させてあげます。
ウンチの場合は、肛門をやさしくマッサージして排便を促してあげます。

そして、排泄ができたらやさしく褒めてあげてくださいね。

強制排泄について

老犬の排泄介助では、「自分でできることは自分で」が基本です。
でも、待っていてもなかなか排泄してくれなかったり、夜寝ている間に排泄して悪臭で目を覚ましたりすると、だんだんとストレスが溜まってきてしまいますよね?

そうなってくると、排泄をある程度飼い主さんがコントロールしてあげることを考えても良いかもしれません。
朝と寝る前など、決まった時間にワンちゃんのタイミングを待たずに強制的に排泄させるということです。

ワンちゃんのタイミングを待ってあげることももちろん大切です。
でも、長く続く老犬の介助が飼い主さんの負担にならないためには、強制排泄も一つの方法です。

おしっこの場合

犬の胴体を左右から支えながら、後ろ足だけを浮かせます。
そうすると、足を広げて排尿の態勢を取ってくれる場合があります。
排尿態勢に入りやすいポジションはワンちゃんによって違うと思いますので、色々と試してみてください。

排尿態勢になったら、通常の排尿介助の態勢で支えてあげて排尿させます。

ウンチの場合

使い捨ての介護用手袋などを使って、犬の肛門に直接指を入れて腸を刺激してあげます。
指の部分を水で濡らしておくとスムーズに指が入り、犬も痛くないです。

指で刺激すると便意をもよおして、排便の姿勢を取ろうとします。
そこで指を抜いてあげると、そのまま排便します。

犬が怖がらないように、横から首を抱きかかえながら、優しく声をかけてあげてください。

おわりに

いかがでしたか?
排泄の介助は長期間に渡って続くことです。
ワンちゃんにとっても飼い主さんにとっても負担が軽くなるように工夫しながら、気長に向き合っていきましょう。
決して叱らないことと、ワンちゃんの気持ちを大切にしてあげることを忘れないでくださいね。

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