「あれ?うちの子なんか、歩き方が変じゃない?」
お散歩中にワンちゃんの歩き方の異変に気付いたら不安になりますよね?
今回は、犬の歩き方がおかしい時に考えられる病気についてお話ししていきたいと思います。
どんな症状がある?

一口に「歩き方がおかしい」と言っても、どんな風におかしいのか?
その症状の出方にはいろいろなケースがあります。
例えば、ワンちゃんに以下のような様子が見られたら注意が必要です。
- ふらふら歩く
- 足を引きずる、かばう
- 足を痛がる
- 腰を振って歩く
- 歩くのを嫌がる
- 歩いていてものによくぶつかる
- 下半身が動かない
- お尻をこするように歩く
- 動きがのろい
- 立ち上がるのに時間がかかる
- がに股になる
こう見ると、本当にいろいろなパターンがありますね。
ワンちゃんの歩き方の変化というのは、普段のお散歩や遊びのなかで気づきやすいものです。
歩き方がおかしい時には様々な病気が考えられますので、「おかしいな」と感じたらすぐに病院で診てもらいましょう。
体の部位別に見る、具体的な病名

では、具体的にどのような病気があるのでしょうか?
体の部位別に紹介していきますので、参考にしてみてくださいね。
骨や関節の病気
犬の歩き方がおかしい時に最も多いのは、やはり骨や関節の病気やケガです。
遺伝的に特定の犬種でよく見られる病気もあれば、どの犬種でも見られるものもあります。
具体的には以下のような病気が考えられます。
骨折、ねん挫、脱臼、膝蓋骨脱臼、椎間板ヘルニア、股関節形成不全、関節リウマチ、肘関節形成不全、骨軟骨異形成、変形性骨関節症、感染性関節炎、前十字人体断裂、レッグ・ペルテス病(レッグ・パーセス病)、骨肉腫、など
骨や関節の病気だけでもかなりたくさんの種類の病気が考えられるんですね。
遺伝的なものや、原因がよく分かっていないものもありますが、日ごろから骨に負担がかからないように気を付けてあげることはとても大切です。
また、肥満によって骨が弱くなる場合もありますので、食生活にも気を配ってあげましょう。
脳や神経の病気
歩き方がおかしいときに疑うべき病気は、骨や関節の病気だけではありません。
脳や神経の病気が原因という場合も多いです。
脳からの命令系統に異常をきたして運動障害が起こることで、歩き方に影響が出てくるのです。
具体的な病名は、以下のようなものがあります。
水頭症、脳腫瘍、認知症、重症筋無力症、筋ジストロフィー、髄膜脳炎、肝性脳症、小脳障害、前庭神経炎、など
並べてみるとなんだか怖い病名ばかりですね。
人間の場合もそうですが、脳や神経の病気が原因の場合は残念ながら予防するのが困難なケースが多いです。
そのため早期発見、早期治療が重要になります。
「おかしいな」と感じたらすぐにかかりつけの病院に相談してくださいね。
目や耳の病気
目の病気が原因の場合は、視力が落ちることでうまく歩けなかったりします。
また、耳の病気が原因の場合は、耳の異常によって平衡感覚がおかしくなって、歩き方に影響が出てきます。
具体的には、以下のような病気が考えられます。
白内障、緑内障、網膜剥離、内耳炎など
目の病気も、予防が困難な病気が多いです。
また、病気の初期は歩き方に変化がないことも多く、症状に気づきにくいです。
そのため発見が遅れて重症化してしまうこともあります。
遺伝的な要因もあるので、日ごろから健康診断を受けておくことをお勧めします。
内耳炎の場合は、外耳炎や中耳炎の延長で起こるので、外耳炎や中耳炎の予防を心がけましょう。
まだまだある、歩き方に異常が見られる病気

今まで紹介してきた病気以外にも、歩き方に異常がみられる病気はたくさんあります。
例えば、以下のような病気です。
呼吸器の病気:肺水腫
生殖器の病気:前立腺肥大
感染症:クリプトコッカス症、ボツリヌス中毒
その他:甲状腺機能低下症、副甲状腺機能低下症、尿毒症、肛門嚢炎、熱中症、低血糖症、ガン、など
「歩き方がおかしい」という症状だけでも、こんなにもたくさんの病気が疑われるんですね。
しかも原因は骨や関節の病気だとは限りません。
命に関わる病気の場合もあるので、気付いたらすぐに対処してあげましょう。
また、日頃から散歩や遊びの時などにワンちゃんの歩き方もチェックするクセをつけておくと、異変をいち早く見つけてあげられるのではないでしょうか。