犬って、こんな時にあくびするの?というタイミングでもあくびをしたりしますよね。
叱られていたり来客中だったり。
明らかに耳がピンと立って緊張モードに見えるのに、大あくび。
そんな犬のあくびに隠された理由を知って、あくびの多い場合の対処法をみていきます。
また、愛犬のストレスや病気などの健康管理に役立てましょう。
たかがあくび、とあなどるなかれ!
あくび、と聞くと、何だかリラックスしてるような、だらけているようなイメージがパッと浮かびます。
しかし犬にとってのあくびは、状況によっては真反対の意味を持つサインでもあります。
犬のあくびの5つの理由
眠い
人間同様、犬も疲れたり眠い時には脳の働きが低下します。
そこで脳を活性化させるために酸素を取り込もうと、あくびをします。
そんなリラックスモードのあくびが「眠い時のあくび」です。
犬は人間よりも多くの睡眠時間を必要とします。
成犬で、通常でも1日12~14時間も寝るのです。
いっぱい遊んだ後などは、いつも以上に思う存分寝かしてあげましょう。
飼い主さんや仲間のあくびにつられて
犬は、飼い主さんの心理に共感したり、動作を真似てしまうなどよく言われています。
ただ、これに関しては未だはっきりとしたことはわかっていません。
ちなみに、犬の祖先であるオオカミの間でも、あくびの伝染があるようですよ。
車酔い
犬も、車に乗ると揺れや加速具合によって三半規管が刺激され、三半規管の弱い犬は車酔いを起こします。
人間と同じように犬が車酔いした時には、落ち着かなかったり吐き気・嘔吐やあくび、よだれなどの症状が出ます。
- 車酔いへの対処法は
- 環境(車)に慣れさせる
- リラックスさせて上げる
- 加速や減速、カーブなどは優しく
- なるべく揺れないように、犬の乗車位置(車体の中心に近く)や体勢(ケージ等に入れてあげる)に気をつけて上げる
- 頻繁に換気をしてあげる
…などして、愛犬のストレスを軽減させてあげましょう。
カーミングシグナル
犬のあくびで覚えておきたいのは、「カーミングシグナル」です。
犬のカーミングシグナルとは、相手(犬や人)のいるシチュエーションで、相手に対して「自分はあなたに攻撃する気はありません!」と無駄に争うことを避けるための意思表示です。
緊張した時に出る犬のあくびは、このカーミングシグナルです。
人間にとっての深呼吸のようなもので、自分や相手の気持ちを落ち着かせるための動作です。
カーミングシグナルには他にも、
「口や鼻を舐める」
「顔や目線をそらす」
「体を丸めて小さくなる」
「座る・伏せる」
「円を描くように近づく」
「人や犬の間を横切る」
「頭を振る」
…などの動作があり、いずれも、何らかの緊張・ストレスを感じた際に自分・相手の気持ちを落ち着ける時に使われます。
知らない人・苦手な人や犬と接するなど、愛犬にとって緊張する状況であくびが見られた場合は、その状況を長引かせないようにして、緊張から解放してあげましょう。
ストレスを感じた時に出るあくび
相手のいるシチュエーションに限らず不快な状況下に置かれた際に、緊張をほぐし脳に酸素を送って落ち着くためのあくびです。
これは注意したいあくびですので、次の項ではこれについて見ていきます。
犬のあくびとストレスや病気との関係
犬がストレスを感じるのはどんな時なんでしょうか。
犬がストレスを感じるのはどんな時?
環境的ストレス
- 苦手、知らない人や犬と近づいたり触れ合う時
- 環境の変化(引越、飼い主さん家族の出産、別離など)
- 飼い主さん家族の不和
- 何が起こるか先が読めない不安な時
- 目を見つめられる時
(犬の目をじっと見つめてしまうことは、威嚇しているのと同じことです) - 怒られている時
- お風呂の苦手な子はお風呂の時 …など
身体的ストレス
- 病気など体に不具合があって、痛みや不快感等のストレスがかかっている時 …など
こういったストレス時には、犬は生あくびを多く出しやすくなります。
あくびは病気のサインでもある
犬が体調不良やケガにより体や気持ちにストレスがかかった場合も、不自然な生あくびが出ます。
あくびは言葉の話せない犬たちのSOSのサインでもあるのです。
また、犬も強いストレス下に置かれると人間のようにうつ病などの精神疾患にもかかりますので、とにかくストレスを取り除いてあげることが大切です。
犬のあくびが頻繁に見られたらどうする!?
いずれにしろ、「以前に比べて愛犬のあくびが目立つ…」という場合は、何らかの強い精神的・身体的なストレスを抱えてしまっていると考えられますので、動物病院に相談することをお勧めします。
また、愛犬の生活環境そのものが実はその子に合っていなかったり、飼い主さんやご家族との関係が愛犬にとってストレスなものだったりするのかもしれません。
今一度、基本的な生活環境を見つめ直してみることも大事です。
このように、あくびといってもいろいろな種類と意味があるのですね。
私たち飼い主がきちんとあくびの意味を把握することで、ワンコたちのサインを受け止めることができます。
ストレスや体調管理の一環として、あくびのことも覚えておきましょう!