わんちゃんが最近少し太ってきたな…
ちょっと毛が薄くなってきたな…
でも、だいぶ年齢を重ねてきたし、歳のせいかな~。。。
なんて思っている方、いませんか?!
その症状、実はわんちゃんにかかる「クッシング病」の症状かもしれません。
副腎の病気で少しばかりややこしい疾患です。
ただ、適切に治療すれば、早めに生活の質が向上できますよ。
となると、鍵になるのは早期発見!
まだワンちゃんが健康であったとしても、ぜひクッシング病の症状などについてよく知っておいてください。
クッシング症の症状
クッシング症とは、左右にある腎臓の上にある、ソラマメのような形をしている副腎という臓器から分泌されるホルモンが、通常以上に分泌されてしまう病気です。
副腎皮質からの分泌が異常に多くなってしまうので、副腎皮質機能亢進症ともいわれています。
では、その症状はいったいどんなものがあるのでしょうか。
クッシング症候群(副腎皮質機能亢進症)の症状まとめ
- 水を良く飲み、おしっこを良くする(多飲多尿)
- ご飯をよく食べる
- 皮膚が黒ずんでくる(色素沈着)
- 太ってくる
- かゆみが無い、左右対称の脱毛
- 良く寝るようになる
- 筋力が衰える
- お腹が異常に膨れる(腹部膨満・腹部下垂)
- 散歩に行きたがらない
- 糖尿病になる
特に、病気が進行するとお腹が異常に膨れる特徴的な体型になったり、糖尿病を併発してしまったりします。
脱毛や肥満などは、病気とは関係ないと思いがちですが、実はこのクッシング病のサインであったりしますので、飼い主のあなたが見逃さないようにしてくださいね!
クッシング症の原因
わんちゃんが副腎皮質からのホルモン分泌が多くなってしまう、クッシング病になってしまう原因は何でしょうか。
副腎皮質からのホルモン分泌には
②副腎皮質からホルモンを分泌する
この2種類の働きが非常に重要です。
この①の脳下垂体からの命令が何らかの原因でどんどん出過ぎてしまうと、副腎皮質からのホルモンが異常に分泌されてクッシング症になってしまいます。
こちらは、クッシング病の全体の8割をしめます。
また、この②の副腎そのものに腫瘍などがあると、脳下垂体からの命令以上にホルモンが異常分泌されてホルモンが異常に分泌されて、こちらもクッシング症になってしまいます。
こちらはクッシング病の2割以下の原因になります。
そして、もう一つ、医原性によるものもあります。
副腎皮質から分泌されるホルモンの「糖質コルチコイド(コルチゾール)」は体の炎症を抑える働きがあるため、人工的に合成されて『ステロイド剤』として一般的に使用されています。
このステロイド剤を用法・容量をきちんと守らず長期投与された結果、体内が必要以上にホルモンがあると勘違いして、①と②と同じくクッシング症になってしまいます。
特に、この3つのクッシング症のうち、わんちゃんの脳の下垂体の異常によるものをクッシング症と区別している病院もあります。
クッシング病にかかりやすい犬種
クッシング病にかかりやすい犬種はあるのでしょうか。
遺伝的に多少はあるようで、
脳の下垂体からの命令に異常があって発症してしまうクッシング病にかかりやすいのは
- ボクサー
- ミニチュア・ダックス・フンド
- ミニチュア・プードル
- ポメラニアン
- ボストン・テリア
副腎そのものに異常があって発症してしまうクッシング病にかかりやすいのは
- ジャーマン・シェパード・ドッグ
- トイ・プードル
上記の犬種があげられています。
しかし、比較的犬種問わず発症する病気ですので、少しでも異常を感じた場合は動物病院に相談に行ってくださいね。
最後に
クッシング症にかかると、完治はせず、一生薬を飲み続けて病気とうまく付き合っていく治療が一般的です。
わんちゃんと少しでも長く過ごせるよう、老化現象かなと感じても、定期的に動物病院に行く健康診断などで、わんちゃんの健康管理をしてあげて下さいね。
長い記事を読んでくださってありがとうございました。
あなたとその隣にいるわんちゃんがもっともっと両想いで幸せになりますよう、願っています!
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