さっきまで何事もなく走り回って元気だったわんちゃんが、突然足をあげて歩くようになってしまう、痛くて動けなくなってしまう…など、どんなわんちゃんでも突然発症することがある「脱臼」。
脱臼の種類によっては、手術をしなくては治らないものもあります。
ところが、痛がらない時は・・・?
今回は、わんちゃんの脱臼の症状や原因、痛みについてお伝えします。
突然愛犬に脱臼の症状が現れてもあわてる事のないよう、予習の意味も込めてお読みくださいね!
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そもそも犬の脱臼とは

脱臼とは、関節が外れてしまい、骨の位置が本来あるべき場所からずれてしまった状態の事を言います。
- 外からの強い衝撃で関節の位置がずれてしまう「外傷性脱臼」
- 何らかの病気が原因で起こる「病的脱臼」
に大まかに分かれます。
脱臼はただ関節が外れるだけでなく、関節が外れる時に、関節の周りを覆っている靭帯と呼ばれる軟部組織も一緒に傷ついています。
そのため、外傷性脱臼はかなり強い痛みを伴うのが一般的です。
わんちゃんに多い脱臼2つ

人間での脱臼は「肩が外れる」などというように、肩に起こる症状が一般的ですよね。
実は関節がある部分ではどこでも脱臼が起こりえます。
では、わんちゃんの脱臼はどの部分が多いか知っていますか?
わんちゃんの脱臼は
- 膝
- 股関節
この2か所に非常に多く発生します。
膝の関節が外れてしまったものを「膝蓋骨脱臼(しつがいこつだっきゅう)」と呼び、股関節の関節が外れてしまったものを「股関節脱臼(こかんせつだっきゅう)」と呼びます。
また、体の様々な場所に関節は存在するので、わんちゃんに多い脱臼してしまう他の関節は他にもあります。
例えば
- 足根関節
- 手根関節
- 肩関節
- 仙腸関節
- 顎関節
などでも脱臼を発症することがあります。
脱臼に痛みはない?!

わんちゃんが脱臼になると、
- 痛みが出る
- 腫れる
- 片足を引きずる
- 片足をあげて歩くようになる
上記のような症状が現れます。
しかし、脱臼にもグレードⅠからグレードⅣまで様々な症状があり、ごく軽いグレードⅠだと全く痛みもなく関節を曲げ伸ばししている時に自然に元の位置に戻る事があります。
ただし、脱臼で痛みがないからと言って、グレードⅠのまま予防や対策をしておかないと、グレードⅡへと症状が進んでしまいます。
そして、グレードⅡまで症状が進行してしまうと、手術をしないと外れた関節が元に戻らないとされています。
もし脱臼かもと思った場合は、わんちゃんが痛がっていなくても動物病院に行くことをお勧めします。
関節の位置を確認するためにレントゲンを撮ったり、膝の関節に直接触ったりする事で獣医さんが脱臼になりやすい体質かどうか診断してくれますよ。
特に、チワワやヨークシャー・テリア、ポメラニアン、パピヨンなどの小型犬には膝蓋骨脱臼が多く遺伝的要因も含まれると言います。
症状を悪化させないために、脱臼したかもしれないと思ったら、わんちゃん自身に痛みが無くても早めの受診をお勧めします。
脱臼にならないための対策4つ

1、フローリングにはじゅうたんやマットを
現在の住まいに多いフローリングは、わんちゃんにとってツルツルと滑ってしまい、関節に負担をかけてしまいます。
興奮した際に爪のカシャカシャ音を立てながら盛大に滑っているわんちゃんを見かけたことはありませんか?
今、膝蓋骨脱臼を発症していなくても、負担をかけ続ける事で、発症してしまうかもしれません。
また、すでに膝蓋骨脱臼を発症してしまったわんちゃんには、これ以上症状がひどくならないような対策が必要です。
滑りやすいフローリングには、じゅうたんやマット,カーペットを敷いたりして関節への負担を軽減しましょう。
2、階段・段差に注意する
階段や段差の上り下りでは、人間にとっては何ともない段差でも、背の低いわんちゃんにとっては足腰に負担がかかる行為です。
ソファーに飛び乗ってしまったり、飼い主さんにかまって欲しくて足元でずっとぴょんぴょんと飛び跳ねているのも注意が必要です。
飛び乗ってしまうソファーやベッドには、わんちゃん用にスロープ状のクッションを置いてあげましょう。
かまって欲しいぴょんぴょん跳ねには、わんちゃんが何を欲しているのかを理解して、少しの間遊んであげたり、大好きなおもちゃで気を引いたりして、なるべくジャンプさせないように心がけましょう。
3、過剰な運動を避ける
わんちゃんの関節を気遣うあまり、全く動かないのは余計に関節が弱くなってしまいます。
飛んだり跳ねたり過剰な運動は避けたいですが、毎日のお散歩で無理のない範囲で身体を動かすのはオススメですよ。
4、関節に良い食べ物を食べる

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良質なたんぱく質や、グルコサミン・コンドロイチンなどは、関節のスムーズな働きをサポートしてくれます。
ペットショップや動物病院では、関節ケアなどの成分を含んだドッグフードがたくさんあります。
おやつの成分にもプラスされているものも存在するので、ぜひ毎日の生活の中で取り入れてみて下さいね。
最後に
脱臼を放置しておくと、大好きな毎日の散歩にも痛くて行けない状況になってしまいます。
安静にしなくてはならず、狭いサークルの中で一生過ごしていかなくてはならないかもしれません。
もし、あなたのお家に少しでもわんちゃんの足腰に負担がかかるフローリングがむき出しになっている場所や、上り下りしたくなる家具があれば今すぐに対策を行って下さいね。
長い記事を読んでくださってありがとうございました。
あなたとその隣にいるわんちゃんがもっともっと両想いで幸せになりますよう、願っています!