一般的に、「犬に加熱した鶏の骨は犬に与えてはいけない」と知られていました。
しかし最近ではそれを覆す考え方も多く見られます。
いろいろな考え方があるけれど、知りたいことはただ一つ。
「で、果たして犬に鶏の骨を与えても大丈夫なの?ちゃんと消化できるの?」ということ。
「犬に鶏の骨を食べさせること」についての様々な見方を元に、メリット・デメリット、与える場合の注意点などをまとめました。
また、鶏の骨の生食についても、みていきます。
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「犬に加熱した鶏の骨を食べさせること」のいろいろな見解と実例
「犬に加熱した鶏の骨は犬に与えてはいけない」と言われるのはなぜ?
犬に鶏の骨を与えてはいけないと言われる理由(デメリット)は、次の3点が考えられます。
- 加熱した鶏の骨は細く鋭く割れやすく、消化器官を傷つける恐れがある。
- 飲み込んで喉に詰まり、窒息する恐れがある。
- 硬い骨を一生懸命かじったことで、歯を守るためのコーティング成分が剥がれ落ち、そこから菌に感染してしまう恐れがある。
実際、犬に鶏の骨を与えて血便→急性腸炎になった、というケースもあります。
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「犬に鶏の骨を与えても問題ない、むしろ犬の体に良い」という見方も!
犬の胃ではほとんどの場合鶏の骨をちゃんと消化できるので、これで大事に至ることはほぼないとも言います。
犬の胃酸はとても強いのです!
手羽先を10本も一気に食べてしまってもきちんと消化しているというケースもありました。
そもそも犬は骨をガジガジかじっていた動物です。
犬に鶏の骨を食べさせることでのメリットは、次の通りです。
- 犬が骨を食べることで、カルシウムやコラーゲン摂取でき、関節・骨の強化に役立つ。
- 硬い骨を噛み砕くことであごや歯も強化。
- 骨を歯でガリガリ砕くことで歯磨き効果やストレス発散にもつながる。
うっかり食べてしまった場合!!
もし食べてしまったとしても、緊急で心配することはありません。
ただし、血便が出る・食欲がない・排便しようとしても出ない・咳をする、など異常が見られたら病院へ連れて行きましょう。
「で、果たして犬に鶏の骨を与えても大丈夫なの?」ということ
結局のところ、「鶏の骨が愛犬に合っているのか。愛犬にあった与え方をしているか。」です。
実際、加熱した鶏の骨を食べても大丈夫だったという例は多いです。
むしろ、積極的に与えている飼い主さんもいらっしゃいます。
愛犬の年齢や歯の具合・消化の具合など、飼い主さんが見極める必要があります。
鶏の骨についてのメリット・デメリットを踏まえ、愛犬に必要な食べ物かどうかを判断しましょう。
また、与え方も大事です。
与え方については事項をご覧ください。

犬への鶏の骨の与え方
ここからは、犬に鶏の骨を与える場合の注意点や与え方を見ていきましょう。
犬に鶏の骨を与える場合に注意したいこと
仔犬や老犬に与えるのは注意が必要!
冒頭の「犬に鶏の骨を与えて血便→急性腸炎になった、というケース」に於いても、まだ歯が成長しきっていない犬に大きめな骨を与えて、血便になってしまっています。
仔犬や老犬の場合、こういったことが考えられます。
仔犬や老犬でも食べ慣れている子であれば問題ないかもしれませんが、食べ慣れていないようなら与えるのを控えた方が無難です。
喉に詰まらせること
ガジガジ中に大きな塊のまま喉に入ってしまうことが考えられます。
与える場合は飼い主さんの見ているところで与えましょう。
食べやすい大きさにカットして与えましょう
手羽先などはキッチンバサミで切れるので、与える時は小さく切って与えるようにしましょう。
おすすめ食べ合わせ
鶏の骨に豊富に含まれるカルシウムの吸収を促進する栄養素と一緒に与えることで、より効果を発揮します。
ビタミンC、D
カルシウム吸収を助けるビタミンDが豊富なキノコ類と一緒に与えるのがおすすめです。
さらに、茹で汁にも栄養がたくさん溶け込んでいます。
一緒にスープとして与えても、水分も獲れて理想的ですね。
また、ビタミンDは日光浴でも生成されるので、お日様の下でいっぱいお散歩もさせてあげましょう!
ビタミンCの多いパプリカやブロッコリー、キャベツなどと合わせるのもおすすめです。
ただし、パプリカはたくさん与えすぎてはいけません!
アルカロイドの蓄積により関節炎を起こしやすくなるので、少量(与える量は小型犬で5gくらい)にしましょう。
アミノ酸のリジン
大豆製品や魚介類に多く含まれます。
お豆腐と一緒にスープにしたり、豆乳でお鍋風にしてあげてもいいですね!

犬に鶏の生肉・生骨を与えてもいいの?
生肉・生骨が良いといわれることについて、お話しします。
気になっている飼い主さんも少なくはないでしょう。
そもそも生肉・生骨食だった犬(や猫)。
元々は生肉の強い繊維と骨を砕くことで、自然と歯の掃除をしていました。
しかし、人間の利便性により普及した「ドッグフード」を食べ続けるようになり、人間のように歯石・歯垢が付着し、それは自然に取れることはありません。
生肉・生骨を与えることで犬の本能が目覚めるため、自然治癒力が高まるなど生食のメリットも多いと言われます。
また、生骨の場合は「加熱した鶏の骨は細く鋭く割れ、消化器官を傷つける」という危険も解消されます。
しかし、スーパーなどで市販されている普通のお肉を生で与えるとすると、寄生虫や細菌など衛生面での危険性が出てきます。
もし与える場合は、生食用に販売されているものを与えることをおすすめします。
こんな犬の食用の骨付生肉も販売されています。
↓↓桜島どりゴールドの手羽先骨ごと生で。
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↓↓徳島地鶏のネックのせせり部分を骨ごとそのまま生で。
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ただ、生骨食に注意が必要な犬もいます。
歯が抜けたり口臭がひどくなるくらいのひどい歯周病や歯石、アレルギー体質、歯並びが悪かったり乳歯が残っている、よく噛まずに丸呑みする癖がある、といった場合は生骨食はおすすめできません。
参考:現役獣医師が教える!病気予防のテクニック!!
愛犬問題 「犬の手作り食材鳥の骨手羽先の先が好評」
獣医師 青山千佳の部屋
私のご近所にも、ご飯に骨を食べているワンコがいます。
その子は食べ慣れていることもあり、全く問題なく、元気一杯!
うちの子も、本能が刺激されてか骨には過剰反応します。
とはいえ、危険性も指摘されている食材ではありますので、与える際は注意が必要そうですね。