犬を飼い始めて最初に教えるしつけと言えば、「お手」と「おかわり」が定番です。
でも、初めて犬を飼うときなどは「どうやって教えれば良いの?」「うまく教えらるかな?」と、不安になる人も多いと思います。
今回は、犬のしつけの基本とも言える、「お手」と「おかわり」のしつけ方についてお話ししていきたいと思います。
なぜ「お手」、「おかわり」を教えるの?
犬のしつけの定番とも言える「お手」と「おかわり」ですが、そもそもなぜ「お手」と「おかわり」を教えるのでしょうか?
メリットをいくつか紹介したいと思います。
犬がやりやすい動作
「お手」と「おかわり」は、犬のしつけの中でも簡単にできるしつけです。
それは、犬が自然とやりやすい動作だからと言うのが一つの理由です。
犬は、自分に関心を向けたい時やエサが欲しい時などに相手の体に手で軽くタッチする動作をします。
これは、子犬の時に母犬にお乳をねだるしぐさの名残だと言われています。
この動作が、「お手」や「おかわり」の動作に似ているんですね。
飼い主の自信につながる
犬を初めて飼う人は、これからワンちゃんをきちんとしつけられるか不安も多いですよね?
でも、比較的簡単な「お手」や「おかわり」のしつけに成功することで、しつけに対して自信が持てるようになります。
飼い主さんが自信をもって毅然とした態度でしつけをするということは、とっても大事なことなんです。
また、飼い主さんに褒められると犬もとっても喜びます。
飼い主さんにとってのメリットは、ワンちゃんにとってもメリットとなるんですね。
犬との信頼関係を築く
これはとっても重要です。
犬のしつけをする上で、犬との信頼関係は必要不可欠です。
犬はもともと群れで生活する動物で、群れの中のリーダーに従う習性があります。
「お手」や「おかわり」のしつけを通して、飼い主さんをリーダーだと認識してもらい、しっかりとした主従関係を作るきっかけになるんです。
犬の気持ちをコントロールする
これは、ちょっと違った観点からのメリットです。
犬を落ち着かせたい時、気持ちを切り替えさせたい時などに「お手」や「おかわり」を使います。
そうすると、犬の意識が飼い主さんのほうに向いて気持ちをリセットさせることができるかもしれません。
簡単なしつけである「お手」、「おかわり」をマスターしておけば、犬を飼い始めたばかりでも犬をコントロールできるようになるんですね。
「お手」のしつけ方
「お手」は右手?左手?どっち?
しつけ方の前に、まずは左右どちらの手で「お手」をさせるのか?ということについてお話ししておきたいと思います。
これは、少なくとも一般家庭で飼っているワンちゃんの場合はあまり拘らなくて大丈夫です。
どちらの手というよりは、毎回同じ側の手を出させること、また家族全員の指示を統一させておくことのほうが大切です。
例えば、「お手」は右手でと決めたら毎回右手ですること、家族全員が右手でするということです。
やるたびに違う手を要求されたら、犬も混乱してしまいます。
ワンちゃんによっては左の方が出しやすい子もいます。
その場合は、左でしつけても大丈夫です。
「お手」や「おかわり」の目的は、犬と飼い主さんとの信頼関係を作ることですので、右でも左でもやりやすいほうでOKですよ。
ちなみに、英語で「お手」は「shake」と言い、握手の意味があります。
そのため、英語圏では犬と人間が右手で握手するように行うことが多いそうです。
この流れで、訓練所などでは右手同士での「お手」を教えることも多いです。
そうは言っても最初に書いたように、「お手」はどちらの手でも大丈夫ですし、人間の右手と犬の左手(向かい合った正面の手)でも大丈夫ですよ。
具体的な「お手」の練習手順
では、ここからは具体的な「お手」のしつけ方についてお話ししていきたいと思います。
ポイントは、犬の機嫌が良い時に始めることと、お手の合図(言葉)と動作のタイミングを合わせることです。
「お手」は比較的簡単なしつけですので、3日もあればマスターできますよ!
- まず、犬を自分の前に座らせます。
- 「お手」と声をかけながら犬の手を持って自分の手の上にのせます。
そして、お手をするたびに大げさなくらい褒めちぎります。 - これを何度も繰り返します。
褒められると犬もしつけが楽しくなり、褒められたくて自分から行動してくれるようになってきます。
必ず声をかけながら行い、犬に指示と動作を結び付けさせましょう。
よく、言うことを聞いたご褒美におやつをあげることがありますが、必ずしもおやつでなくても大丈夫です。
おやつのあげすぎや虫歯の心配もありますので、たくさん褒めてあげるだけでも十分です。 - 2を繰り返したら、今度は犬の手を持たずに「お手」をしてみましょう。
そして、できたらとにかく褒めちぎります!
これも、何度も繰り返して覚えさせます。
犬が自分から足を上げない場合は、足先をチョンとつついて誘導してみましょう。
できなくても焦らず、また2から繰り返しやってみましょう。
犬は頭が良いので、この手順を繰り返せばたいてい3日あればマスターできます。
中には時間がかかる場合もあるかもしれませんが、1回覚えたらずっとやってくれますので、焦らず挑戦してみてくださいね。
もし出来なくても、犬を怒ったり叩いたりは絶対にしないでください。
ここで飼い主さんに不信感を持ってしまうと、ここから先のしつけができなくなってしまいます。
決して焦らず、少しでもできたらとにかく褒めることが大切です。
飼い主さんが喜んでいる姿を見ると、ワンちゃんも嬉しくなって喜んで「お手」をしてくれるようになりますよ。
「おかわり」のしつけ方
「おかわり」も、「お手」と同じ手順で覚えさせます。
「お手」とは反対の手でやってくださいね。
犬が混乱しないように、飼い主さんが差し出す手も反対の手にするとより覚えやすいです。
それができるようになったら、「お手」も「おかわり」も同じ手を差し出して練習していきます。
同じ側の手を差し出して「お手」と「おかわり」をしてくれるようになったら、「おかわり」のマスターです。
いかがでしたか?
ここまで書いておいてなんですが、「お手」と「おかわり」は絶対に教えなければいけないしつけではありません。
実際のところ筆者は、自分の犬には「お手」も「おかわり」も教えませんでした。
「お手」も「おかわり」も、犬と飼い主さんのコミュニケーションの一つに過ぎません。
「お手」ができなくても、きちんと信頼関係が築けていれば何の問題もありません。
ですので、なかなか覚えられないとしても無理に教えなくても大丈夫です。
他の方法で、ワンちゃんとたくさんコミュニケーションを取って、信頼関係を築いていきましょう!
そうは言っても、「お手」と「おかわり」は初心者向きの簡単なしつけです。
犬のしつけをする入り口として、トライしてみるのが良いかもしれませんね!