卵はさまざまな栄養を含んだ、優秀な食品です。
ロッキーもトレーニングの時に生卵をジョッキで飲んでいたように、高タンパク低カロリーな卵は、強い体をつくるのには欠かせません。
犬にとっても、卵の栄養素は有効です。
一般的には、犬に卵を食べさせても大丈夫です。
しかし、犬の体は私たち人間とは違うので、与え方にも注意が必要です。
ここでは、犬に卵を食べさせる時に気をつけたい適量などの注意点、特に生卵について食べても大丈夫なのか、を見ていきます。
卵を犬に与える時の注意点
犬に卵を食べさせる時の注意点は、次の4つです。
・卵アレルギー
・犬に卵をあげる時の適量
・食べ過ぎは禁物!
では、ひとつひとつ細かく見ていきましょう。
犬に生卵は与えない!
卵に含まれている多くの栄養素は犬にとって害を及ぼすものではありません。
ただ、生卵の白身部分に含まれるアビジンという塩基性糖タンパク質が、ここで問題となります。
生の卵白には注意
このアビジンは、水溶性ビタミンであるビオチンというビタミンと結合する力が非常に強い成分です。
そのため、犬の体内にアビジンが入るとビオチンと結合してしまい、ビオチンが体に吸収されるのを邪魔してしまいます。
卵白(アビジン)を長期摂り続けていると、ビオチンが不足してきて次のような症状を起こしやすくなります。
・皮膚炎、脱毛
・結膜炎
・免疫力低下、疲労 など
犬が卵かけごはんを毎日でも食べないと、こういうことはないでしょう。
ただ、長期でなくても一度に大量摂取することでビタミンバランスが崩れて下痢を起こす可能性もありますので、生の白身は与えないようにしてください。
加熱すれば大丈夫?
ビオチンは加熱により、その働きが弱まります。
そのため、ゆで卵や炒り卵のような形にして与えると良いでしょう。
白身は固まって黄身は半熟くらいのゆで卵だと消化にも優しいので、わんちゃんにとってはおすすめです。
黄身も生ではだめ?
黄身に関しては生でも特に成分的な問題はありません。
ただし、子犬や高齢犬に関してはお腹をこわす可能性もありますので、生の黄身もやめておきましょう。
また、サルモネラ菌など食中毒の可能性を抑えるために加熱が安全と言う声もありますが、これに関しては人も同じですね。
生の卵白を食べてしまったらどうすればいい?
万が一、生の白身を食べたとしても、毎日だったり一気に大量に食べてしまったのでなければ、そんなに心配はいりません。
ただ、犬によっては下痢をするかもしれませんので、その時はかかりつけの獣医さんに診てもらいましょう。
また、これらのことは、ウズラの卵にも同様です。
卵アレルギー
犬の食物アレルギーの原因の中で多いものとして、牛肉・乳製品・鶏肉・小麦・鶏卵・とうもろこしがあげられます。
犬にも、卵アレルギーはあります!
卵を食べさせた後に、体をかゆがったり、目の充血、嘔吐、発疹、元気がないなどの症状が出たら、アレルギーの可能性があります。
速やかに病院で診てもらうようにしましょう。
犬に卵をあげる時の適量
体の大きさに大しての、1回に与える目安量は次を参考にして下さい。
・10kgくらいの中型犬で50g程度
・20kgくらいの大型犬で90g程度
もちろん、人と同じように、犬にも体質など個体差がありますので、一概にはいえません。
また、その時の体調や他の食事とのバランスもあるので、わんちゃんの様子を見て、栄養バランスが偏らないように調整してあげましょう。
ちなみに、犬の1日に必要なタンパク質量は、次の通りです。
・10kgくらいの中型犬で28g程度
・20kgくらいの大型犬で47g程度
食べ過ぎは禁物!
犬に卵は、「ときどき」「少し」あげましょう。
卵はコレステロールを多く含む食品です。
毎日食べさせ続けてしまうと、脂肪肝や高脂血症の原因となってしまいますので注意しましょう。
また、先にもありましたが、卵はアレルゲン(アレルギーの原因物質)としても多くあげられるものです。
頻繁に与え続けることで、アレルゲンに対する許容量がオーバーしてしまいアレルギー症状を発症させる段階まで行ってしまうことも考えられます。
(アレルギーの許容量説は、あくまでアレルギーのメカニズムの一説ですが)
どんな食べ物も、何事も、そしてわんちゃんだけでなく人にとっても、「ほどほど」「適量」が一番ですね!