ワンちゃんがブルブルと震えて元気がない姿を見たことがある飼い主さんは結構多いのではないでしょうか?
でも、同時に嘔吐、呼吸が荒い、泡やよだれを出すなどの症状が出たら、何か悪い病気なんじゃないかと心配になりますよね?
今回は、犬の震えと同時に現れる色々な症状と、考えられる病気についてお話ししていきたいと思います。
犬が震えて元気がない原因は?
犬の震えの原因は様々です。
単に寒いだけの時もありますし、ストレスや不安、恐怖で震えている場合もあります。
このような場合は、原因を取り除いてあげたうえで、犬を安心させてあげれば震えは収まるでしょう。
また、老犬になると足の筋力が衰え、自分の体を支えられなくなって震える場合もあります。
残念ながら老化は止められるものではないので、老化が原因の場合は徐々にお散歩を減らしたりして、脚への負担を減らしてあげることが必要かもしれません。
もしも震えが止まらなかったり、他に気になる症状が出ているようであれば、それは病気のサインかもしれません。
犬の様子をよく観察して、かかりつけの病院に相談してみると良いでしょう。
犬が震えていて嘔吐したときに考えられる病気
嘔吐も、犬にはよくある症状です。
食べ過ぎて吐いただけならともかく、震えが止まらない上に嘔吐したとなると、ちょっと心配ですね。
考えられる病気
主に誤飲や消化器系・泌尿器系の病気の可能性があります。
具体的には、以下のようなケースが考えられます。
- 誤飲による中毒症状
- 感染症(ジステンパー、パルボウィルス、コロナウィルス、犬伝染性肝炎など)
- 消化器系疾患(胃捻転、胃潰瘍など)
- 泌尿器系疾患(膀胱炎、腎不全、腎炎、尿毒症など)
- 肝硬変
- 熱中症
- 薬の副作用
- 乗り物酔い
対処法
犬が嘔吐した時は、念のためかかりつけの病院を受診することをお勧めします。
特に誤飲の場合、飼い主さんが気づかないうちに異物を飲み込んでしまっている場合もあります。
吐いたけど元気にしているからと言ってそのままにしておくのは危険な場合があるので、要注意です。
ただし嘔吐ではなく、生理現象としての「吐き戻し」であれば、心配ないこともあります。
食べ過ぎや早食いで吐いた場合や、胃の調子を整えるために草を食べて吐く場合などがこれに当たります。
自分で判断がつかない場合は、やはり病院を受診した方が良いでしょう。
上に挙げた伝染病(ジステンパー、パルボウィルス、コロナウィルス、犬伝染性肝炎)については、ワクチンで予防できます。
ワクチンについては、メリットやデメリットが色々あります。
例えば、犬種によっては一部のワクチンの成分に対する反応が強く、副反応が出ることもあります。
また、老犬や持病がある犬の場合は、もしも副反応が出たときの危険性の方が強いと判断されることもあります。
その辺りは、かかりつけの獣医さんとしっかりと相談して決めてくださいね。
犬が震えていて呼吸が荒いときに考えられる病気
犬は体温調節のために、特に夏場や運動後などには呼吸が荒くなります。
でも、それ以外の時に苦しそうにハァハァと浅い呼吸をしていたり、震えが出ていたら注意が必要です。
考えられる病気
寒さで震えている場合や、不安や恐怖、ストレスを感じて震えるときも、呼吸が荒くなることが結構あります。
問題は、何か病気が隠れているときですね。
具体的には、以下のようなケースが考えられます。
- ケガなどの痛みを我慢している
- 誤飲による中毒症状
- 感染症(クリプトコッカス症、ジステンパー、破傷風、フィラリアなど)
- 脳の障害(肝性脳炎、小脳障害など)
- てんかん
- 呼吸器系疾患
- 心臓疾患
- 低血糖
- 消化器疾患(胃拡張・胃捻転など)
- 泌尿器系疾患(尿毒症、急性腎不全など)
- 子宮蓄膿症(重度の場合)
- 低体温症
- 熱中症
- 感電
対処法
風邪など発熱して呼吸が荒いときは、熱が下がれば呼吸も元通りになるはずです。
いつまでも呼吸が荒い時は他に原因が考えられますので、早めに病院を受診しましょう。
痛みを我慢している場合は、外傷があれば飼い主さんも気づくことができますが、内臓出血などは見た目で分からないこともあります。
また、犬によっては痛みを外に見せないように我慢してしまう子もいます。
少しの異変にも気づいてあげられるように、注意して見てあげたいですね。
犬の感染症には予防接種で予防できるものも多いですが、破傷風は予防接種がありません。
人にも感染する人畜共通感染症ですが、人の破傷風には予防接種があります。
小さいころにきちんと予防接種を受けていれば、犬から感染することはまずないでしょう。
破傷風は傷口から感染しますので、散歩の後などに全身をチェックして、傷がある場合はしっかり洗って清潔にするようにしましょう。
クリプトコッカス症については、他の病気で免疫が弱っているときなどに発症しやすいです。
こちらも人畜共通感染症で、クリプトコッカスという真菌(カビ)を吸い込むことで感染します。
他の病気を予防することが、この病気の予防につながります。
犬が震えていて泡やよだれを出すときに考えられる病気
犬のよだれには体温調節の役割もあります。
暑い日や運動後などにハァハァと荒い呼吸でよだれを垂らしている、というのはよくあることです。
ただし、よだれが多すぎたり泡を吹いているなど、普段とは違うよだれの時は病気が考えられます。
考えられる病気
震えていて泡やよだれも出ているときに多いのは、てんかんや中毒症状、脳や神経の異常などです。
具体的には、以下のようなケースが考えられます。
- 誤飲による中毒症状
- 感染症(狂犬病、ジステンパー、破傷風など)
- 内分泌の異常
- 脳や神経の異常(肝性脳症、小脳の障害、水頭症など)
- てんかん
- 門脈シャント
- 消化器系(胃拡張・胃捻転症候群、腸閉塞、腸重積など)
- 泌尿器疾患系(急性腎不全、尿毒症など)
- ガン
- 椎間板ヘルニア
- 低体温症
- 低血糖
- 熱中症
- 乗り物酔い
対処法
泡を吹いた場合でもただ単に興奮しただけというケースもあります。
空腹等で一時的によだれが増えるということも少なくありません。
特に注意が必要なのは、よだれ以外にも他の症状が一緒に出ていたり、よだれが大量に出続けたりするときです。
てんかんなどの強烈な発作が出たときにはすぐに対処できますが、症状がなかなかわかりにくい場合もあります。
何かおかしいと感じたら、早めに病院を受診するようにしましょう。
犬の震えはよく見る症状の一つなので、ついつい見逃してしまうこともあります。
何か他にはっきりとした症状が出ている時は、病気を疑った方が良いかもしれません。
中でも誤飲やてんかん、熱中症などは、よく起こることです。
事前にその症状や対処法について知っておくことも大切ですね。
日ごろからワンちゃんの様子をよく観察して、異変を感じたらすぐに病院を受診しましょう。