犬が人間の歯磨き粉を食べたら危険?誤飲の際の対処法を教えて

歯磨き粉 誤飲 危険 対処法

犬は好奇心旺盛でなんでも口に入れてしまいます。
ちょっと目を放した隙に歯磨き粉をガブっといかれてしまうこともあるかもしれません。
人間の歯磨き粉って犬にとって危険なのでしょうか?

この記事では、犬にとっての人間の歯磨き粉の危険性についてお話ししていきたいと思います。

人間の歯磨き粉は危険?

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結論から言うと、人間用の歯磨き粉は犬にとって危険な場合があります。
少なくとも、良いものではありません。

では、何がどう危険なのでしょうか?

キシリトールが危険?

キシリトールって知っていますよね?
人間の歯磨き粉にはよく含まれている成分で、その効果について賛否はありますが、歯にとって良いものとして使用されています。

でも、犬にとってはキシリトールは危険だと言われています。

実は、キシリトールが犬にとって危険だと言われるようになってきたのはここ10年くらいのことなんです。
昔は獣医さんにでさえ知られていませんでした。
現在でも色々な意見がありますが、「摂取量によっては危険」という獣医さんの意見が多いようです。

人間用の歯磨き粉やガムなどでキシリトールが流行り始めた頃、犬用の商品でもキシリトール入りのものがたくさん作られました。
キシリトールの危険性が言われるようになって減ってきていますが、それでもキシリトール入りの犬用歯磨き粉やガムなどは今でも販売されています。

そもそも犬は人間と唾液の成分も食べ物の内容も違い、虫歯になりにくいです。
そのためキシリトールによる虫歯予防効果は犬には期待できないんですね。

それに、人間用の歯磨き粉は飲み込むことを前提で作られていません。
歯磨きをしたら吐き出しますよね?
人間だって吐き出すのに、犬が食べて良いわけがありません。

市販の歯磨き粉にはたいてい、様々な合成添加物や界面活性剤などが含まれています。
歯磨き粉が人間にとっても有害なものであるという意見も多くあります。
そのお話しは今回は置いておきますが・・・

キシリトール入りでなくても、歯磨き粉は犬にとって大量に食べて良いものではないんですね。

容器も危険

忘れてはいけないのが容器です。
犬が歯磨き粉を食べてしまう時、ふつうは容器ごとガブリ!ですよね?
プラスチックのかけらを飲み込んでしまって消化器官に詰まってしまうと、最悪の場合開腹手術になるケースもあります。

「歯磨き粉を少し食べたけど平気そうだ」と安心していたら、容器を食べちゃった!なんてこともあり得ますので、注意してくださいね。

犬がキシリトールを食べたらどうなる?

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では、犬がキシリトール入りの歯磨き粉を食べてしまったら、どのような症状が起こるのでしょうか?

キシリトールは、体重1kgあたり0.1gの摂取でも重篤な症状が起こる危険がある、という研究があります。
体重が10kgのワンちゃんなら1gということですね。

市販の歯磨き粉にはキシリトールの含有量が書いていないことが多いですが、歯磨き粉を丸ごとガブっといったら相当な量になるのではないでしょうか。

この研究結果に対しては獣医さんの間でも様々な意見があります。
同じ量を摂取しても症状が出る犬と出ない犬がいるようで、中毒などとは違うのではないかともいわれています。
ですので、「こういう可能性がある」ということでお話ししていきたいと思います。

低血糖

キシリトールを犬が接種すると肝臓からのインシュリンが出すぎてしまい、低血糖になると言われています。
犬は人間に比べてキシリトールの吸収が早く、吸収後のインシュリン放出量も多いのが原因として挙げられます。

低血糖は放っておくと命に関わるとっても怖い病気です。
症状としてはまず最初に嘔吐が見られ、1時間もしないうちに低血糖の症状が出てきます。
低血糖の症状は、元気がない、ぐったりするなどがありますが、ひどくなると痙攣発作を起こします。

肝障害

低血糖を放っておくと肝機能に障害が出てくる可能性があります。

インシュリンが出すぎることでグリコーゲンの合成が促進され、肝臓に負担がかかることなどが原因と言われています。
また、避妊去勢手術によってアレルギー反応が出やすくなり、その影響で肝障害が出るという意見もあります。

原因については様々な意見がありますが、キシリトール自体は犬にとって日常的に与える必要のないものです。
食べても症状が出ない犬もいるようですが、注意するに越したことはないですね。

また、上でも書きましたが、人間の歯磨き粉にはたいてい合成添加物が入っていますので、その点でも犬には与えない方がよいと言えるでしょう。

対処法

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犬が人間の歯磨き粉を食べてしまったら、どのように対処したらよいのでしょうか?

基本的にはすぐに病院へ!

もしも嘔吐や低血糖などの症状が出なくても、食べた可能性があれば必ず病院に相談してくださいね。
その際、食べた物や量、時間などをなるべく正確に伝えられるようにしておきましょう。
歯磨き粉の現物があれば持って行きましょう。

容器を食べてしまったら、たとえ小さなかけらであっても病院で診てもらってください。
何日かして便と一緒に出てくることもありますが、体の中から全てが完全に出てこなければ後々腸閉塞などの重大な症状が出ることもありますので。

オキシドールを薄めて飲ませる

キシリトール入りの歯磨き粉を食べてしまい、吐き出させたい場合はオキシドールを薄めた物を飲ませる方法があります。
この方法は飲み込んでからだいたい1時間以内なら効果があります。

オキシドールを3倍程度に薄めたものを体重1kgあたり1〜2mlほど飲ませると吐き出すことがあります。
体重が5kgの犬で10〜20mlですので、小さじ3杯くらいが目安ですね。

この方法はあくまで応急処置としての方法です。
オキシドールを飲ませても吐き出さないからと言ってそれ以上飲ませることはせず、そこからは獣医さんの指示に従ってくださいね。

容器がのどに詰まったらどうする?

もしも容器を飲み込んでしまい窒息の危険があるときは緊急事態ですので、飼い主さんが自分で取り出してあげる必要があります。
あくまで緊急時の場合ですので、無理にやらずに病院への連絡を優先して下さい。

まず、犬の口を開けてみましょう。
異物が見える位置にあるなら、舌を引き出して気道を確保した上で、ピンセットなどで慎重に取り除いてあげます。

取り出しにくい場合は押し出す必要があります。
小型犬なら逆さにして足を持ってぶら下げて、背中をたたくようにします。
大型犬は持ち上げられませんので、横に寝かせて肋骨の下をグッと押すようにします。

すでに窒息が起きている場合は、無理に吐き出させないで押し込んでしまった方が良い場合もあります。
細長い棒などでそっとのどの奥にに押し込むようにします。

いずれにしても大切なのは「気道の確保」です。

予防法

歯磨き粉だけに言えることではないですが、犬が食べて困るものは犬の手の届かない場所に置くようにしましょう。
また、キシリトール入りの歯磨き粉をなるべく使わないことも予防になりますね。

しつけの面では、普段から拾い食いをさせない、ごみ箱などをあさらないといったルールをきちんと教えておきましょう。

 
いかがでしたか?
キシリトールの危険性については色々と言われていますが、ワンちゃんにとって何が危険で何が安全なのかは、飼い主さんの判断一つです。

歯磨き粉に関しては、キシリトールだけでなく容器の誤飲の危険もあります。
無用な事故が起こらないように、日ごろから部屋を整理整頓しておくことはもちろん、きちんとしつけもしておきたいですね

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