老犬の痙攣や震えの原因と対処法!子犬とは違い重大な危険性も?

老犬 痙攣 震え 原因

ワンちゃんも人間と同じように、歳を取ると体力が落ちたり体のあちこちが弱ってきます。
ただでさえ体調が心配なのにそんな時に痙攣震えが出てきたら、ますます心配になってしまいますよね?

今回は、老犬の痙攣や震えのお話です。
老犬の場合は若いころとは違う原因があったりしますので、詳しく見ていきましょう。

犬の老化による震えの原因

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筋力の低下による震え

犬の老化は思ったより早くにやってきます。
大型犬なら5〜6歳、小型犬は7歳くらいから老化が始まります。

人間の場合もそうですが、老化によって筋肉量が落ちてくると、自分の体を支えることが難しくなってきます。
その結果、ふらつきや震えが出てくることがあるんです。
通常、筋肉は後ろ足から落ちてくるため、震えも後ろ足に出ることが多いです。
このような症状は、ダックスなどの足の短い犬種でより起こりやすいと言われています。

その他の原因による震え

筋力の低下以外にも震えの原因として考えられるものがあります。

●気温の影響

まず、老犬になると暑さ・寒さに弱くなります。
室温が適温だと思っていても、ワンちゃんにとっては寒いと感じているのかもしれません。
その場合は室温を上げたり、毛布を掛けてあげてみましょう。

●心理的な原因

また、老犬になると分離不安が強くなると言われています。
それまでお留守番が平気だったワンちゃんでも、飼い主さんの姿が見えなくなっただけで不安を感じて震えが出ることもあります。
恐怖やストレスによって震えている場合には、優しく話しかけたり抱きしめてあげるなどして安心させてあげましょう。

●痛みによる震え

ケガや病気の痛みによって震えている場合もあります。
老犬になると体のあちこちに不具合が出て、どうしても痛みが出てきてしまうものです。
大きな病気が隠れている場合もありますので、放っておかずにかかりつけの病院に相談してみましょう。

老犬の痙攣の原因

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犬の痙攣には、様々な原因が考えられます。
ただ、老犬になると体のいろいろなところが弱ってきますので、病気が原因の痙攣も増えてきます。

ここからは、老犬の震えの場合、特に気をつけたい病気をいくつか例に挙げてお話ししていきます。
てんかん

てんかんは犬の痙攣の原因として最も多い病気で、脳の神経細胞の異常による病気です。

てんかんには

  • 先天性の「特発性(原発性)てんかん」
  • 二次的な要因による「二次性(症候性)てんかん」

があります。

これまでてんかんになったことがなく老犬になって初めて発作を起こしたという場合は、たいていは二次性(症候性)てんかんです。
二次性(症候性)てんかんは脳腫瘍などの病気が原因となって起こることもあり、老犬の場合は特に多いと言われています。

てんかんによる発作には、落ち着きがない、神経質になる、大量のよだれ、嘔吐などの前兆が見られることもあります。
様子がおかしいなと感じたら、普段より少し注意して見てあげてください。

脳腫瘍

老犬になってよく発症する病気の一つが脳腫瘍です。

脳腫瘍には、

  • 脳の細胞が腫瘍化することによってできる「原発性脳腫瘍」
  • 他の部位のガンが転移してできる「続発性脳腫瘍」

の2種類があります。
短頭種の犬や、ガンになりやすい傾向にあるゴールデンレトリーバーなどで特に起こりやすいとされています。
脳腫瘍には良性の腫瘍と悪性の腫瘍がありますが、良性の腫瘍であっても犬に悪い影響を及ぼします。

症状は痙攣以外にもいろいろとありますが、認知症と症状が似ているため、間違えないように要注意です。

心臓病

心臓病もまた、老犬に多い病気です。
歳を取ると心臓の弁膜が厚くなるため、心臓病の発生率が高まるんですね。

心臓病の中でも特に注意が必要なのが、

  • 僧帽弁閉鎖不全症
  • 心筋症

です。
僧帽弁閉鎖不全症は小型犬のオスに特に多い病気ですが、もちろん全ての犬種で起こります。
心筋症は大型犬に多い病気で、拡張型、肥大型、拘束型の3種類があります。

どちらも目立った初期症状がない場合も多く、早期発見が難しい病気です。
病気が進行していくと、口から泡を吹いたり、痙攣、失神などの発作を起こすことがあります。

心臓病による発作はてんかんによる発作と違い、前兆がありません。
ある日突然発作が起こり、発作が収まるとすぐに元気な状態に戻ることも多いです。

老犬になったら心臓に負担をかけないように注意するとともに、定期的に心臓の検査を受けておくことをお勧めします。

尿毒症

尿毒症は、腎臓の機能障害である慢性腎不全が悪化することで起こります。
腎臓機能も年を取ると低下してきますので、注意が必要です。

症状としては、食欲の低下、嘔吐、下痢、などがありますが、進行すると痙攣昏睡を起こすことがあります。
尿毒症で痙攣が起こるまで症状が進んでいると、とかなり危険な状態になっています。
そこまで進行する前に、慢性腎不全をなるべく早期発見することが重要です。
慢性腎不全は初期段階では気づきにくいので、定期的に腎臓の検査を受けておきましょう。

●原因となる病気の特定はできる?

このように可能性のある病気をあげましたが、原因の特定は素人では難しいです。
ですから、愛犬の気になる震えを発見したら、病院で相談するのがおすすめです。

また、その際は、震え以外に気になる症状がないか?ということをあわせて伝えるとよいでしょう。

老犬が痙攣や震えを起こした時の対処法

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犬が痙攣を起こした時に飼い主さんがすることは、「冷静に見守ること」です。
これは、老犬であっても若い犬であっても共通していることです。
具体的な対処方法についてはこちらの記事で触れていますので、そちらを参考にしてくださいね。

 

筋力の低下による震えの場合は、お散歩や運動を無理のないように工夫してあげる必要があります。
お散歩の時間を徐々に短くしたり、間に休憩をはさんだりするのも良いでしょう。
ただし、あまり運動を減らしすぎてもかえって筋力が低下してしまいます。
ワンちゃんにとっても飼い主さんとお散歩に行けるのは嬉しいことですので、様子を見ながら徐々に減らしていったほうが良いですね。

また、老犬になると不安が強くなりがちです。
毎日たくさん話しかけたり、スキンシップをしてあげてくださいね。
不安を取り除いてあげることでストレスによる震えがなくなれば、病気による震えが出たときにすぐに異変に気付けるかもしれません。

老犬に多い病気は早期発見が難しく、気づいた時にはかなり進行していることも多いです。
日ごろからワンちゃんをよく観察して、震えなどの病気の兆候を見逃さないようにしたいものです。
若い時以上に定期的な検査も重要になってきますので、忘れずに受診するようにしましょう。

犬の寿命は人間よりもずっと短く、私たちよりも老化のスピードも確実に速いです。
大型犬になると寿命が10年に満たないことだってあります。

人間と同じで犬も歳を取れば病気になることが多く、痙攣や震えはその兆候かもしれません。
「ワンちゃんの老化が始まってきたな」と感じたら、いざという時にどう対処したら良いか、一度考えてみると良いかもしれません。

そして、ワンちゃんが素晴らしい老後を送れるように、より一層温かく見守ってあげてくださいね

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